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刀矢たちの愉快な4月と5月(前編)
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今日、俺こと高花刀矢は高校に入学する。のだが。今の時間は10:30。もう入学式は始まっている。今から行っても目立つだけでいいことはない。どうせ今日は挨拶して終わりだろう。ならばさぼって二度寝しよう。俺は二度目の睡眠をとった。
「どうして入学式に出なかったのかな?君達は。」可愛い先生なのに男っぽい口調なんて似合わないな。なんてことを考えている暇なんてないな。俺たちがどうしてこうなったのかを説明すると、俺と隣にいるアザミは入学式に出なかったからだ。さすがにこの状況だと逃げられそうにない。だから、俺は嘘の理由を言った。
「実は、父の体調が悪くて行こうにも行けない状況だったんですよ。アザミにも看病を手伝ってもらいました。だから俺たちは入学式に出なかった。いや、出れなかったのですよ。申し訳ありません。なのでどこのクラスかを教えてください。」そう言うと目の前の先生が驚いている。可愛いなーと思いつつ見ていたらいきなり
「疑って本当にごめんなさい。」と涙目で言ってきたので
「いいですよ。気にしないでください。」と言い俺たちは教室に向かった。らよかったんだけど現実はそれほど甘くはない。後ろから出てきた男の先生がいきなり可愛い先生(名前は椎名 命というらしい)を叩き、
「こんな奴らの嘘に騙されるなんてこれだから新人は。」と言いつつ椎名先生を後ろから抱いた。見たところ30代の先生が涙目を通り越して泣いている可愛い先生に抱きついている光景は気持ち悪いとしか思えなかった。これって下手しなくても犯罪だろ。そう思い覚悟を決めた。停学になる覚悟を。それはアザミも同じだったのか俺たちはその男の先生(武笠というらしい)に話しかけた。
「あのー先生、人が嫌がっていることをするのはいけないと教わりませんでしたか?それ以前にあなたのそれは犯罪ですよ。それにあなたの罪と秘密を俺は見ることができるからすぐに捕まるでしょう。」これはハッタリだ。本当はこいつが秘密としていることとこいつが罪と認識していることを3つしか見れない。まあとりあえず見てみるか。と思ったらアザミが
「なあ先生、生徒の前でセクハラとか駄目でしょ。そんなんじゃ逮捕してくださいと言ってるようなもんだよ、変態教師。まあ刀矢の能力で悪いコト知られたくなければまずは抱きつくのをやめたら?」と言いその男の先生は抱きつくのをやめた。俺はその間にこの男の先生の罪を見た。
一つ目、可愛い女の先生へのセクハラ
二つ目、幼女に対する暴力
三つ目、気に入らない生徒を誘拐して性的暴行を加え飽きたら違法BARに売り使えなくなったら殺害して食う。
俺はこれを映像化した。
それが終わるまでアザミは何も言わなかった。俺のことを待っていてくれたのか?よくわからない。ちょっと考えてみたがその思考は笑い声によって中断された。それはアザミの声だった。
「アッハハハハハおかしいな。やましいことがなければやめないのに離れるなんてこれじゃあ自分は犯罪者ですって言ってるようなもんだろ。おっかしいなーなんでだろうなー何もしてなければ離れる必要がなかったんじゃないんすかー。」アザミが挑発してしまった。あいつ大丈夫かよ。あの男の先生は机の近くにいるから武器だって用意できるぞ。あ、そうだった。アザミはペンを常時携行しているからカッターナイフくらいなんとかできるのか。とか呑気なことを考えている間に男の先生は予想通りカッターナイフを使ってきた。アザミは能力を使い0,5秒前のカッターナイフにペンを投げ男の先生の武器をなくして無力化に成功した。その時に可愛い女の先生に
「言い忘れていたけど私は椎名 命よ。椎名先生と呼んでください。男の先生は武笠先生よ。」と言われた。とりあえず名前がわかったのはよかった。そしてその後クラスを教えてもらった。俺もアザミも一組らしい。行ってみよう。
行ってみた結果、お説教中の教室に突撃しちゃった。
「おい、朝田。教師に向かってなんて口の利き方だ!ふざけてるのか。」
「お前が刀矢をネタにするのがいけないんだろ。今更何を言うの。」
「俺は入学式にも出ない、翌日も遅刻の馬鹿をネタにしただけだろ。それ以上言ったら三年で卒業できると思うな。」という状況だ。でも後ろにアザミがいるし大丈夫かな?大丈夫!!
