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反乱編
決断の時
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俺とマリーは人気のない木々に囲まれた川岸までやって来た。
「話を聞かせろ。何故、お前の両親や母さんが死んだんだ」
「・・・貴方がレヒィン村を去ってから、私達の村に重税が課せられたのよ。普通ならそんな事はあり得ないけど、今の政府はそれを平気でする。私の両親は税金が払えなくて殺され、両親を庇ったセルフィアさんも死んだのよ」
俺はマリーの話を聞いて、今の政府の異常さを感じた。
レヒィン村に重税を課せる、まるで村その物を崩壊させようとしているみたいだ。
「首謀者は・・・首謀者は誰だ・・・!」
「・・・エバートて、言う軍人家系の当主よ。政府に圧力を掛けているのが分かった」
「ッ!?」
まさかエバートが首謀者とは思わなかった。
確かに、政界に大きい影響力を持つ奴なら納得できる。
「・・・ねぇ、レオン。私達の仲間にならない?」
「ッ!?」
「私達は正当な理由で戦っているの。政府は一人の男で腐敗している今、誰かが無理矢理でも変えないといけない。幼馴染みの貴方だから、私は仲間になってほしい」
マリーの勧誘に、俺は此所で決断しなければならなかった。
今まで育ち何より信頼してくれる仲間を捨てるか、それとも幼馴染みを裏切ってまで国を守るか。
どちらを選んでも親しい者達と戦う事になり、俺は苦悩する。
「・・・迷う事はないよね?私は、もう貴方にしか頼れない・・・」
「俺は・・・」
「待って!」
俺はその声を聞いて、後ろを見ると、そこにはリーナが拳銃を持って現れた。
「レオンさん。私は貴方と戦いたくない・・・お願い・・・反乱に加わらないで!」
「うるさい!・・・レオン、私と一緒に戦いましょう!」
「貴方を殺したくない・・・だから、加わらないで!」
二人からの声に、俺はどうすれば良いのか考えた。
だが、俺は決めた。
二つの道を一つしか選べないなら、俺はそちらを選ぶ。
「・・・分かったよ。なら」
俺は手に持っていた狙撃銃を・・・。
"マリーに向けた"
「共和国に着く。俺は、仲間であるリーナを裏切れない」
「・・・それが貴方の答え?なら、死になさい!裏切り者!!!」
マリーはいきなり拳銃を向け、撃とうとした。
俺は咄嗟に身構えたが間に合わず銃声がなるが、身体に何ともない。
俺はマリーを見ると、腹の辺りに血を流して立っているマリーがいた。
「・・・ぐはぁ・・・レ、オン・・・」
俺は今度はリーナの方を見ると、身体を震わせて拳銃を構えているリーナがいる。
拳銃には硝煙を立てて。
「リーナ・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・」
「これが、貴方の・・・答えなの、ね・・・良、いわ・・・なら、私、は・・・貴方を・・・ゆ、るさな、い・・・」
マリーはそう言うと、後ろから倒れて川に落ちた。
「マリーーー!!!」
俺は走って駆け付けたが、川の流れは思った以上に早く、恐らく流されてしまった。
「・・・すまない、マリー・・・」
俺は死んだかもしれないマリーにそう謝るしかなかった。
__________
_______
____
「ぷはぁ!・・・はぁ・・・はぁ・・・」
同時刻、マリーは暫く流されてやっとの思いで、川岸に上がった。
銃弾は奇跡的に急所を外したが、冬の川に入って冷えきり、体力にも限界が出た。
「私・・・この、まま・・・死ぬの・・・」
「あら、怪我人がいるわね」
マリーは前を見ると、銀髪の赤い瞳をした女性が立っている。
だが、マリーが注目したのはそこではなく服装だった。
女性の服装は黒い軍帽と軍服、黒い軍用のコートを着ている。
この服装はロスウェル共和国と常に敵対するレヴァンテ帝国の将校服なのだ。
「まぁ、取り合えず手当てしないとね・・・貴方、意識ある?」
「はぁ・・・はぁ・・・」
マリーは喋るのも間ならない状況になっているが、頷く事は出来た。
女性はその頷きを見ると、微笑んだ。
「それは良かったわ。意識があるならまだ命の危機までは行ってないわ。この近くに駐屯地があるからそこに運ぶわね」
女性はそう言うと、指を鳴らす。
すると、回りの土が人形になる。
それは所謂、ゴーレムと呼ばれる存在だ。
「さて、着くまで意識を保っててね・・・て、意識が殆んど無いわね・・・」
