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通常編
エピローグ
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「なあなあ風馬まだ起きてる?少し話さない?」
修学旅行の夜消灯時間となり寝ようとすると、突然隣の布団で横たわっている友人が僕に話しかけてきた。
僕は自分でいうのもなんだが真面目なので消灯時間きっちりに寝るということを決めていた。でも、人生に一度だけの中学の修学旅行話すのも悪くないだろう。
しかし、修学旅行の夜の部屋というシチュエーション………となると例のアレしかないだろう。
「何?謙一?」
本当は話す内容など知っているのにあえて知らない振りをした。
「好きな人誰?」
やっぱり。わかりきった答えだったので1ミリも驚かなかった。
「トイレ~トイレ~。」
僕はぶつぶつと独り言を言いトイレへと向かった。尿意も便意もまったくないのだが…。少し考えごとをしたいのでこのような行動をした。
「おーい逃げんなよ。」
「ちがう!本当にトイレに行きたいだけ!」
血液くらい真っ赤な嘘をつく。
トイレに入る。老舗の旅館なだけあってかなり古いトイレだ。
便座に座る。かなり冷たかった。
僕に好きな人はいる。好きな人を好評するか否なか頭の中では小学校で行われた学級会議のようなものが行われていた。
好きな人を言えば変に思われる可能性もある、なんなら友だちが減るという可能性もある。
しかし、「好きという気持ちに」に嘘をつくことはできない。僕は別の意味の告白をすることにした。
「ふっふっ~待ってたぞ~好きな人は誰なのかな~?」
畳に戻るなり布団に座っている謙一は満面の笑みで僕を見つめていた。豆電球はついていたので表情はうっすらと見ることができた。
「まあ、焦らないで。」
謙一の隣に向かいあぐらをかく。
「絶対聞いてもバカにしたり、ばらしたりするなよ。」
「ああ、約束する指切りげんまんするから。」
謙一は右手の小指を立て手を僕の前にもってきた。僕は左手の小指を立てそれを差し出し小指同士を重ね合わせ指切りげんまんをする。
「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます。指切った。」
僕と謙一は一斉に声を合わせ指切りげんまんをする。そういえば…好きな人と昔よく指切りげんまんしてたな…。
「じゃあ…言うよ。」
自分の胸はハムスターと同じくらい早いペースで動いている。こんなにも好きな人を言うだけで緊張しているのは世界で僕1人だけだろう。よし、後悔はしない。
「僕の好きな人は安藤真保だ。」
言った。言った。言った。言った。言った。
言い切った感を出す。これが僕の衝撃の告白。
謙一は黙りこむ。10秒間時が止まったかのように何も話さない。
「…………………………その子ってお前のお姉さんじゃね?」
修学旅行の夜消灯時間となり寝ようとすると、突然隣の布団で横たわっている友人が僕に話しかけてきた。
僕は自分でいうのもなんだが真面目なので消灯時間きっちりに寝るということを決めていた。でも、人生に一度だけの中学の修学旅行話すのも悪くないだろう。
しかし、修学旅行の夜の部屋というシチュエーション………となると例のアレしかないだろう。
「何?謙一?」
本当は話す内容など知っているのにあえて知らない振りをした。
「好きな人誰?」
やっぱり。わかりきった答えだったので1ミリも驚かなかった。
「トイレ~トイレ~。」
僕はぶつぶつと独り言を言いトイレへと向かった。尿意も便意もまったくないのだが…。少し考えごとをしたいのでこのような行動をした。
「おーい逃げんなよ。」
「ちがう!本当にトイレに行きたいだけ!」
血液くらい真っ赤な嘘をつく。
トイレに入る。老舗の旅館なだけあってかなり古いトイレだ。
便座に座る。かなり冷たかった。
僕に好きな人はいる。好きな人を好評するか否なか頭の中では小学校で行われた学級会議のようなものが行われていた。
好きな人を言えば変に思われる可能性もある、なんなら友だちが減るという可能性もある。
しかし、「好きという気持ちに」に嘘をつくことはできない。僕は別の意味の告白をすることにした。
「ふっふっ~待ってたぞ~好きな人は誰なのかな~?」
畳に戻るなり布団に座っている謙一は満面の笑みで僕を見つめていた。豆電球はついていたので表情はうっすらと見ることができた。
「まあ、焦らないで。」
謙一の隣に向かいあぐらをかく。
「絶対聞いてもバカにしたり、ばらしたりするなよ。」
「ああ、約束する指切りげんまんするから。」
謙一は右手の小指を立て手を僕の前にもってきた。僕は左手の小指を立てそれを差し出し小指同士を重ね合わせ指切りげんまんをする。
「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます。指切った。」
僕と謙一は一斉に声を合わせ指切りげんまんをする。そういえば…好きな人と昔よく指切りげんまんしてたな…。
「じゃあ…言うよ。」
自分の胸はハムスターと同じくらい早いペースで動いている。こんなにも好きな人を言うだけで緊張しているのは世界で僕1人だけだろう。よし、後悔はしない。
「僕の好きな人は安藤真保だ。」
言った。言った。言った。言った。言った。
言い切った感を出す。これが僕の衝撃の告白。
謙一は黙りこむ。10秒間時が止まったかのように何も話さない。
「…………………………その子ってお前のお姉さんじゃね?」
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