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通常編

10,私のターンドロー(4)

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3人で遊んだ日
 「ただいま。」
 「おかえりー。」  
 お昼ご飯を食べ終わった後ママは帰ってきた。ママの目は死んだ魚のような目をし、目の中には涙を浮かべていた。あとちょっと悲しいことがあったら我慢をすることができず涙腺は崩壊するだろう。うちのママは陽キャor陰キャのどちらかというと陽キャより。everydayポジティブライフを送っているのでこんなに落ち込むことは早々ない。


 「あのさ………ホテルの内のレストランで食中毒が起こっちゃって、休業になっちゃったんだよね。私………料理長だからホテルのオーナーに怒られちゃって………。はあ………。」
 あーそういうことか。それは無理もない。自分が震源地じゃない可能性もあるのに料理長という肩書きを持っているだけで代表で怒られなければいけないのだ。



 「料理長だけが怒られるべき」「料理人全員が怒られるべき」是非ともツイッターで議論したい内容だ。
   


 「午後からお友だちが来るからお菓子部屋に持ってきてね。」
 「わかった。いつも通りうまい棒めんたい味1人5本ね。」
 「いやいつも思うけどお客さんが来るのにそれはちょっと…………。」
 「う~ん。じゃあめんたい味、コンポタ味、たこ焼き味、サラダ味、納豆味それぞれ1本ずつね。」
 「いや味の問題じゃなくて。うまい棒以外の物を出して欲しいなー。」
 あと最後の納豆味は好きと嫌いが二極化してるので人に出すのは控えた方がいいと思う。


 「なんで?だってあのお菓子安くて、おいしくてwinwinじゃん。」 
 うぐ………。たしかに。味は普通においしい、そして1番の強み安い、たった10円台でお菓子が買える。100円あれば9本買える。



 ママの気持ちはわかる。でも、でも、風馬のことが好きな人が来るんだよ?せめてヤンヤンツケボーぐらい出してよ。



 「せっかく風馬のことが好きな人が来るのに………。」
 少しふて腐れた態度を見せママに背を向けリビングに帰っていった。いつもより強く扉を閉める。この行動は苛立ちを象徴していた。


 
 「え?風馬のことが好き?てことはもしかしたら将来彼女になる可能性がある人が来るの?ケーキか何か買って来る!!!」
 ママはそう言い鍵も閉めずにどこかへ行ってしまった。しばらくすると車のエンジンヲかける音が聞こえる。これで弟の彼女候補を十分にもてなすことができる。


 あとは何をして遊ぶかだ。定番中の定番人性ゲームは確実に薦めるつもりだ。


 
 他になにかないかな?野球盤は、イヤ舞桜は野球が好きじゃないかも。ス◯ブラは、イヤ風馬が舞桜をボコボコのボコにして嫌いになったら責任は取れない。



 「ガチャ。」
 ジュースでも飲みながらじっくりと考えよう。ドリンクの保管場所を眺める。左からレモンスカッシュ、メロンソーダ、トマトジュース、謙一からのお土産の青色のソーダ。



 黄色、黄緑色、赤色、青色、……………ツイスターゲーム…………全部ツイスターゲームのカラーだ。



 
 ツイスターゲームってちょっとエッチじゃないですか?もしかしたらそのゲームをやって風馬が舞桜をHな目で見るかも。うん、でもツイスターゲーム=エッチなゲームだと思っているのは私だけか。



 早速買いに行こう。出かける理由を風馬に告げることなく家を飛び出して行った。鍵を閉めずに。大丈夫、大丈夫ここは世界治安ランキングトップクラスの日本だ。そう簡単に泥棒なんて入らないよ。たぶん。
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