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刀矢達の愉快な4月と5月(中編)
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信じたくはないがさっきいじめっ子に報復したせいで教師が里香をいじめるということになってしまった。そして流れてきた記憶だと俺は里香のために教師と話をしに行ったことになっている。さらにアザミと晴香にも説得を手伝ってもらうということになっている。その記憶によると説得は11:30に始まるらしい。今の時間は10:50と余裕があるのでアザミと晴香と一緒に作戦会議をすれば充分だな。さあ、会議を始めよう。
俺たちは会議を始めた。とはいうものの出てきた意見は脅してやめさせるか、里香の友達を増やして止めてもらうか、無理だと思うが里香自身で解決すること、の3つだ。最後は論外。それができていればこうはなってない。二つ目もできてないからこんなことになっているわけだし無理だな。じゃあやっぱり先生を脅してやめさせるか。確かに脅しは悪いことだ。でも教師が生徒をいじめるなんてあってはいけないことなんだ。それに今はクラス内に留まっているがそのうち内容はエスカレートして強姦、窃盗などの犯罪行為になるかもしれないしな。じゃあ教師を脅してくるか。
「晴香、アザミ、今から教師のところに話に行こう。俺たちが会議をしている間に時間は経って11:20になっているからな。確認だが、俺が罪を見る間にアザミはその教師を煽ってくれ。晴香はその教師をなだめていてくれ。アザミが煽れば教師は確実に怒る。それはどの教師にも共通する。だから怒った時になだめてくれれば時間が稼げる。晴香は可愛いからなだめるだけで相手が見惚れるからその間に俺は見た罪を映像化する。間違っていたら言ってくれ。」
「問題ない。俺はお前を信じてるし襲い掛かってきても人2人守りながらだって余裕で無力化出来る。安心してくれ。」
「私もちゃんとできるよ。刀矢は罪を見て映像化することに全力を尽くして。未来の妹のために。」
「おいおい未来の妹って気が早くないか?まあ愛する妹のために俺はやるがな。」
俺たちは校長室へ向かった。
「君たちかな?この僕に生徒をいじめているなどというデマを流したのは?ネット上で話題になってたよ。ふざけているのかな?そんなことはないから早くこの記事は釣りです。と書き込みなさい。いいね?」
「人にものを頼む態度じゃねえし親友の妹がやられてて傷も見てるのにそんなことはないだ?何、お前アホなの?あの赤黒い足首を見てただ階段で転んだだけだからって泣きそうな顔になっているのを見て俺も俺たちが悪かったとか言って良い状況じゃないわけよ。おわかり?まあ暴力しかできない奴に言っても仕方ないか。」
俺はアザミが教師を煽っている間に罪の映像化が終わった。だから俺は説得を始める。
「なあ先生。あなたが僕の妹にしたことは犯罪ですよ。なんて言っても無駄だったか。あなたは薬物に手を出している。しかし購入するための対価はもうない。だからあなたは妹へ暴力をふるった。おそらくそれを撮影して変態のおじさんたちに売ろうとしたんだろう?世の中には女が殴られているのを見たいとか言う奴もいるんだろう?それで稼いだ金で薬物を買ってたんだろう?今言ったことは俺の能力で映像化されている。大人しく警察の世話になれ。説得に来たんだが思わぬところに犯罪者がいたな。じゃあ警察に通報するから、アザミ、晴香、帰ろうぜ。帰りにアイスを一個奢るぜ。」
「この餓鬼どもめ、もう許さん!ありもしない事実をあたかもあったかのように話して警察に通報するだと!!お前たちには指導が必要だな。じゃあまずは女からボロボロにしてやるよ。」
「おじさんうるさい。アイス食いたいから帰りたいんだけど帰ってもいい?いいよね?じゃあ帰りまーす!さようなら~~。」
「女を見捨てて逃げやがったか。なんだ腰抜けか。まあ良い。女、今すぐ土下座しろ。」
「なんで土下座なの?私にはそれがわからない。」
「良いから土下座をしろよ。」
おいおい、俺が蚊帳の外じゃねえか。仕方ない、俺はこいつの不安を煽ることにしよう。
