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通常編

13,知らなくてもいいこと

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 僕の下駄箱の前で座っている人は川田さんだった。彼女はスマホや本を見ることなくただただ体育座りをしているだけだった。



 川田さんは僕を見るなり立ち上がりすたこらさっさと僕の下へ駆け寄る。



 無言でこっちに向かってきて正直少し恐怖を感じていた。顔は申し訳無さを全面に出していた。
 「ど、どうしたの?」
 「ごめん。明日のデート行けない。直接このこと言いたかったから君のことを待ってたんだ。」
 川田さんはそういい頭を下げる。
 「あ、OK。」
 少しショックに思っている自分がいた。久々デートを満喫するためアトラクションやレストランをリサーチしたり何ならもうチケットも買ってしまっていた。ちなみに見栄を張るために僕がチケット代を奢ることとなっていた。



 でも誘っておいた方が断るということはきっと家内で何かがあったのだろう。あまり深追いしない方がいい。理由は聞く気はない。でも気になることは1つだけある。



 「そういえばさっき部室覗いてた?めちゃくちゃ視線凄かったんだけどあれ川田さん?」
 こんなことをするのは僕に用のある川田さんだけだろう。



 
 「私じゃないよ。だってさっきまで茶道室にいたし。」
 川田さんは頭の上に?マークが浮かんでいるかのように首をかしげる。



 背筋が凍った。じゃあ誰なんだ?僕に視線を向けていたのは。他の人?幽霊?はたまた勘違い?この世には知らなくてもいいことがある。今回の場合該当するだろう。


 



 

 



 

 
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