「あのーお話し中申し訳ありません。入学式にも出ない、翌日も遅刻の馬鹿こと高花刀矢です。」
「同じく馬鹿の柿原アザミです。」
「よしお前らきたか。HRを始める。と言っても自己紹介だけだがな。まずは俺からいくぜ。俺は貝原 一だ(かいはら はじめ)だ。一応能力はある。その能力は風だ。じゃあどんどん自己紹介していけよー。」
俺はほぼ寝てた。名前は覚えてないけど破滅とかいう能力のやつがいた気がする。俺の番か。
「俺は高花刀矢です。能力は持ってません。よろしく。」
俺は嘘をつくことにした。この能力は知られるとハブられるのだ。次はアザミで最後が晴香だな。ちゃんと聞いていよう。
「俺は柿原アザミだ。能力は投擲だ。可愛い女の子は大歓迎だ。よろしく。」
「私は朝田晴香よ。能力は夢よ。私から刀矢を奪わないようにして。それじゃあよろしく。」
自己紹介が終わり俺はアザミと晴香と三人で帰ってた。
「なあ刀矢、なんで能力を隠したんだ?」
「この能力は知られるとハブられるからだ。」
「それじゃあ晴香の夢はどういうことだよ?」
「私は一応一時間、考えた物を具現化できるから同じような物よ。そういうアザミだって隠してたじゃない。」
「まあ隠すなって訳でもないしそれで浮いてたことがあったからな。とりあえず能力についての嘘は俺らの秘密ってことで。」
俺たちはここで別れた。
翌日俺はまた寝坊した。昨日は帰ってから3回昼寝したから夜に寝れなかった。で寝付こうと頑張ってその結果六時に寝付いたけど今何者かの泣き声らしき物を聞き目覚めた。何者かとか言ったがいろいろあって妹と二人暮らしだから妹しかありえないがな。とりあえず聞いてみることにする。
「里香、大丈夫か?何かあったか?」
「何もないわよ。本当に何も。」
「じゃあなんで泣いているんだ?」
「足が痛いから歩けないの。これじゃあ学校にもいけない。」
ちょっと足を見たが、足首だけが赤黒く何かで殴られた痕があった。これはいじめだな。とりあえず俺がすることは決まっていた。
「まずは飯を食おうぜ。話はそれからだ。」俺は里香を背負ってテーブルまで運び料理を始めた。とはいえ大した物はできなくて黒焦げの目玉焼きと黒焦げのハムができた。それを里香の前に持っていくと笑われた。
「こんなの小学生でもできるわよ。」まあ俺としては笑って欲しかったのでよかったが。とりあえず俺と里香は食事をとることにした。味は微妙だがそれも悪くないと思った。一応中学校に里香が休むことを伝えてから里香を部屋に運んだ。念のためいうとするなら俺と里香は違う部屋だからな。運び終わった後にアザミと晴香に連絡した。内容は一言。
「手伝ってくれ」
俺は菓子の準備を始めた。うちの高校は事情によって欠席した日は欠席にされないのだ。だから早退も問題ない。いじめも登校免除の対象なのだ。俺たちは欠席を咎められないですむ。今は目の前の問題について考えよう。と思い考えついた方法は再現だ。そのためにアザミと晴香を読んだのだから。
「おーい刀矢ー開けて~。」
「刀矢、助けに来たぜ。」
とりあえず家にあげた。
「そんでどうしたんだ?」
「いじめの解決に協力してくれないか?」
「刀矢のためならやるわ。どういう状況?」
「実は妹がいじめにあった可能性が高いからそれを調べていじめだったら報復する。」俺は2人に状況とこの後の行動を話した。
役割は
俺 いじめっ子の罪を見て脅す。
アザミ いじめっ子達の足首に全力で攻撃(正確には昨日里香を痛めつけた時間のいじめっ子達)
晴香 詳しいいじめの理由を探る。
という分担にした。
俺たちは里香の通う中学校に来ているが、中に入れなくて非常に困っている。正規の方法では入れないことはわかるんだけど侵入するのは気が引ける。まあ里香のためならやってやるか。