「おまわりさんこっちでーす。」
とりあえず叫んでみた。
「はいはい、おまわりさんだが。何か用か?」
「そこにいる男を捕まえて欲しいの。お願い。」
「わかった。おいそこの男!署まで同行してもらう。刀矢、映像をくれ。」
実はこのおまわりさんは元科学者だ。腐れ縁でたまに飯を食いに家に来る。実は妹と仲が良い。まあそんなことは置いておこう。
「わかった。これだ。後はまかせた。じゃあ晴香、帰ろうぜ。そこで見ているアザミもな。」
「ち、ばれたか。まあどうでも良いが。今日はアイスなしで良いから俺と晴香をお前の家に泊めてくれ。荷物は晴香の分まで持ってきた。なんだかんだで晴香は準備してあったから楽だったぜ。じゃあ今から刀矢の家に行くぜ。」
「俺の意見は無視か。まあ泊めて良いが。じゃあ買い物して帰ろうぜ。」
「うん、じゃあ今からそこのスーパーに行こうよ。」
こうして俺たちは妹への暴力を止めたがアザミと晴香を泊めることになった。
俺は今、里香に抱きつかれている。三十分間も。なぜか晴香の機嫌も悪くなって散々だ。さっきあの男教師が捕まってから買い物して帰ってきたのだが、まだ1:20。あの騒動(?)のせいで忘れていてがまだ高校で授業をしている時間だ。そしてそんなことを考えていたら腹も減ってきた。とりあえず飯にありつきたい。だから俺はこう言った。
「なんでこうなっているか知らないが早く飯を食おうぜ。この後いろいろやることがあるからさ。」そう言うと二人は大人しくなった。その隙にさっきの目玉焼きをもう一度作ってすぐに食べた。そしてすぐに里香を病院に連れて行った。数日安静にしていれば問題はないようだ。それと余談だが、昨日の変態教師(武笠先生)は逮捕されたらしい。さっきの人より変態だったので捕まるのは必然と言える。まあそんな感じで家に帰ってきた。
どうしてこうなった。さっき里香の足を診てもらってから家に帰ってきた。そしてちょっとアザミと好みのタイプの話をしていたらいきなり
「鍋パーティーしようぜ。」
と言い出して食材を買いに行ったら、さっきのおまわりさんと椎名先生が話していたからちょっと聞き耳を立てたら
「そこにいる刀矢くんは出てこようか。」と椎名先生に言われて出て行ったら鍋パーティーのことを吐かされて一緒に食うことになった。だから、今俺の家の食卓には鍋が置かれていて、食卓を囲んでるのが
俺、アザミ、晴香、里香、おまわりさん、椎名先生の6人という状況になっているのだ。ただただボーっとしてたら鍋の中身が減ってきたのでそろそろ俺も食べることにする。
鍋パーティーが終わって片付けも終わったから風呂に入ろうとして気がついた。そういえばうちに風呂は一つしかないな。じゃあ晴香と里香に先に入ってもらおう。
「里香と晴香は先に風呂に入って。」
「わかったわ。里香ちゃん、お風呂に入ろう。」
「わかりました。晴香さん。」
「さんはいらないよ。里香ちゃん。」
二人は風呂に入って行った。俺はそのうちにアザミに声をかけた。
「アザミ、話がある。ちょっと近くのファミレスまで行こう。」
「わかったぜ。今行く。」
俺とアザミはファミレスに行った。
「で、話って?」
「実はこの近くに能力を三つ持っているやつがいるらしい。だからそいつと関わってみたいから何か情報はないか?」
「それは俺の姉貴だ。俺の姉貴は忘却、飛行、防壁の三種類の能力を持っている。姉とは言っても俺と一年しか変わらないがな。だが多分会えないぞ。忘却って能力は特定の物事や人に関する記憶を全部消せるんだ。それは身内には効かない能力だから憶えているが他の奴らは忘れちまっている。多分会った瞬間に姉に関する記憶が飛ぶと思う。だから無理だ。スマンな。」
「いや、気にすんな。俺は根性で何としても会ってみせるぜ。」
「そんなことができるか?この話を聞いた奴はみんな諦めたぞ。それでも諦めないのか?」
「ああ、当然。何もしてないのに諦めるとかアホだろ。それに、今こう話しているのを見ているかもしれないしな。」
「呼んだー?」
「いいえ、呼んでません。それと、あなたは誰ですか?」
「私は柿原 春よ。アザミのお姉ちゃんだよー。よろしく。」
「は、姉貴なんで?」
