174 / 232
第五章
反撃の刃
しおりを挟む
「確かに規定違反を犯してしまったことは認めます」
こればっかりは調べられてしまっているのだから隠しようがない。
非のあることは素直に認めてしまった方が優位に立てる。
「しかしそれを専務に責め立てられることはないと思います」
偉そうにそう言っては見たものの、十分に攻められる案件であることはわかっている。
「なにを開き直ってるんだ?こんなことが許されるわけないだろう」
いくらバカだと言っても、簡単に引き下がってくれそうにもない。
これはたくさんの隙をついて、自分の行動を正当化していくしかないだろう。
遥翔にチラリと視線を向けたけれど、ニヤニヤと笑い返すだけで、選手交代してくれそうもないのだから。
「そうはおっしゃいますが、規定には『副業は禁止する』と書かれているだけで、具体的な罰則などを記されているわけではありません」
「常識的な人間であるならば、禁止されていることをしたりはしないだろう⁉一から十まで記されないとわからないのかね」
「なるほど。ごもっともです」
くそ。
他人を攻撃することに関しては、恐ろしいほどまでに正当性を突いてくるじゃないか。
上手く言いくるめようとしたけれど、副業に関しては誤魔化しようがない。
これに関しては素直に謝ることにしよう。
「それで専務はこの件に関して何をお求めですか?」
謙虚にそう聞いてみたけれど。
「そんなの決まっているだろう?このままでは他の社員にも示しがつかない。きっちりと責任を取ってもらわなくてはな」
謝る前にやはり足掻いてみることにしよう。
こればっかりは調べられてしまっているのだから隠しようがない。
非のあることは素直に認めてしまった方が優位に立てる。
「しかしそれを専務に責め立てられることはないと思います」
偉そうにそう言っては見たものの、十分に攻められる案件であることはわかっている。
「なにを開き直ってるんだ?こんなことが許されるわけないだろう」
いくらバカだと言っても、簡単に引き下がってくれそうにもない。
これはたくさんの隙をついて、自分の行動を正当化していくしかないだろう。
遥翔にチラリと視線を向けたけれど、ニヤニヤと笑い返すだけで、選手交代してくれそうもないのだから。
「そうはおっしゃいますが、規定には『副業は禁止する』と書かれているだけで、具体的な罰則などを記されているわけではありません」
「常識的な人間であるならば、禁止されていることをしたりはしないだろう⁉一から十まで記されないとわからないのかね」
「なるほど。ごもっともです」
くそ。
他人を攻撃することに関しては、恐ろしいほどまでに正当性を突いてくるじゃないか。
上手く言いくるめようとしたけれど、副業に関しては誤魔化しようがない。
これに関しては素直に謝ることにしよう。
「それで専務はこの件に関して何をお求めですか?」
謙虚にそう聞いてみたけれど。
「そんなの決まっているだろう?このままでは他の社員にも示しがつかない。きっちりと責任を取ってもらわなくてはな」
謝る前にやはり足掻いてみることにしよう。
0
お気に入りに追加
94
あなたにおすすめの小説
恋とキスは背伸びして
葉月 まい
恋愛
結城 美怜(24歳)…身長160㎝、平社員
成瀬 隼斗(33歳)…身長182㎝、本部長
年齢差 9歳
身長差 22㎝
役職 雲泥の差
この違い、恋愛には大きな壁?
そして同期の卓の存在
異性の親友は成立する?
数々の壁を乗り越え、結ばれるまでの
二人の恋の物語
月城副社長うっかり結婚する 〜仮面夫婦は背中で泣く〜
白亜凛
恋愛
佐藤弥衣 25歳
yayoi
×
月城尊 29歳
takeru
母が亡くなり、失意の中現れた謎の御曹司
彼は、母が持っていた指輪を探しているという。
指輪を巡る秘密を探し、
私、弥衣は、愛のない結婚をしようと思います。

【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
雪井しい
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。
【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】
☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆
※ベリーズカフェでも掲載中
※推敲、校正前のものです。ご注意下さい

忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。

【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始
貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
玖羽 望月
恋愛
朝木 与織子(あさぎ よりこ) 22歳
大学を卒業し、やっと憧れの都会での生活が始まった!と思いきや、突然降って湧いたお見合い話。
でも、これはただのお見合いではないらしい。
初出はエブリスタ様にて。
また番外編を追加する予定です。
シリーズ作品「恋をするのに理由はいらない」公開中です。
表紙は、「かんたん表紙メーカー」様https://sscard.monokakitools.net/covermaker.htmlで作成しました。

社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる