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episode 1
初恋
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「ちょっと柴垣くん、いつからいたのよっ」
突っかかって来る楠原は、実は美人と言うよりはハンサムと言った方がしっくりくる女だった。
「最初から。周りも確認せずにペラペラ話だしたお前らが悪い」
二人の近くにある自動販売機の横のゴミ箱へコーヒーの缶を入れると、ガコッと大きな音がした。
「言っとくけど聞きたくて聞いたわけじゃねぇし、興味もねぇから心配すんな」
何の病気なのか、俺の口は自分の意思と反して勝手に動き、挙句後半は嘘で固めた。
顔を真っ赤にして半泣きしそうに目を潤ませている三崎を冷ややかに見下ろす。
そうしないと抱きしめてしまいそうなほど、潤んだ上目遣いに衝撃を受けてしまったから。
俺じゃないから痛い目みるんだよ。
俺じゃないから受け止めてもらえなかったんだよ。
俺じゃないから傷付くんだよ。
「ばーか」
いろんな思いを全てひっくるめたら、出てきた言葉はこれだけだったんだ。
「ちょっと柴垣くんっ!」
突っかかってきそうな勢いの楠原を避け、
「記憶削除したから問題ねぇよ」
そう言って俺はその場を立ち去った。
突っかかって来る楠原は、実は美人と言うよりはハンサムと言った方がしっくりくる女だった。
「最初から。周りも確認せずにペラペラ話だしたお前らが悪い」
二人の近くにある自動販売機の横のゴミ箱へコーヒーの缶を入れると、ガコッと大きな音がした。
「言っとくけど聞きたくて聞いたわけじゃねぇし、興味もねぇから心配すんな」
何の病気なのか、俺の口は自分の意思と反して勝手に動き、挙句後半は嘘で固めた。
顔を真っ赤にして半泣きしそうに目を潤ませている三崎を冷ややかに見下ろす。
そうしないと抱きしめてしまいそうなほど、潤んだ上目遣いに衝撃を受けてしまったから。
俺じゃないから痛い目みるんだよ。
俺じゃないから受け止めてもらえなかったんだよ。
俺じゃないから傷付くんだよ。
「ばーか」
いろんな思いを全てひっくるめたら、出てきた言葉はこれだけだったんだ。
「ちょっと柴垣くんっ!」
突っかかってきそうな勢いの楠原を避け、
「記憶削除したから問題ねぇよ」
そう言って俺はその場を立ち去った。
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