「え~忘れちゃったの~?刀矢くんはは私たちに自由を与えてくれたから忘れて欲しくなかったの。」
「納得したよ。ところで刀矢、晴香と里香ちゃんがそろそろ風呂上がると思うけど戻らなくていいのか?」
「やっべ先戻ってる。スマン。」
俺は急いで家に戻った。間に合わなくてこってり絞られたのは言うまでもない。そんなこんなで風呂に入るまでに時間がかかった。アザミは俺が絞られている間に戻って来た。俺たちは風呂に入ったがお互いに風呂では喋らない主義だったのですぐに上がった。
風呂から上がった後、俺の部屋には俺とアザミ、里香の部屋には里香と晴香で寝ることになった。ちなみにアザミはすぐに寝たので俺は1人でガールズトークを聞いていた。内容はこんな感じ。
「里香ちゃんは好きな人とかいるの?」
「お兄ちゃんだけだよ。」
「へーそうなんだ。でもまあ私も刀矢が大好きよ。」
「何がきっかけなの?」
「簡単に言うと、私は当時常にビクビクして生きてたの。それで反応が面白そうって理由でいじめられてたの。具体的には靴を隠されたり、教科書を盗られたり、髪を毟られたり、殴られたり、蹴られたり、お金だって盗られたし服も破られた。最悪だったのは家に火を付けられてショックで両親が心中しちゃったことだよ。暗い話ししてごめんね。そのせいでお金もない、住む家もない、友達もいない私は死にかけたの。何日も学校に行けてなくて、町を歩いてたらいじめっ子たちに囲まれて飛んできた言葉はサボリ魔よ。そんな状況で死のうと思った時に刀矢が来てくれたの。そしていじめっ子たちから助けてくれた。普通はそんなことしないのに。さらに私に家を買ってくれた。最初は疑った。だから一緒に寝ようって言った。なんて返されたと思う?」
「わかんない。」
「だよね。その時に刀矢はこう返したの。
「俺はアイス食ってくるから眠れなかったら電話してくれ」ってね。その時に刀矢のことが好きになったの。結局その時に刀矢はアイスを食べてたんじゃなくてアザミの所属していた組織を壊していたんだけどね。何があったかは刀矢かアザミに聞いて。」
「わかった。」
「それとね、お願いがあるんだけどいいかな?」
「うんいいよ。」
「私のことをお姉ちゃんって呼んで。」
「うん、わかった。お姉ちゃん。」
これ以上聞いていると朝まで眠れなそうなので速やかに布団に入った。次の日は休日だったから10:30まで寝ることができたのは素晴らしいことだと思った。
休日も終わり月曜日。今日は珍しく6:00に起きたので余裕を持って登校できた。うちの高校は自転車通学が認められているので7:30には学校に到着した。8:30までに登校すれば遅刻にはならないので携帯ゲーム機を持ってきて8:10に持って帰ってまたくるやつとかいるが正直家でゲーム弄ってる方が一回で済むし楽だと思うんだが。なんてくだらないことを考えている間に8:25になった。アザミと晴香はだいたいこのぐらいの時間に来る。今日も2人は一緒に来た。そのせい(?)でアザミと晴香は付き合っているという噂が流れているのだが俺は知る由もなかった。
放課後。授業は真面目に聞いていたが英語の時に寝るのは仕方ないよね。というわけで英語の先生に呼び出されたわけだが俺は自己紹介の時に聞いた破滅という能力が気になるのですぐに先生による生徒のためのお説教を聞いてくる予定だ。いや、だったのだが。
「高花、柿原と朝田は付き合っているのか?教えてくれたら今日は帰っていいから教えてよー?ね、ねお願いだよー頼むよー?」
と聞かれてどう答えるべきなのか。ただ俺は早くお説教(?)タイムを終わらせたかったので心の中で二人に謝ってからこう言った。
「イヤーフタリトモイチャイチャシテイルヨ。ダイジョウブボクウソツカナイ。」
「ちょっと棒読みっぽく聞こえるのは気のせいか?」
「気のせいじゃないですか?じゃあ俺は行きますね。さようなら。」
俺は全力で教室に戻った。
まずは俺の今日の行動を振り返ろう。
朝早起きしたから遅刻しなかった。→英語の授業で寝た。→呼び出し。→教室に戻った。→破滅の能力者の滝沢 柚奈さんの後をつけた。→路地裏まで来たところで柚奈さんの彼氏(?)みたいな人に見つかっちゃって正座させられている。→男の方がボスらしき人に連絡している。内容はこんな感じだ。