「なあ、アザミ、晴香。今から三人でこの中学校に侵入する。」
「準備してないが問題ないぜ。なんだってやるさ。」
「私も同じ気持ちよ。」
俺たちは中学校に侵入した。そして少し歩いたところにある空き教室に拠点(仮)を作り晴香に里香のクラスに盗聴機を仕掛けてもらっている間にアザミと最終確認をしていた。まず流れは単純にアザミが辞書、シャーペン、そして俺に触った状態で昨日のいじめっ子達のところに俺を投げてもらい罪を見る。全員の罪を見終わったら脅す。ここまでやってから俺は現在に戻ってくる。俺が戻ったらすぐにアザミが辞書を足に投げて足りない分はシャーペンを全力で回して足首にぶつける。俺が脅した後の攻撃を3回繰り返す。という流れだ。確認が終わった頃に晴香が戻ってきた。
「刀矢、盗聴機仕掛けてきたよ。」
「じゃあ聞いてみるか。」
俺たちは教室での会話を聞き始めた。内容は里香への愚痴ばかり。男子は黙って俯いている。里香は男受けが良いからな。それにこのクラスはいっちゃあ悪いけど可愛い子が少ない。綺麗な子はいる。一人だけ。その子は何も喋ってない。まあ当然か。その子は里香の親友だからな。さて話が逸れたが愚痴の内容は酷いものだ。男漁りをしているだの援交してるだの。そんなことができるほどに里香は人と話せないんだよ。男漁りどころか友達も一人しかいないような可愛い妹を侮辱する奴は死刑だ。
「アザミ、今回は顔に傷が残っても良い。徹底的にやってくれ。」
「ああ、わかった。里香は俺にとっては神だからな。」
「なんで神なのかは今度聞かせてもらうよ。」
愚痴はここで終わりだと思ったら、
「あいつ絶対頭悪いでしょ。」
「だよね~。」
と聞こえてきたが里香は勉強を自主的にやるようないい子だ。成績は優秀だ。こいつらの愚痴は終わった。何も喋ってなかった綺麗な子は叫んだ。
「なんで里香にあんなことしたのよ!ふざけないで!!!」
と。先に言っておくがいじめっ子はあまり顔立ちがよろしくない。当然男子も、そうだそうだーと言っていた。するといじめっ子リーダーは理由を語った。内容は要約すると、あいつにいじめっ子リーダーが好きな奴が告白したからその憂さ晴らし。ということだ。もうこいつら許せない。すぐに報復しよう。
「アザミ、準備は良いか?」
「ああ、いけるぜ。行くか?」
「ああ、今行く。」
俺は昨日の里香を痛めつける前のいじめっ子のところに投げられた。さあ、始めよう。
「やあ、君たち。僕は君たちの罪や秘密を知っているんだ。公開されたくないだろう?俺も鬼じゃないから交渉をしたいんだ。これを守るのなら怪我をしないで秘密をバラされずに帰れるよ。どうする?」
「なんのことだよ!!」
「まあそう怒るなよ。簡単なことだ。君たちはクラスにいる静かで綺麗な子と高花里香をいじめないでくれれば良い。そうすれば手を引くよ。」
「どうせハッタリだから気にすんなよお前ら。今すぐ高花に報復に行くよ。」
「それは交渉決裂ってことで良いかな?」
「良いと言っただろ。」
「わかった。これから何があろうと俺のせいにするな。じゃあな。」
俺はアザミのところに戻った。そしてアザミに秘密を握ったことを伝えた。後はアザミに任せよう。アザミはすでに辞書とペンを投げていた。三回をわずか10秒で。その瞬間俺の頭に出来事を改変された時の現在の時間までの二つ目の記憶が流れてきた。今まではアザミの能力は人を投げてなかったが、投げられた人間は投げられる前の記憶と投げた場合の記憶をどっちも持てることがわかった。その結果流れてきた記憶には信じられない出来事が映った。それは、教師が里香を殴っている姿だった。
