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通常編
4,部活動は何に入ろうか?(中編)
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次の日
「はあ…階段きついな…。」
そう呟きながら心臓破りの学校の階段を上っていた。学生あるある「教室までの階段きっつ」は現在地進行形で発動されている。部活動を引退してから体育の授業でしか運動をしていなかったので体力は衰えていて、いやがうえにもつらく感じる。
「そういえば、四位氏。今日は例の部活動の仮入部の日でござるな…。」
「そうでござるな、拙者今から楽しみござる。」
隣で階段を上っている四位勇亮に今日見学に行く部活動に合わせてオタク口調で話しかける。彼もマネをしてオタク口調で返答をする。僕が言った口調で返答をしてくれるということから僕らの距離は近くなっていることが伺える。
今日も楽しいのか憂鬱なのかどっちなのかよくわからない1日が始まる。しかし、どちらにせよ「仮入部」と言う名のボーナスがあるから頑張ることができる。
放課後になった。帰りの挨拶をしたい後1年生の生徒らは各々仮入部に行きたい部活動の活動場所へと向かっていく。
「僕らも行こっか。」
「OK。」
勇亮は例のラバストがついているスクールバックを肩に掛け僕の目の前に現れる。さあ、行こうじゃないかアニオタが集まる場へ。
「コッコッコッ。」
「お化け出ないよね?」
「大丈夫だよ。君ちょっと可愛い所あるんだね。」
部室がある旧校舎の2階を歩いていた。僕はお化け屋敷や肝試しに来ている人のように勇亮の左手にしがみついていた。僕は怖がっている。そんな僕とは対照的に勇亮は何も怖がることなく通常の足取りで歩いていた。旧校舎というものはホラー小説の聖地といっても過言ではない。大抵の場合お化けを見かけたり取り憑かれてしまったりする。まあこれは小説や漫画の話に過ぎないが…。でも現実世界でも起こりうることだ。しかもここ「浦和総合高校」にはある噂が2つある。1つ目は、ある日男女5人組の生徒たちが夜の旧校舎に肝試しに行った。次の日5人中4人が遺体となって発見されたという噂だ。クラスのゴシップ好きなヤツが自信満々に語っていた。「幽霊に殺された」「残り1人の生徒が他全員を殺した」などという考察を立てる物が現れた。………そう考えている人たちには申し訳ないがそれは真っ赤な嘘だ。気になって調べてみたがこの高校で遺体が発見された事件はないという。誰かが他人を怖がらすために考えた作り話なのだろう。言葉というものは怖い物だ。どんどんどんどん人に伝わっていくのだから。
2つ目の噂は日が落ちた後に旧校舎の中で「異世界行きたい」と999回呟くと異世界に行けるというものだ。この噂は本当なのか噂なのかわからない。やってみないとわからない…ということだ。僕には無理だろう。999回も同じことを言い続ける程の集中力がない。それにそんなことをしているうちに走っていれば最寄り駅にたどり着いているだろう。
そんなことを考えているうちに活動場所の教室に着いた。この教室は例えるならば科学準備室並みの小ささだ。
「コンコンコン。」
僕は扉を3回叩く。部屋などに入る場合は3回叩くのがマナーだ。2回叩く時はトイレの扉を叩く時のみだ。何も反応がない。誰もいないのだろうか?それともノックに気づかない程部活動に集中しているのだろうか?だとしたら何て活発的な部活なんだろうか。
「失礼します。…ってふぇ!」
「失礼します。はにゃ?」
僕とは勇亮はあまりの光景に変な声を出してしまいその後言葉を失う。そして僕らはただただ口をアングリと開けその光景を眺めることしかできなかった。男女が立ち上がりながら抱き合いチューーーとキスをしていたのだ。てか僕たちに気づいていない?どんだけ2人だけの世界に入っているんだ。幸せそうで何より…じゃなくて!勇亮を見ると両手をグーにし顔の前に近づけ興味津々そうにキラキラとした目で2人を見つめていた。あんた恋愛系漫画が好きなん?てかこの人たちキス長すぎ…ロングキスかよ!イヤ、でもこれは利点だ。
「ポン。」と勇亮の肩を叩く。彼はこっちを向く。そして僕はムーンウォークと同じ用法で後退りをする。彼もマネをする。もし気づかれてしまったら「新幹線指定席の隣の席の人元カノだった」並みの気まずさが発動されるだろう。
時既に遅し、2人は事を済ませ僕らがいたことに気づいたようだ。
「あ……………………あははようこそアニメ研究部へあはははははははははははははははははははははははは。」
男子生徒の方は笑って誤魔化そうとしているのか、物凄く恨んでいた人を殺した後の殺人犯のように奇妙に笑っていた。イヤイヤどう考えても誤魔化せませんよ?女子生徒の方は教室の隅っこに行き「ドヨーン」としたオーラを出しながら体育座りをしていた。そんなに落ち込むことなのかな…でも少し心の中で罪悪感を感じとった。しっかりと返答が来てから入るべきだった。………でもこんな所であんなことをしている人も悪くないか?