「コードネームミカンがつけられていた。そいつを捕らえたがちょっとこいつは厄介な能力を持っているから目隠しして押さえている。早く援護をお願いします。」
と言い出した。うわーやべー。ボスらしき人が来ちゃったら勝ち目がなくなる。俺は少しでも情報が欲しいから色々質問することにした。
「あのー二人はどんな能力を持ってるんですか?」
「まあ教えても大丈夫だろう。ミカンは破滅の能力だ。破滅と言っても何かを壊す能力ではない。対象者のテストの点数を破滅させるとか、対象者に犯罪を犯させることくらいだ。俺は修復と監視だ。修復は壊れた物や人を直す能力だ。監視は半径百メートル以内にいる人を見ることができる能力だ。ボスは時間に関する能力だが詳しくは知らん。おっと、ボスが来た。おーいボース久しぶり!」
「よおお前ら。で、捕らえたってのは?」
「ここに座っているやつです。」
その言葉とほぼ同時に俺の目隠しが外された。目の前にいたのはアザミだった。
「なんだ。お前なんで捕まるんだよ。お前なら余裕で逃げられたのにアホか?」
「いや~この組織のボスがどんな人か知りたくてね。あえて捕まったんだよ。そしたらアザミが出てくるってどういうことだよーマジで。まあいいや。俺も組織に入れてくれる?」
「ああもちろん。というか今日その話をしようと思っていたんだ。それに破滅の能力に興味があったんだろう?よかったな。教えてもらえて。まあ今日の夜にクラスの能力者を整理しようと思う。その作業を手伝ってくれないか。ミカンとリンゴもな。適当な理由つけて学校も休もう。それでいいか?」
「了解。」
俺たちはアザミの家に向かった。
俺たちは会議を始めた。とはいうものの出てきた意見は脅してやめさせるか、里香の友達を増やして止めてもらうか、無理だと思うが里香自身で解決すること、の3つだ。最後は論外。それができていればこうはなってない。二つ目もできてないからこんなことになっているわけだし無理だな。じゃあやっぱり先生を脅してやめさせるか。確かに脅しは悪いことだ。でも教師が生徒をいじめるなんてあってはいけないことなんだ。それに今はクラス内に留まっているがそのうち内容はエスカレートして強姦、窃盗などの犯罪行為になるかもしれないしな。じゃあ教師を脅してくるか。
「晴香、アザミ、今から教師のところに話に行こう。俺たちが会議をしている間に時間は経って11:20になっているからな。確認だが、俺が罪を見る間にアザミはその教師を煽ってくれ。晴香はその教師をなだめていてくれ。アザミが煽れば教師は確実に怒る。それはどの教師にも共通する。だから怒った時になだめてくれれば時間が稼げる。晴香は可愛いからなだめるだけで相手が見惚れるからその間に俺は見た罪を映像化する。間違っていたら言ってくれ。」
「問題ない。俺はお前を信じてるし襲い掛かってきても人2人守りながらだって余裕で無力化出来る。安心してくれ。」
「私もちゃんとできるよ。刀矢は罪を見て映像化することに全力を尽くして。未来の妹のために。」
「おいおい未来の妹って気が早くないか?まあ愛する妹のために俺はやるがな。」
俺たちは校長室へ向かった。
「君たちかな?この僕に生徒をいじめているなどというデマを流したのは?ネット上で話題になってたよ。ふざけているのかな?そんなことはないから早くこの記事は釣りです。と書き込みなさい。いいね?」
「人にものを頼む態度じゃねえし親友の妹がやられてて傷も見てるのにそんなことはないだ?何、お前アホなの?あの赤黒い足首を見てただ階段で転んだだけだからって泣きそうな顔になっているのを見て俺も俺たちが悪かったとか言って良い状況じゃないわけよ。おわかり?まあ暴力しかできない奴に言っても仕方ないか。」
俺はアザミが教師を煽っている間に罪の映像化が終わった。だから俺は説得を始める。
