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通常編
17,キスしないといけないんですか?
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僕らはチケット売り場までやってきた。相変わらず人はいない。店員さんも暇そうにどんよりとした雲を見つめていた。
「すいません。前売りチケットを当日券に変えてください。」
お姉ちゃんはそう言う。そしてブランド物(プ◯ダ)のバッグからペアチケットを取り出す。
「カップル割チケットですね。ではカップルの証明としてキスをしてください。」
「キスしないといけないんですか?」
僕、お姉ちゃん双方口を揃えそう言う。
「はい、そういう決まりですので。」
そんなこと知らなかった。安さに惹かれ何も注意書きを読むこともなくチケットを買っていた。
どうする?どうする?どうする?人生で2回目のキスをこんなんで済ませていいのか?
え?「元カノとはキスもできていなかったのに誰とキスしたん?」だって?まあ、それがわかるのはもうちょっと後の話だ。
「風馬、私思ったんだけどさ………唇と唇をちょっと合わせればキスになるんじゃない?ほら、キスの定義って多分それだし。」
お姉ちゃんは僕の耳元で小声でそう耳打ちする。
確かにそう思えばそうだ。キスの定義は唇と唇を合わせることだし…………。ものは試しやってやろうじゃないか!幸運なことに後ろにお客さんはいないので今がチャンスだ。
「そ、それじゃあ、おね…………真奈キスするね。」
口が滑りそうになった。今は恋人同士であることを偽らないと。
「うん。」
僕は取りあえずお姉ちゃんを抱いてみる。変な意味ではなくて。お姉ちゃんの胸が当たる。真保とは大違いだ。そして顔を近づけ上唇でお姉ちゃんの上唇にキスを………というよりも当てた。
「ポッキーゲームしてたら事故ってちょっと当っちゃったよ」並のやつだった。これは審議がかかってもおかしくない。店員さんの優しさが左右するだろう。
「はい、ありがとうございます。チケットです。どうぞ。」
鬼門突破ーーー。店員さんはリストバンド式のチケットを2つ僕らに差し出す。僕らはそれを受け取る。
「あ、ありがとうございます。」
「で、では僕たちはこれで、行くよ!お姉ちゃん!」
「ちょ、風馬。」
僕はここから1番遠くにあるフリーフォールに向かうべくお姉ちゃんの手を取り、そのまま連れて行く。
店員さんは手を振る。
「行ってらっしゃ~い。(仲良さそうな姉弟だな~)(薄々気づいてた)」
「すいません。前売りチケットを当日券に変えてください。」
お姉ちゃんはそう言う。そしてブランド物(プ◯ダ)のバッグからペアチケットを取り出す。
「カップル割チケットですね。ではカップルの証明としてキスをしてください。」
「キスしないといけないんですか?」
僕、お姉ちゃん双方口を揃えそう言う。
「はい、そういう決まりですので。」
そんなこと知らなかった。安さに惹かれ何も注意書きを読むこともなくチケットを買っていた。
どうする?どうする?どうする?人生で2回目のキスをこんなんで済ませていいのか?
え?「元カノとはキスもできていなかったのに誰とキスしたん?」だって?まあ、それがわかるのはもうちょっと後の話だ。
「風馬、私思ったんだけどさ………唇と唇をちょっと合わせればキスになるんじゃない?ほら、キスの定義って多分それだし。」
お姉ちゃんは僕の耳元で小声でそう耳打ちする。
確かにそう思えばそうだ。キスの定義は唇と唇を合わせることだし…………。ものは試しやってやろうじゃないか!幸運なことに後ろにお客さんはいないので今がチャンスだ。
「そ、それじゃあ、おね…………真奈キスするね。」
口が滑りそうになった。今は恋人同士であることを偽らないと。
「うん。」
僕は取りあえずお姉ちゃんを抱いてみる。変な意味ではなくて。お姉ちゃんの胸が当たる。真保とは大違いだ。そして顔を近づけ上唇でお姉ちゃんの上唇にキスを………というよりも当てた。
「ポッキーゲームしてたら事故ってちょっと当っちゃったよ」並のやつだった。これは審議がかかってもおかしくない。店員さんの優しさが左右するだろう。
「はい、ありがとうございます。チケットです。どうぞ。」
鬼門突破ーーー。店員さんはリストバンド式のチケットを2つ僕らに差し出す。僕らはそれを受け取る。
「あ、ありがとうございます。」
「で、では僕たちはこれで、行くよ!お姉ちゃん!」
「ちょ、風馬。」
僕はここから1番遠くにあるフリーフォールに向かうべくお姉ちゃんの手を取り、そのまま連れて行く。
店員さんは手を振る。
「行ってらっしゃ~い。(仲良さそうな姉弟だな~)(薄々気づいてた)」
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