「どうして入学式に出なかったのかな?君達は。」可愛い先生なのに男っぽい口調なんて似合わないな。なんてことを考えている暇なんてないな。俺たちがどうしてこうなったのかを説明すると、俺と隣にいるアザミは入学式に出なかったからだ。さすがにこの状況だと逃げられそうにない。だから、俺は嘘の理由を言った。
「実は、父の体調が悪くて行こうにも行けない状況だったんですよ。アザミにも看病を手伝ってもらいました。だから俺たちは入学式に出なかった。いや、出れなかったのですよ。申し訳ありません。なのでどこのクラスかを教えてください。」そう言うと目の前の先生が驚いている。可愛いなーと思いつつ見ていたらいきなり
「疑って本当にごめんなさい。」と涙目で言ってきたので
「いいですよ。気にしないでください。」と言い俺たちは教室に向かった。らよかったんだけど現実はそれほど甘くはない。後ろから出てきた男の先生がいきなり可愛い先生(名前は椎名 命というらしい)を叩き、
「こんな奴らの嘘に騙されるなんてこれだから新人は。」と言いつつ椎名先生を後ろから抱いた。見たところ30代の先生が涙目を通り越して泣いている可愛い先生に抱きついている光景は気持ち悪いとしか思えなかった。これって下手しなくても犯罪だろ。そう思い覚悟を決めた。停学になる覚悟を。それはアザミも同じだったのか俺たちはその男の先生(武笠というらしい)に話しかけた。
「あのー先生、人が嫌がっていることをするのはいけないと教わりませんでしたか?それ以前にあなたのそれは犯罪ですよ。それにあなたの罪と秘密を俺は見ることができるからすぐに捕まるでしょう。」これはハッタリだ。本当はこいつが秘密としていることとこいつが罪と認識していることを3つしか見れない。まあとりあえず見てみるか。と思ったらアザミが
「なあ先生、生徒の前でセクハラとか駄目でしょ。そんなんじゃ逮捕してくださいと言ってるようなもんだよ、変態教師。まあ刀矢の能力で悪いコト知られたくなければまずは抱きつくのをやめたら?」と言いその男の先生は抱きつくのをやめた。俺はその間にこの男の先生の罪を見た。
一つ目、可愛い女の先生へのセクハラ
二つ目、幼女に対する暴力
三つ目、気に入らない生徒を誘拐して性的暴行を加え飽きたら違法BARに売り使えなくなったら殺害して食う。
俺はこれを映像化した。
それが終わるまでアザミは何も言わなかった。俺のことを待っていてくれたのか?よくわからない。ちょっと考えてみたがその思考は笑い声によって中断された。それはアザミの声だった。
「アッハハハハハおかしいな。やましいことがなければやめないのに離れるなんてこれじゃあ自分は犯罪者ですって言ってるようなもんだろ。おっかしいなーなんでだろうなー何もしてなければ離れる必要がなかったんじゃないんすかー。」アザミが挑発してしまった。あいつ大丈夫かよ。あの男の先生は机の近くにいるから武器だって用意できるぞ。あ、そうだった。アザミはペンを常時携行しているからカッターナイフくらいなんとかできるのか。とか呑気なことを考えている間に男の先生は予想通りカッターナイフを使ってきた。アザミは能力を使い0,5秒前のカッターナイフにペンを投げ男の先生の武器をなくして無力化に成功した。その時に可愛い女の先生に
「言い忘れていたけど私は椎名 命よ。椎名先生と呼んでください。男の先生は武笠先生よ。」と言われた。とりあえず名前がわかったのはよかった。そしてその後クラスを教えてもらった。俺もアザミも一組らしい。行ってみよう。
行ってみた結果、お説教中の教室に突撃しちゃった。
「おい、朝田。教師に向かってなんて口の利き方だ!ふざけてるのか。」
「お前が刀矢をネタにするのがいけないんだろ。今更何を言うの。」
「俺は入学式にも出ない、翌日も遅刻の馬鹿をネタにしただけだろ。それ以上言ったら三年で卒業できると思うな。」という状況だ。でも後ろにアザミがいるし大丈夫かな?大丈夫!!