「なあ先生。あなたが僕の妹にしたことは犯罪ですよ。なんて言っても無駄だったか。あなたは薬物に手を出している。しかし購入するための対価はもうない。だからあなたは妹へ暴力をふるった。おそらくそれを撮影して変態のおじさんたちに売ろうとしたんだろう?世の中には女が殴られているのを見たいとか言う奴もいるんだろう?それで稼いだ金で薬物を買ってたんだろう?今言ったことは俺の能力で映像化されている。大人しく警察の世話になれ。説得に来たんだが思わぬところに犯罪者がいたな。じゃあ警察に通報するから、アザミ、晴香、帰ろうぜ。帰りにアイスを一個奢るぜ。」
「この餓鬼どもめ、もう許さん!ありもしない事実をあたかもあったかのように話して警察に通報するだと!!お前たちには指導が必要だな。じゃあまずは女からボロボロにしてやるよ。」
「おじさんうるさい。アイス食いたいから帰りたいんだけど帰ってもいい?いいよね?じゃあ帰りまーす!さようなら~~。」
「女を見捨てて逃げやがったか。なんだ腰抜けか。まあ良い。女、今すぐ土下座しろ。」
「なんで土下座なの?私にはそれがわからない。」
「良いから土下座をしろよ。」
おいおい、俺が蚊帳の外じゃねえか。仕方ない、俺はこいつの不安を煽ることにしよう。
「おまわりさんこっちでーす。」
とりあえず叫んでみた。
「はいはい、おまわりさんだが。何か用か?」
「そこにいる男を捕まえて欲しいの。お願い。」
「わかった。おいそこの男!署まで同行してもらう。刀矢、映像をくれ。」
実はこのおまわりさんは元科学者だ。腐れ縁でたまに飯を食いに家に来る。実は妹と仲が良い。まあそんなことは置いておこう。
「わかった。これだ。後はまかせた。じゃあ晴香、帰ろうぜ。そこで見ているアザミもな。」
「ち、ばれたか。まあどうでも良いが。今日はアイスなしで良いから俺と晴香をお前の家に泊めてくれ。荷物は晴香の分まで持ってきた。なんだかんだで晴香は準備してあったから楽だったぜ。じゃあ今から刀矢の家に行くぜ。」
「俺の意見は無視か。まあ泊めて良いが。じゃあ買い物して帰ろうぜ。」
「うん、じゃあ今からそこのスーパーに行こうよ。」
こうして俺たちは妹への暴力を止めたがアザミと晴香を泊めることになった。
俺は今、里香に抱きつかれている。三十分間も。なぜか晴香の機嫌も悪くなって散々だ。さっきあの男教師が捕まってから買い物して帰ってきたのだが、まだ1:20。あの騒動(?)のせいで忘れていてがまだ高校で授業をしている時間だ。そしてそんなことを考えていたら腹も減ってきた。とりあえず飯にありつきたい。だから俺はこう言った。
「なんでこうなっているか知らないが早く飯を食おうぜ。この後いろいろやることがあるからさ。」そう言うと二人は大人しくなった。その隙にさっきの目玉焼きをもう一度作ってすぐに食べた。そしてすぐに里香を病院に連れて行った。数日安静にしていれば問題はないようだ。それと余談だが、昨日の変態教師(武笠先生)は逮捕されたらしい。さっきの人より変態だったので捕まるのは必然と言える。まあそんな感じで家に帰ってきた。
どうしてこうなった。さっき里香の足を診てもらってから家に帰ってきた。そしてちょっとアザミと好みのタイプの話をしていたらいきなり
「鍋パーティーしようぜ。」
と言い出して食材を買いに行ったら、さっきのおまわりさんと椎名先生が話していたからちょっと聞き耳を立てたら
「そこにいる刀矢くんは出てこようか。」と椎名先生に言われて出て行ったら鍋パーティーのことを吐かされて一緒に食うことになった。だから、今俺の家の食卓には鍋が置かれていて、食卓を囲んでるのが
俺、アザミ、晴香、里香、おまわりさん、椎名先生の6人という状況になっているのだ。ただただボーっとしてたら鍋の中身が減ってきたのでそろそろ俺も食べることにする。
鍋パーティーが終わって片付けも終わったから風呂に入ろうとして気がついた。そういえばうちに風呂は一つしかないな。じゃあ晴香と里香に先に入ってもらおう。
「里香と晴香は先に風呂に入って。」
「わかったわ。里香ちゃん、お風呂に入ろう。」
「わかりました。晴香さん。」
「さんはいらないよ。里香ちゃん。」
二人は風呂に入って行った。俺はそのうちにアザミに声をかけた。
「アザミ、話がある。ちょっと近くのファミレスまで行こう。」
「わかったぜ。今行く。」
俺とアザミはファミレスに行った。
「で、話って?」