「まあ、立ってもらってるのはアレだし、座って、座って。」
男性の先輩は僕らにそう促す。この部屋には真ん中に大きいテーブルがありそれを囲むように8つのイスが置かれている。辺りを見渡すと本棚がありアニメに関しての本や自主アニメを作るためだろうか、タブレットが収納されている。ここはアニメ研究部だ。自分が好きなことをしながら部活ができる………最高だ。
「じゃあ自己紹介をするね。副部長の内田颯佑です。趣味はゲーム、アニメ鑑賞です。おーい菜奈自己紹介してー。」
硬いイスに座りながら黒髪ツーブロックの先輩の自己紹介を、興味を持っている感じを出しながら聞く、本当は先輩のことなんてこれっぽっちも興味なんて持っていない。
「あ、部長の津村菜奈です…。趣味は特にないです…。」
黒髪交じりの茶髪ボブで川田さんよりも一回り胸の大きい先輩はいまだに部室の隅っこで体育座りからお姉さん座りに変え座っていた。声には心というものが籠っていなかった。まるで人に怒られた後のように。
「いや~菜奈はとってもシャイだから昨日仮入部に人が来た時もああなっちゃたんだよね。」
この人は嘘をついたことがないのだろうか?嘘が下手過ぎるだろ…。何?シャイだから、誰か仮入部に来たら隅っこで落ち込むって…この人はさっきのことを揉み消そうとしているのだろうか?。…こんなの信じてる人いるわけ…
「あー。なるほど。そういうことだったんですね。だからずっとあんな行動してたのか。」
いたー。勇亮は「なるほどな」と言わんばかりに右手で握り拳を作り左手の手のひらをポンと叩く。この子は天然なのか、単なるバカなのか。まあどっちだっていいだろう。そんなことを考えても特に変わることはない………………………はずだ。
「はあ…階段きついな…。」
そう呟きながら心臓破りの学校の階段を上っていた。学生あるある「教室までの階段きっつ」は現在地進行形で発動されている。部活動を引退してから体育の授業でしか運動をしていなかったので体力は衰えていて、いやがうえにもつらく感じる。
「そういえば、四位氏。今日は例の部活動の仮入部の日でござるな…。」
「そうでござるな、拙者今から楽しみござる。」
隣で階段を上っている四位勇亮に今日見学に行く部活動に合わせてオタク口調で話しかける。彼もマネをしてオタク口調で返答をする。僕が言った口調で返答をしてくれるということから僕らの距離は近くなっていることが伺える。
今日も楽しいのか憂鬱なのかどっちなのかよくわからない1日が始まる。しかし、どちらにせよ「仮入部」と言う名のボーナスがあるから頑張ることができる。
放課後になった。帰りの挨拶をしたい後1年生の生徒らは各々仮入部に行きたい部活動の活動場所へと向かっていく。
「僕らも行こっか。」
「OK。」
勇亮は例のラバストがついているスクールバックを肩に掛け僕の目の前に現れる。さあ、行こうじゃないかアニオタが集まる場へ。
「コッコッコッ。」
「お化け出ないよね?」
「大丈夫だよ。君ちょっと可愛い所あるんだね。」
部室がある旧校舎の2階を歩いていた。僕はお化け屋敷や肝試しに来ている人のように勇亮の左手にしがみついていた。僕は怖がっている。そんな僕とは対照的に勇亮は何も怖がることなく通常の足取りで歩いていた。旧校舎というものはホラー小説の聖地といっても過言ではない。大抵の場合お化けを見かけたり取り憑かれてしまったりする。まあこれは小説や漫画の話に過ぎないが…。でも現実世界でも起こりうることだ。しかもここ「浦和総合高校」にはある噂が2つある。1つ目は、ある日男女5人組の生徒たちが夜の旧校舎に肝試しに行った。次の日5人中4人が遺体となって発見されたという噂だ。クラスのゴシップ好きなヤツが自信満々に語っていた。「幽霊に殺された」「残り1人の生徒が他全員を殺した」などという考察を立てる物が現れた。………そう考えている人たちには申し訳ないがそれは真っ赤な嘘だ。気になって調べてみたがこの高校で遺体が発見された事件はないという。誰かが他人を怖がらすために考えた作り話なのだろう。言葉というものは怖い物だ。どんどんどんどん人に伝わっていくのだから。