マリーはそれを聞いて意識を失った。
「話を聞かせろ。何故、お前の両親や母さんが死んだんだ」
「・・・貴方がレヒィン村を去ってから、私達の村に重税が課せられたのよ。普通ならそんな事はあり得ないけど、今の政府はそれを平気でする。私の両親は税金が払えなくて殺され、両親を庇ったセルフィアさんも死んだのよ」
俺はマリーの話を聞いて、今の政府の異常さを感じた。
レヒィン村に重税を課せる、まるで村その物を崩壊させようとしているみたいだ。
「首謀者は・・・首謀者は誰だ・・・!」
「・・・エバートて、言う軍人家系の当主よ。政府に圧力を掛けているのが分かった」
「ッ!?」
まさかエバートが首謀者とは思わなかった。
確かに、政界に大きい影響力を持つ奴なら納得できる。
「・・・ねぇ、レオン。私達の仲間にならない?」
「ッ!?」
「私達は正当な理由で戦っているの。政府は一人の男で腐敗している今、誰かが無理矢理でも変えないといけない。幼馴染みの貴方だから、私は仲間になってほしい」
マリーの勧誘に、俺は此所で決断しなければならなかった。
今まで育ち何より信頼してくれる仲間を捨てるか、それとも幼馴染みを裏切ってまで国を守るか。
どちらを選んでも親しい者達と戦う事になり、俺は苦悩する。
「・・・迷う事はないよね?私は、もう貴方にしか頼れない・・・」
「俺は・・・」
「待って!」
俺はその声を聞いて、後ろを見ると、そこにはリーナが拳銃を持って現れた。
「レオンさん。私は貴方と戦いたくない・・・お願い・・・反乱に加わらないで!」
「うるさい!・・・レオン、私と一緒に戦いましょう!」
「貴方を殺したくない・・・だから、加わらないで!」
二人からの声に、俺はどうすれば良いのか考えた。
だが、俺は決めた。
二つの道を一つしか選べないなら、俺はそちらを選ぶ。
「・・・分かったよ。なら」
俺は手に持っていた狙撃銃を・・・。
"マリーに向けた"
「共和国に着く。俺は、仲間であるリーナを裏切れない」
「・・・それが貴方の答え?なら、死になさい!裏切り者!!!」
マリーはいきなり拳銃を向け、撃とうとした。
俺は咄嗟に身構えたが間に合わず銃声がなるが、身体に何ともない。
俺はマリーを見ると、腹の辺りに血を流して立っているマリーがいた。
「・・・ぐはぁ・・・レ、オン・・・」
俺は今度はリーナの方を見ると、身体を震わせて拳銃を構えているリーナがいる。
拳銃には硝煙を立てて。
「リーナ・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・」
「これが、貴方の・・・答えなの、ね・・・良、いわ・・・なら、私、は・・・貴方を・・・ゆ、るさな、い・・・」
マリーはそう言うと、後ろから倒れて川に落ちた。
「マリーーー!!!」
俺は走って駆け付けたが、川の流れは思った以上に早く、恐らく流されてしまった。
「・・・すまない、マリー・・・」
俺は死んだかもしれないマリーにそう謝るしかなかった。
__________
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「ぷはぁ!・・・はぁ・・・はぁ・・・」
同時刻、マリーは暫く流されてやっとの思いで、川岸に上がった。
銃弾は奇跡的に急所を外したが、冬の川に入って冷えきり、体力にも限界が出た。
「私・・・この、まま・・・死ぬの・・・」
「あら、怪我人がいるわね」
マリーは前を見ると、銀髪の赤い瞳をした女性が立っている。
だが、マリーが注目したのはそこではなく服装だった。
女性の服装は黒い軍帽と軍服、黒い軍用のコートを着ている。
この服装はロスウェル共和国と常に敵対するレヴァンテ帝国の将校服なのだ。
「まぁ、取り合えず手当てしないとね・・・貴方、意識ある?」
「はぁ・・・はぁ・・・」
マリーは喋るのも間ならない状況になっているが、頷く事は出来た。
女性はその頷きを見ると、微笑んだ。
「それは良かったわ。意識があるならまだ命の危機までは行ってないわ。この近くに駐屯地があるからそこに運ぶわね」
女性はそう言うと、指を鳴らす。
すると、回りの土が人形になる。
それは所謂、ゴーレムと呼ばれる存在だ。
「さて、着くまで意識を保っててね・・・て、意識が殆んど無いわね・・・」
マリーはそれを聞いて意識を失った。
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