「実はこの近くに能力を三つ持っているやつがいるらしい。だからそいつと関わってみたいから何か情報はないか?」
「それは俺の姉貴だ。俺の姉貴は忘却、飛行、防壁の三種類の能力を持っている。姉とは言っても俺と一年しか変わらないがな。だが多分会えないぞ。忘却って能力は特定の物事や人に関する記憶を全部消せるんだ。それは身内には効かない能力だから憶えているが他の奴らは忘れちまっている。多分会った瞬間に姉に関する記憶が飛ぶと思う。だから無理だ。スマンな。」
「いや、気にすんな。俺は根性で何としても会ってみせるぜ。」
「そんなことができるか?この話を聞いた奴はみんな諦めたぞ。それでも諦めないのか?」
「ああ、当然。何もしてないのに諦めるとかアホだろ。それに、今こう話しているのを見ているかもしれないしな。」
「呼んだー?」
「いいえ、呼んでません。それと、あなたは誰ですか?」
「私は柿原 春よ。アザミのお姉ちゃんだよー。よろしく。」
「は、姉貴なんで?」
「え~忘れちゃったの~?刀矢くんはは私たちに自由を与えてくれたから忘れて欲しくなかったの。」
「納得したよ。ところで刀矢、晴香と里香ちゃんがそろそろ風呂上がると思うけど戻らなくていいのか?」
「やっべ先戻ってる。スマン。」
俺は急いで家に戻った。間に合わなくてこってり絞られたのは言うまでもない。そんなこんなで風呂に入るまでに時間がかかった。アザミは俺が絞られている間に戻って来た。俺たちは風呂に入ったがお互いに風呂では喋らない主義だったのですぐに上がった。
風呂から上がった後、俺の部屋には俺とアザミ、里香の部屋には里香と晴香で寝ることになった。ちなみにアザミはすぐに寝たので俺は1人でガールズトークを聞いていた。内容はこんな感じ。
「里香ちゃんは好きな人とかいるの?」
「お兄ちゃんだけだよ。」
「へーそうなんだ。でもまあ私も刀矢が大好きよ。」
「何がきっかけなの?」
「簡単に言うと、私は当時常にビクビクして生きてたの。それで反応が面白そうって理由でいじめられてたの。具体的には靴を隠されたり、教科書を盗られたり、髪を毟られたり、殴られたり、蹴られたり、お金だって盗られたし服も破られた。最悪だったのは家に火を付けられてショックで両親が心中しちゃったことだよ。暗い話ししてごめんね。そのせいでお金もない、住む家もない、友達もいない私は死にかけたの。何日も学校に行けてなくて、町を歩いてたらいじめっ子たちに囲まれて飛んできた言葉はサボリ魔よ。そんな状況で死のうと思った時に刀矢が来てくれたの。そしていじめっ子たちから助けてくれた。普通はそんなことしないのに。さらに私に家を買ってくれた。最初は疑った。だから一緒に寝ようって言った。なんて返されたと思う?」
「わかんない。」
「だよね。その時に刀矢はこう返したの。
「俺はアイス食ってくるから眠れなかったら電話してくれ」ってね。その時に刀矢のことが好きになったの。結局その時に刀矢はアイスを食べてたんじゃなくてアザミの所属していた組織を壊していたんだけどね。何があったかは刀矢かアザミに聞いて。」
「わかった。」
「それとね、お願いがあるんだけどいいかな?」
「うんいいよ。」
「私のことをお姉ちゃんって呼んで。」
「うん、わかった。お姉ちゃん。」
これ以上聞いていると朝まで眠れなそうなので速やかに布団に入った。次の日は休日だったから10:30まで寝ることができたのは素晴らしいことだと思った。
休日も終わり月曜日。今日は珍しく6:00に起きたので余裕を持って登校できた。うちの高校は自転車通学が認められているので7:30には学校に到着した。8:30までに登校すれば遅刻にはならないので携帯ゲーム機を持ってきて8:10に持って帰ってまたくるやつとかいるが正直家でゲーム弄ってる方が一回で済むし楽だと思うんだが。なんてくだらないことを考えている間に8:25になった。アザミと晴香はだいたいこのぐらいの時間に来る。今日も2人は一緒に来た。そのせい(?)でアザミと晴香は付き合っているという噂が流れているのだが俺は知る由もなかった。
