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第六章
契約夫婦は円満に
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夜の闇の中にライティングされた外観もさることながら、内装もお洒落この上ない。
配色やインテリアの趣味、照明機器へのこだわり、本当にどれをとっても溜め息が漏れてしまう。
もともと依舞稀はそんなにインテリアにこだわりのある人間ではない。
両親が生きていたころは、家のインテリアは全て母の趣味で埋め尽くされていた。
女性らしい暖色系のメルヘンチックなものを好む依舞稀の母は、乙女チック全開であった。
両親かこの世を去ってからは、なにせ生きることと借金返済に追われ、自分の部屋を飾るなんてこともできなかった。
必要最低限のものを百均で揃える。
それだけでもあの頃の依舞稀からすれば十分に贅沢な暮らしだったといえるだろう。
そんな生活を余儀なくしていた依舞稀が、今ではこんな素敵な場所に足を踏み入れることになろうとは。
この際片っ端から部屋のドアを開けて、室内を見学したいものである。
玄関のインターホンを鳴らし、返事を聞く前からずかずかと上がり込んでしまったが、これでよかったのだろうかと今更ながらに不安になった。
いくら自分の旦那様の実家であろうとも、歓迎されているかどうかもわからぬ義理両親の住まいに、勝手に踏み入ってしまってはならなかったのではないだろうか。
誰一人としていないエントランスがそれを物語っている気がして、依舞稀はそっと遥翔のスーツの袖を引いた。
配色やインテリアの趣味、照明機器へのこだわり、本当にどれをとっても溜め息が漏れてしまう。
もともと依舞稀はそんなにインテリアにこだわりのある人間ではない。
両親が生きていたころは、家のインテリアは全て母の趣味で埋め尽くされていた。
女性らしい暖色系のメルヘンチックなものを好む依舞稀の母は、乙女チック全開であった。
両親かこの世を去ってからは、なにせ生きることと借金返済に追われ、自分の部屋を飾るなんてこともできなかった。
必要最低限のものを百均で揃える。
それだけでもあの頃の依舞稀からすれば十分に贅沢な暮らしだったといえるだろう。
そんな生活を余儀なくしていた依舞稀が、今ではこんな素敵な場所に足を踏み入れることになろうとは。
この際片っ端から部屋のドアを開けて、室内を見学したいものである。
玄関のインターホンを鳴らし、返事を聞く前からずかずかと上がり込んでしまったが、これでよかったのだろうかと今更ながらに不安になった。
いくら自分の旦那様の実家であろうとも、歓迎されているかどうかもわからぬ義理両親の住まいに、勝手に踏み入ってしまってはならなかったのではないだろうか。
誰一人としていないエントランスがそれを物語っている気がして、依舞稀はそっと遥翔のスーツの袖を引いた。
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