「あのーお話し中申し訳ありません。入学式にも出ない、翌日も遅刻の馬鹿こと高花刀矢です。」
「同じく馬鹿の柿原アザミです。」
「よしお前らきたか。HRを始める。と言っても自己紹介だけだがな。まずは俺からいくぜ。俺は貝原 一だ(かいはら はじめ)だ。一応能力はある。その能力は風だ。じゃあどんどん自己紹介していけよー。」
俺はほぼ寝てた。名前は覚えてないけど破滅とかいう能力のやつがいた気がする。俺の番か。
「俺は高花刀矢です。能力は持ってません。よろしく。」
俺は嘘をつくことにした。この能力は知られるとハブられるのだ。次はアザミで最後が晴香だな。ちゃんと聞いていよう。
「俺は柿原アザミだ。能力は投擲だ。可愛い女の子は大歓迎だ。よろしく。」
「私は朝田晴香よ。能力は夢よ。私から刀矢を奪わないようにして。それじゃあよろしく。」
自己紹介が終わり俺はアザミと晴香と三人で帰ってた。
「なあ刀矢、なんで能力を隠したんだ?」
「この能力は知られるとハブられるからだ。」
「それじゃあ晴香の夢はどういうことだよ?」
「私は一応一時間、考えた物を具現化できるから同じような物よ。そういうアザミだって隠してたじゃない。」
「まあ隠すなって訳でもないしそれで浮いてたことがあったからな。とりあえず能力についての嘘は俺らの秘密ってことで。」
俺たちはここで別れた。
翌日俺はまた寝坊した。昨日は帰ってから3回昼寝したから夜に寝れなかった。で寝付こうと頑張ってその結果六時に寝付いたけど今何者かの泣き声らしき物を聞き目覚めた。何者かとか言ったがいろいろあって妹と二人暮らしだから妹しかありえないがな。とりあえず聞いてみることにする。
「里香、大丈夫か?何かあったか?」
「何もないわよ。本当に何も。」
「じゃあなんで泣いているんだ?」
「足が痛いから歩けないの。これじゃあ学校にもいけない。」
ちょっと足を見たが、足首だけが赤黒く何かで殴られた痕があった。これはいじめだな。とりあえず俺がすることは決まっていた。
「まずは飯を食おうぜ。話はそれからだ。」俺は里香を背負ってテーブルまで運び料理を始めた。とはいえ大した物はできなくて黒焦げの目玉焼きと黒焦げのハムができた。それを里香の前に持っていくと笑われた。
「こんなの小学生でもできるわよ。」まあ俺としては笑って欲しかったのでよかったが。とりあえず俺と里香は食事をとることにした。味は微妙だがそれも悪くないと思った。一応中学校に里香が休むことを伝えてから里香を部屋に運んだ。念のためいうとするなら俺と里香は違う部屋だからな。運び終わった後にアザミと晴香に連絡した。内容は一言。
「手伝ってくれ」
俺は菓子の準備を始めた。うちの高校は事情によって欠席した日は欠席にされないのだ。だから早退も問題ない。いじめも登校免除の対象なのだ。俺たちは欠席を咎められないですむ。今は目の前の問題について考えよう。と思い考えついた方法は再現だ。そのためにアザミと晴香を読んだのだから。
「おーい刀矢ー開けて~。」
「刀矢、助けに来たぜ。」
とりあえず家にあげた。
「そんでどうしたんだ?」
「いじめの解決に協力してくれないか?」
「刀矢のためならやるわ。どういう状況?」
「実は妹がいじめにあった可能性が高いからそれを調べていじめだったら報復する。」俺は2人に状況とこの後の行動を話した。
役割は
俺 いじめっ子の罪を見て脅す。
アザミ いじめっ子達の足首に全力で攻撃(正確には昨日里香を痛めつけた時間のいじめっ子達)
晴香 詳しいいじめの理由を探る。
という分担にした。
俺たちは里香の通う中学校に来ているが、中に入れなくて非常に困っている。正規の方法では入れないことはわかるんだけど侵入するのは気が引ける。まあ里香のためならやってやるか。
