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通常編

4,部活動は何に入ろうか?(前編)

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 「真保は何部入るの?」
 高校に入ってからの初めての土曜日の昼食中、僕はそう口を挟む。両親は仕事中で2人きりの状態だ。自分にはある計画がある。「真保と一緒の部活に入っちゃおう!計画」だ。この計画が成功できたらなば部活の時間も真保と一緒に過ごせて真保の顔を見ることができるだろう。


 彼女は冷凍ハンバーグの最後の一口を口に入れようとしていたが口に入れるのをやめ、ハンバーグを何ものっていない皿に戻した。


 「私は茶道部に入るよ!私は抹茶が好きだからな!」
 「えっ?真保が茶道部?向いてないよ。」
 「え~何でよ!」
 「マナーがなってない。」
 彼女が茶道部に向いていないのは事実だ。真保には「マナー」という3文字は存在しない。差し箸をしたり肘をついて食事をしたり、口に入れている状態で話したり、食事のマナー違反オールスターズを彼女はしまくっている。食事のマナーですら守れていないのに茶道のマナーを守ることができるのはごく稀だろう。……………そういえば川田さんも茶道部に入りたいって言ってたな。


 「もうそんなこと言う風馬は知らない!」
 真保は立ち上がった。両頬を膨らませプリプリと怒ったような表情を出しリビングから出ていきドンドンと音を立て階段を上っていった。


 よし機嫌は損ねてしまったが入部したい部活を聞けた。後は僕がその部活に入れば………。あることに気づいた。僕って抹茶もあんこも嫌いやん…。この2つが飲めない食べれないは致命的だろう。………他の部活に入ろう。あの方々を口にはしたくない。


 「うーんやっぱり入るとなると文化部だよな。」
 昼食を食べ終わった後自室のイスに座りながら入学式で配られた部活動案内を眺めていた。文化部に入ろうとしているのには理由がある。中学時代サッカー部に所属していて、練習試合とはいえ1回だけゴールをしたことがある程度の実力だった。しかし、あいにく自分の高校にはサッカー部がない。生まれてこの方スポーツはサッカーばかりしていたのでそれ以外のスポーツにはまったく持って興味がない。だから運動部はなしだ。


 「おっ!科学部か。」
 科学部の説明の部分を見つけた。いいんじゃないか?科学部入っている人=頭いいって思われそうだし。しかし、心配なことが1つだけある。
 

ここから先は風馬くんの妄想です。
 「みんな、今日はスライムを作るよ。作り方はさっき配った紙の通りだ。」
 白衣姿の部長はそう口を挟む。僕は科学部に入部した。
 しまった。材料の水のりを持ってくるのを忘れてしまった。みんなと遅れを取りたくない、直ぐに実験用具やら材料やらがある棚へと向かっていった。棚の3段目に水のりはある。中に何が入っているとかどうとか何も考えずに1番手前にあったのを手に取り再び実験机に戻った。


 水、黄緑色の絵の具、ホウ砂、水のりを紙コップに入れ不規則に割れた割り箸の片っ方でかき混ぜていく。


 100回かき混ぜてもまったくスライム本来の柔らかさにならない。しかも異臭がする。その異臭はかき混ぜれば混ぜる程臭くなっていく。


 「くん、くん…ん?異臭がする!みんな科学室から出て!」
 部長は鼻を動かし科学室に充満している臭いに気づくと科学部部員全員にそう指示をした。
 

 僕を含めた部員8人は何事かと思い皆科学室の外に出ていく。完全にフラグだ。おそらく爆発が起こる。


 「ドカーーーーーン!」
 フラグだと気づいた3秒後、海がある方の夢の国のシンボルになっている火山並みの大爆発が起きた。「フラグ回収の速さ」のギネスがあれば絶対に世界認定されるだろう。


 次の日
 「君のせいで科学室と近くの教室の一部が燃えた。早く避難していなかったら死者が出ていたのかもしれないんだぞ。君を退学処分とする。」
 校長室に呼び出された。校長先生はカンカンに怒っていて僕を指差しそう告げる。僕は高校を退学することになった。


 ………こんなことが起こるかもしれない。よし科学部はやめておこう。


 「文芸部ってなんなんだ?……ああ、小説や詩を書く部活か。」
 今度は文芸部という見たことも聞いたもこともない部活の説明があった。中学校ではなかった部活だ。


 僕は年間に10冊ラノベを読む程ライトノベルが好きだ。読む側から書く側になってみるのもいいかもしれない。学年便りの裏紙を使って小説を試しに書いてみることにした。


 ここから先は風馬君が書いてくれた小説です
 君が好きです            安藤風馬
 俺は今屋上にいる。今日好きな人をここに呼び出した。もう少しで来るだろう。
 「ガチャ。」
 好きな人が来た。
 「あ、博司君。私のこと屋上に呼び出してどうしたの?」
 わかっているくせに。
 俺の胸は鳴っている。よし、告白をしよう。
 「君が好きです。付き合ってくれませんか?」
 手を差し出す。彼女は俺の手を握った。
 「よろしくね。」
 彼女はそう言った後俺を抱く。やった!彼女ができた!今日からリア充だ!イエーイ!
 

 ………小学生か?小学生が書いたんかこの小説は。僕は自分自身に問い詰めていた。これは俗に言う自問というやつだ。今日初めて小説を書いてみた。いくら若葉マークといってもこれだけ下手なのか……下手にも程があるだろ!自分自身に叱責をしていた。文芸部入りへの橋は完全に崩れてしまった。


 次のページを開いた。
 「……………あったじゃん。僕に合っている部活。」
 見つけた…見つけたよ…僕の運命の人…ではなくて部活動。明日仮入部に行くのを決めた。
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