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episode 7
私達の答え
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呼吸を乱して私に向かってくる柴垣くん。
この姿を見たのは今日はもう2回目。
こういう時ってなんと声をかけるべきだろう?
やっぱり。
「…おかえりなさい…?」
しかないんじゃないだろうか?
そう言うと柴垣くんはとっても嬉しそうに笑って。
「…ただいま」
ふわりと私を包み込んだ。
会社ではパニックになって色々なことが頭をかすめて大変だった。
でも冷静になってみてわかる、柴垣くんのこの行動の意味。
私達はきっと今、同じ気持ちでいるはずだと。
「もう逃げねぇの?」
「逃げないよ」
「どうだろ。アノ時も逃げないかって聞いたけど、お前答えなかったし」
アノ時は、身体を重ねれば全部が伝わるような気がしたから。
「身体が答えだって思ったけど、次の日顔合わせた途端に、お前逃げたからな」
「あれはっ。柴垣くんは本気じゃないって思ってたし」
「はあっ!?」
バッと私を引き剥がして、柴垣くんは信じられないとばかりに目を見開いて私を見る。
「え…本気で言ってんの…?」
「え?」
本気も何も、柴垣くんから決定打を喰らわないように、無かったことにしてくれと頼んだわけだし。
「マジで信じられねぇ…」
柴垣くんはがっくりと肩を落とし、ソファーに座ると頭を抱えた。
この姿を見たのは今日はもう2回目。
こういう時ってなんと声をかけるべきだろう?
やっぱり。
「…おかえりなさい…?」
しかないんじゃないだろうか?
そう言うと柴垣くんはとっても嬉しそうに笑って。
「…ただいま」
ふわりと私を包み込んだ。
会社ではパニックになって色々なことが頭をかすめて大変だった。
でも冷静になってみてわかる、柴垣くんのこの行動の意味。
私達はきっと今、同じ気持ちでいるはずだと。
「もう逃げねぇの?」
「逃げないよ」
「どうだろ。アノ時も逃げないかって聞いたけど、お前答えなかったし」
アノ時は、身体を重ねれば全部が伝わるような気がしたから。
「身体が答えだって思ったけど、次の日顔合わせた途端に、お前逃げたからな」
「あれはっ。柴垣くんは本気じゃないって思ってたし」
「はあっ!?」
バッと私を引き剥がして、柴垣くんは信じられないとばかりに目を見開いて私を見る。
「え…本気で言ってんの…?」
「え?」
本気も何も、柴垣くんから決定打を喰らわないように、無かったことにしてくれと頼んだわけだし。
「マジで信じられねぇ…」
柴垣くんはがっくりと肩を落とし、ソファーに座ると頭を抱えた。
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