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通常編

5,占い

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「あはは、このラノベ面白いんだな。」
 僕は図書室でラノベを読んでいた。日はもう少しで暮れそうになっていて空は既にオレンジ色に染まっていた。僕は部活終了後に僕と図書委員しかいない図書室に行きライトノベルを読むのが日課になっていた。本のバリエーションは豊富で王道物は全て揃っている。今日はあまり世に知られていない…いわゆるマイナーの作品を読んでいる。失敗を恐れて買わず、読んだことのなかった作品も図書室では無料で読むことができるためどんどんと色々な作品を読んでいく。


 「ピコン!」
 「うわ!」
 本のプロローグのページを開いた瞬間ラインの着信音が鳴った。部活の活動中に僕のスマホを使って部員全員でアニメを観ていたから最大音量にしていた。そのため今とてつもなく大きな音が耳に入りはっと驚いた。うちのクラスの図書委員の女子生徒は僕のことをギロっとした目で睨みつける。ごめんなさい………。慌ててマナーモードに設定する。(スマホは机に置いていた)
 

 誰ですか~。わたくしにラインをしたのは。顔認証でロックを解除しラインを開く。クラスメイトからのラインだった。


 「今、何してるの?まだ学校にいる?」
 「図書室で本読んでるよ。」
 「あのさ、1年4組に来てくれない?」
「え?何で?」
 最後にラインを送ってから5分たっても、10分たっても、15分たっても一向に返信はこない。このまま帰ることも可能だ。しかし、呼ばれたのに行かないということは十分失礼なことであるまじき行為だ。そう感じたので相棒のリュックを背負い本を定位置に返し図書室を後にした。


 …………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………………………………
 てかこれは告白なのでは?「放課後に教室に呼び出される」このシチュエーションは「恋愛フラグ」の派生型「告白フラグ」が立っているはずだ。可能性はなくはない。ちなみに送り主は女子だ。好きな人がいるとはいえ告白はされたいものだ。万一告白をされたののならば僕は断るつもりだ。僕には真保という片思い中の人がいる。
とかそんなことを考えながら誰もいない校舎の4階を歩いていた。そして1年4組の教室にたどり着いた。


 「ガラガラガラ。」
 「川田さん僕のこと呼んでどうしたの?」
 「来てくれたんだ。」
 教室に入ると川田さんは何故か体操服を着ていて僕の机に座っていて足を組んでいた。まるでドSな女王様のような雰囲気を出しながら。


 体操服を着ているためか制服の時よりもたわわな胸が強調されておりいつもよりエロ度が増している。


 「ここに呼んだ理由わかる?」
 彼女はそう言った後机に座わるのをやめ僕の元へとスタスタとやってきた。かなり距離が近く一歩前に出てしまうと体が触れあってしまう程の距離だ。彼女にパーソナルスペースはないのだろうか?


 「わからない。」
 本当はこの後何をされるかわかっている。しかし、こういう時はこう言うのが最もbestな手段だ。恋愛経験が少しだけある僕なりの考えだ。


 「じゃあ教えてあげよっか?」
 「はい。」
 川田さんは………………………………………………………………………僕に急に抱きつき顔を僕の左手耳に近づけ耳元で
 「好きです。付き合ってくれませんか?」
と呟いた。





 …………………………………………ん、う~んえ?僕は目覚めた。辺りを見渡すといつも通りの自室の光景が広がっていた。僕は夢を見ていた。友だちに告白をされた夢。初めてのパターンの夢だ。


 僕は気になってしまった。この夢の意味を。目覚めた時にも覚えている程印象に残っている夢は夢占いをしてみている。木になる程気になってしまったのでネットで調べてみた。


 どうやらこの夢は正夢に近いということらしい。つまり、川田さんに告白をされることを意味しているらしい。んなわけあるか。あんな美人でスタイルがよく、性格のいい女性が僕のような顔がカッコよくなく、そこまで性格がよくなくて、陰キャな男のことを好きな訳ないだろう。あれ?僕自分のこと陰キャじゃないって言ってなかった?あ~もうそのことはどうでもいい。とにかくこの占いは信じない!夢占いをしても大抵のことは信じないのが僕安藤風馬だ。
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