放課後。授業は真面目に聞いていたが英語の時に寝るのは仕方ないよね。というわけで英語の先生に呼び出されたわけだが俺は自己紹介の時に聞いた破滅という能力が気になるのですぐに先生による生徒のためのお説教を聞いてくる予定だ。いや、だったのだが。
「高花、柿原と朝田は付き合っているのか?教えてくれたら今日は帰っていいから教えてよー?ね、ねお願いだよー頼むよー?」
と聞かれてどう答えるべきなのか。ただ俺は早くお説教(?)タイムを終わらせたかったので心の中で二人に謝ってからこう言った。
「イヤーフタリトモイチャイチャシテイルヨ。ダイジョウブボクウソツカナイ。」
「ちょっと棒読みっぽく聞こえるのは気のせいか?」
「気のせいじゃないですか?じゃあ俺は行きますね。さようなら。」
俺は全力で教室に戻った。
まずは俺の今日の行動を振り返ろう。
朝早起きしたから遅刻しなかった。→英語の授業で寝た。→呼び出し。→教室に戻った。→破滅の能力者の滝沢 柚奈さんの後をつけた。→路地裏まで来たところで柚奈さんの彼氏(?)みたいな人に見つかっちゃって正座させられている。→男の方がボスらしき人に連絡している。内容はこんな感じだ。
「コードネームミカンがつけられていた。そいつを捕らえたがちょっとこいつは厄介な能力を持っているから目隠しして押さえている。早く援護をお願いします。」
と言い出した。うわーやべー。ボスらしき人が来ちゃったら勝ち目がなくなる。俺は少しでも情報が欲しいから色々質問することにした。
「あのー二人はどんな能力を持ってるんですか?」
「まあ教えても大丈夫だろう。ミカンは破滅の能力だ。破滅と言っても何かを壊す能力ではない。対象者のテストの点数を破滅させるとか、対象者に犯罪を犯させることくらいだ。俺は修復と監視だ。修復は壊れた物や人を直す能力だ。監視は半径百メートル以内にいる人を見ることができる能力だ。ボスは時間に関する能力だが詳しくは知らん。おっと、ボスが来た。おーいボース久しぶり!」
「よおお前ら。で、捕らえたってのは?」
「ここに座っているやつです。」
その言葉とほぼ同時に俺の目隠しが外された。目の前にいたのはアザミだった。
「なんだ。お前なんで捕まるんだよ。お前なら余裕で逃げられたのにアホか?」
「いや~この組織のボスがどんな人か知りたくてね。あえて捕まったんだよ。そしたらアザミが出てくるってどういうことだよーマジで。まあいいや。俺も組織に入れてくれる?」
「ああもちろん。というか今日その話をしようと思っていたんだ。それに破滅の能力に興味があったんだろう?よかったな。教えてもらえて。まあ今日の夜にクラスの能力者を整理しようと思う。その作業を手伝ってくれないか。ミカンとリンゴもな。適当な理由つけて学校も休もう。それでいいか?」
「了解。」
俺たちはアザミの家に向かった。
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第二部表紙絵制作者様→和輝こころ様《https://twitter.com/honeybanana1》
第三部表紙絵制作者様→NYAZU様《https://skima.jp/profile?id=156412》
登場人物集です→https://jiechuandazhu.webnode.jp/%e5%bd%97%e6%98%9f%e3%81%a8%e9%81%ad%e3%81%86%e3%80%90%e7%99%bb%e5%a0%b4%e4%ba%ba%e7%89%a9%e3%80%91/
放課後はネットで待ち合わせ
星名柚花
青春
【カクヨム×魔法のiらんどコンテスト特別賞受賞作】
高校入学を控えた前日、山科萌はいつものメンバーとオンラインゲームで遊んでいた。
何気なく「明日入学式だ」と言ったことから、ゲーム友達「ルビー」も同じ高校に通うことが判明。
翌日、萌はルビーと出会う。
女性アバターを使っていたルビーの正体は、ゲーム好きな美少年だった。
彼から女子避けのために「彼女のふりをしてほしい」と頼まれた萌。
初めはただのフリだったけれど、だんだん彼のことが気になるようになり…?
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