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episode 2

新婚生活は蜂蜜みたいに

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蒼空と私の初めてのキス。

結婚式の時の誓いのキスは頬で誤魔化してしまったから、こうして二人の唇が触れ合うのは初めてのことだった。

ふわりとアルコールの香りがする吐息は、私の羞恥心をかき消してしまいそうになる。

僅かに開いた隙間から、熱くなった蒼空の舌が侵入してくるのを感じた。

自分の舌先で熱を感じれば、それは艶めかしくゆっくりと音を立てて絡み合う。

ふと脳裏に過るのは、どうしてこんなことになってしまっているのかということ。

蒼空と私は恋愛して結婚したわけじゃない。

どちらかと言えば強制婚といえるのではないだろうか。

にもかかわらず、今私は完全に蒼空を受け入れようとしている。

口内で蠢く熱さえも心地よいと感じてしまっているほどに。

絡むほどに聞こえる淫音に、私はすっかり取り込まれているようだ。

蒼空の温かい手が私のスカートをたく仕上げ、優しく腿を撫でた。

触れた指先がくすぐったくて、私は軽く身を攀じる。

しかし蒼空は私の腿を小脇に抱えて意地悪そうに笑った。

その笑みさえも私の気持ちを昂らせるのだからたまらない。

先を望んでしまった私とは裏腹に、蒼空は私からすっと体を離すとスカートの裾を整えた。

「せっかく由華ちゃんがいい顔してくれてるけど、今日はここまで。お楽しみは取っとくよ」

呆気にとられた私の頬に、蒼空は優しく口付けた……。
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