2つ目の噂は日が落ちた後に旧校舎の中で「異世界行きたい」と999回呟くと異世界に行けるというものだ。この噂は本当なのか噂なのかわからない。やってみないとわからない…ということだ。僕には無理だろう。999回も同じことを言い続ける程の集中力がない。それにそんなことをしているうちに走っていれば最寄り駅にたどり着いているだろう。
そんなことを考えているうちに活動場所の教室に着いた。この教室は例えるならば科学準備室並みの小ささだ。
「コンコンコン。」
僕は扉を3回叩く。部屋などに入る場合は3回叩くのがマナーだ。2回叩く時はトイレの扉を叩く時のみだ。何も反応がない。誰もいないのだろうか?それともノックに気づかない程部活動に集中しているのだろうか?だとしたら何て活発的な部活なんだろうか。
「失礼します。…ってふぇ!」
「失礼します。はにゃ?」
僕とは勇亮はあまりの光景に変な声を出してしまいその後言葉を失う。そして僕らはただただ口をアングリと開けその光景を眺めることしかできなかった。男女が立ち上がりながら抱き合いチューーーとキスをしていたのだ。てか僕たちに気づいていない?どんだけ2人だけの世界に入っているんだ。幸せそうで何より…じゃなくて!勇亮を見ると両手をグーにし顔の前に近づけ興味津々そうにキラキラとした目で2人を見つめていた。あんた恋愛系漫画が好きなん?てかこの人たちキス長すぎ…ロングキスかよ!イヤ、でもこれは利点だ。
「ポン。」と勇亮の肩を叩く。彼はこっちを向く。そして僕はムーンウォークと同じ用法で後退りをする。彼もマネをする。もし気づかれてしまったら「新幹線指定席の隣の席の人元カノだった」並みの気まずさが発動されるだろう。
時既に遅し、2人は事を済ませ僕らがいたことに気づいたようだ。
「あ……………………あははようこそアニメ研究部へあはははははははははははははははははははははははは。」
男子生徒の方は笑って誤魔化そうとしているのか、物凄く恨んでいた人を殺した後の殺人犯のように奇妙に笑っていた。イヤイヤどう考えても誤魔化せませんよ?女子生徒の方は教室の隅っこに行き「ドヨーン」としたオーラを出しながら体育座りをしていた。そんなに落ち込むことなのかな…でも少し心の中で罪悪感を感じとった。しっかりと返答が来てから入るべきだった。………でもこんな所であんなことをしている人も悪くないか?
「まあ、立ってもらってるのはアレだし、座って、座って。」
男性の先輩は僕らにそう促す。この部屋には真ん中に大きいテーブルがありそれを囲むように8つのイスが置かれている。辺りを見渡すと本棚がありアニメに関しての本や自主アニメを作るためだろうか、タブレットが収納されている。ここはアニメ研究部だ。自分が好きなことをしながら部活ができる………最高だ。
「じゃあ自己紹介をするね。副部長の内田颯佑です。趣味はゲーム、アニメ鑑賞です。おーい菜奈自己紹介してー。」
硬いイスに座りながら黒髪ツーブロックの先輩の自己紹介を、興味を持っている感じを出しながら聞く、本当は先輩のことなんてこれっぽっちも興味なんて持っていない。
「あ、部長の津村菜奈です…。趣味は特にないです…。」
黒髪交じりの茶髪ボブで川田さんよりも一回り胸の大きい先輩はいまだに部室の隅っこで体育座りからお姉さん座りに変え座っていた。声には心というものが籠っていなかった。まるで人に怒られた後のように。
「いや~菜奈はとってもシャイだから昨日仮入部に人が来た時もああなっちゃたんだよね。」
この人は嘘をついたことがないのだろうか?嘘が下手過ぎるだろ…。何?シャイだから、誰か仮入部に来たら隅っこで落ち込むって…この人はさっきのことを揉み消そうとしているのだろうか?。…こんなの信じてる人いるわけ…
「あー。なるほど。そういうことだったんですね。だからずっとあんな行動してたのか。」
いたー。勇亮は「なるほどな」と言わんばかりに右手で握り拳を作り左手の手のひらをポンと叩く。この子は天然なのか、単なるバカなのか。まあどっちだっていいだろう。そんなことを考えても特に変わることはない………………………はずだ。
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