「なあ、アザミ、晴香。今から三人でこの中学校に侵入する。」
「準備してないが問題ないぜ。なんだってやるさ。」
「私も同じ気持ちよ。」
俺たちは中学校に侵入した。そして少し歩いたところにある空き教室に拠点(仮)を作り晴香に里香のクラスに盗聴機を仕掛けてもらっている間にアザミと最終確認をしていた。まず流れは単純にアザミが辞書、シャーペン、そして俺に触った状態で昨日のいじめっ子達のところに俺を投げてもらい罪を見る。全員の罪を見終わったら脅す。ここまでやってから俺は現在に戻ってくる。俺が戻ったらすぐにアザミが辞書を足に投げて足りない分はシャーペンを全力で回して足首にぶつける。俺が脅した後の攻撃を3回繰り返す。という流れだ。確認が終わった頃に晴香が戻ってきた。
「刀矢、盗聴機仕掛けてきたよ。」
「じゃあ聞いてみるか。」
俺たちは教室での会話を聞き始めた。内容は里香への愚痴ばかり。男子は黙って俯いている。里香は男受けが良いからな。それにこのクラスはいっちゃあ悪いけど可愛い子が少ない。綺麗な子はいる。一人だけ。その子は何も喋ってない。まあ当然か。その子は里香の親友だからな。さて話が逸れたが愚痴の内容は酷いものだ。男漁りをしているだの援交してるだの。そんなことができるほどに里香は人と話せないんだよ。男漁りどころか友達も一人しかいないような可愛い妹を侮辱する奴は死刑だ。
「アザミ、今回は顔に傷が残っても良い。徹底的にやってくれ。」
「ああ、わかった。里香は俺にとっては神だからな。」
「なんで神なのかは今度聞かせてもらうよ。」
愚痴はここで終わりだと思ったら、
「あいつ絶対頭悪いでしょ。」
「だよね~。」
と聞こえてきたが里香は勉強を自主的にやるようないい子だ。成績は優秀だ。こいつらの愚痴は終わった。何も喋ってなかった綺麗な子は叫んだ。
「なんで里香にあんなことしたのよ!ふざけないで!!!」
と。先に言っておくがいじめっ子はあまり顔立ちがよろしくない。当然男子も、そうだそうだーと言っていた。するといじめっ子リーダーは理由を語った。内容は要約すると、あいつにいじめっ子リーダーが好きな奴が告白したからその憂さ晴らし。ということだ。もうこいつら許せない。すぐに報復しよう。
「アザミ、準備は良いか?」
「ああ、いけるぜ。行くか?」
「ああ、今行く。」
俺は昨日の里香を痛めつける前のいじめっ子のところに投げられた。さあ、始めよう。
「やあ、君たち。僕は君たちの罪や秘密を知っているんだ。公開されたくないだろう?俺も鬼じゃないから交渉をしたいんだ。これを守るのなら怪我をしないで秘密をバラされずに帰れるよ。どうする?」
「なんのことだよ!!」
「まあそう怒るなよ。簡単なことだ。君たちはクラスにいる静かで綺麗な子と高花里香をいじめないでくれれば良い。そうすれば手を引くよ。」
「どうせハッタリだから気にすんなよお前ら。今すぐ高花に報復に行くよ。」
「それは交渉決裂ってことで良いかな?」
「良いと言っただろ。」
「わかった。これから何があろうと俺のせいにするな。じゃあな。」
俺はアザミのところに戻った。そしてアザミに秘密を握ったことを伝えた。後はアザミに任せよう。アザミはすでに辞書とペンを投げていた。三回をわずか10秒で。その瞬間俺の頭に出来事を改変された時の現在の時間までの二つ目の記憶が流れてきた。今まではアザミの能力は人を投げてなかったが、投げられた人間は投げられる前の記憶と投げた場合の記憶をどっちも持てることがわかった。その結果流れてきた記憶には信じられない出来事が映った。それは、教師が里香を殴っている姿だった。
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