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episode 2

新婚生活は蜂蜜みたいに

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「あのね、蒼空」

私がどうしてこの選択をしたのか。

自分にだって理解できないことがあるけれど、ちゃんと言葉にしてみよう。

「確かに私は最初、ただのその場しのぎにすぎないんだから、協力してもいいかなって思ったの」

「そうだよね……」

「でもね、婚姻届けにサインしたとき、本当にそれでもいいかなって自然に思ったの」

おばさんの勢いも確かにすごかったけれど、こんなに大切なことを、人に流されて決めたりなんかしない。

「どうしてそんな気持ちになったのかなって考えてたけど、結婚式の途中でわかったわ」

「途中で?」

「そう。ウエディングドレスを着た私の隣に蒼空がいる。その光景が思い出させてくれたの」

「なにを?」

「私、小さい頃は、この光景を夢見てたなぁって。私にとって蒼空は初恋の男の子なのよ」

「……え……」

「蒼空のお嫁さんになるんだって、ずっと思ってたの。もちろん子供の頃は、だけどね。それを思い出して、ああ、この選択でもいいのかなぁって思っちゃったのね、きっと」

驚きからなのか、言葉も発さず目を開いて私を凝視する蒼空に、はにかんだ笑顔を向けた。

「私が蒼空のことを好きだったのは子供の頃のことで、今の蒼空とは同じ気持じゃない」

今こんなことを言うのはどうかと思うが、私は蒼空を男性として意識したことがない。
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