契約結婚！一発逆転マニュアル♡

第二章

嫉妬と好奇

すとんと音を立てて胸に落ちてきた言葉は、まるでパズルの最後の1ピースのように、今まで空いていた心の穴にピッタリとはまった。

「依舞稀、俺は……」

頬を赤く染めた依舞稀の頬を、遥翔は手の甲でするりと撫でた。

「お前のこと、愛してる」

「遥翔さん……」

こんなに早く遥翔に愛してもらえることになるとは思ってもいなかった。

自分自身も、こんなに早く遥翔を愛してしまうとは思っていなかったのだから、気持ちというのは本当に儘ならないものだ。

「私達、本当の夫婦になったみたいですね」

順番は違ったけれど、今ここに二人の心は合わさった。

「依舞稀……もしかしてお前も……？」

「はい。私も遥翔さんを愛しちゃったみたいです」

ふわりと微笑んだ依舞稀はとても愛らしくて愛おしい。

「俺……今なら誰にも負けないくらいの愛妻家になれる自信がある」

「なってほしいです。私をたくさん愛して……」

そう言って依舞稀はゆっくりと遥翔の両頬に手を添えた。

その温もりと柔らかさに、遥翔はすっかり参ってしまった。

愛しいと思える相手と想いが通じ合い、こんな風に触れられると、心というものは震え締め付けられるものなのか。

遥翔は堪らなくなって、依舞稀に覆いかぶさりきつく抱きしめた。

依舞稀が遥翔の背中に手を回したのは、全てを受け入れた合図。

遥翔はそっと顔を上げると、ゆっくりと依舞稀の唇へと吸い寄せられる。

2人の唇が合わさると、もう何も考えられなくなり、二人は初めて男と女として依舞稀が意識を飛ばすまで激しく求め合った……。