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第一章 藤原篤也編

第三話 冒険者ギルド

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俺たち二人は、早急に街を抜け街の中で聞いたゼヴィス王国というところを目指した。
勇者の義務?
勿論放置だ。
だって、俺達もう自衛か仕事でしか戦わないって決めてんだから、こっちに実害がない限り攻めることはしない。
という事で、山を跨げばすぐだというゼヴィス王国を目指すことにしたのだ。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

~ゼヴィス国冒険者ギルド~

「そう言えば、志原。俺達、ここで別れよう」
「ん!?唐突に何言ってるの!?二人で冒険者するんじゃ・・・」
「いや・・・な、連絡が取れるようにして別行動にして功績を競い合う方がいいんじゃないかと思って思ってな。そっちの方が俺達にも競争心が芽生えて頑張れるし、報酬も大きくなる。だろ?」
「う~ん、でも篤也と別れるのは・・・じゃあこうしよう、二人ともこのギルドの二頂点になったらパーティーを結成するってことでならいいよ」

という事で、俺たちは一時的に別れを告げた。

・・・これが世界最大の抗争の火種になるとも知らずに・・・

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「あら?登録ですか?」
「はい」

ギルドに入った俺を出迎えたのは。
出るところは出、引っ込むところは引っ込んでいるナイスバディな美人なギルド嬢さんだった。

うわぁ・・・胸、でけぇ・・・
バストHぐらいありそう・・・・

おっと、ついつい胸に目が行ってしまった。

「この紙に、年齢、種族、職業を記入してください」

そんなことを言われたので渡された紙に書き込んでいく。
・・・っと、名前・・・この世界的におかしい、よな。
う~ん、しょうがないあの頃の名前を登録するのは嫌だけど、仕方ないよな・・・。
アザっと。
種族・・・人族だな。
職業は・・・ステータスにある戦闘者、で、いいんだよな・・・?

不安になりながらも書き込むと他にも項目があることに気が付いた。

「あの・・・この下の魔力適正って・・・」
「ああ、それは今からわたすこの水晶に手をのせていただくことで分かります。魔力属性は火、水、風、土、雷、光、闇、聖、無の九つがありどれに適性があるかが分かります」

おお、思ったよりも詳しい説明が聞けたな・・・。
他の所の記入は終わっていたのでギルド嬢がカウンターに置いた水晶玉に、触れてみる。

「う、嘘っ!!」
「?、なにかおかしいことでも?」

水晶は俺が触れた瞬間真っ黒に染まる。
これからして闇属性だと思うのだが・・・。

「こ、これ全属性ですよ・・・?」
「え!?全・・・属性?闇属性の間違いではなく・・・?」
「ええ、闇属性ならもっと紫が混じってますから。この色は全属性です。・・・・」

なんか、ギルド嬢がプルプル震えている。
な、なんか嫌な予感・・・。

「こ、これは・・・賢者です!!」
「け、賢者!?」
「全属性を持つことのできる職業は賢者しかありえません!!さぞ有名な魔法使・・・」

ギルド嬢は、ふとみた俺の加入用紙をみて目を点にする。

「せ、戦闘者・・・?全く聞いたことがない・・・新しい職業・・・?なら協会から通知が・・・」

なんかぶつぶつ言っているが・・・大丈夫か?
変に目立って面倒な仕事を押し付けなければいいのだが・・・。

「あ、あの・・・」
「はっ、取り乱してしまいました。すみません・・・で、魔力適正の欄に全属性と書き込んでいただければ・・・」

俺が全属性、と書き込んだ瞬間ガコン!!と、音がして奥にあった機械らしき何かからプレートが吐き出された。

「ここに触れていただければ・・・はいっ!!これであなたはギルド会員となりました」
「ええっと、ギルド会員とやらに制約はありますか?」
「そうですね、年に十件以上依頼をこなさないと自動的に退会される、という事と自衛以外の戦闘を全面禁止する。という事だけですね」

おお、以外に制約はないんだな。
よかった。

「で、ですね冒険者にはランクというものがありましてF~SSSまでの階級があります。SSSは史上でもたった一人しかなった人がいない幻のランクです。でももしかするとあなたなら到達できるかも知れません!!頑張ってください!!」

最後のは売り文句だな。
昔から鍛えている、言葉で相手の感情を悟る術で聞いた限りあまりなることを期待していない風だったことは分かっている。

「ちなみにあなたは特例でEランクからのスタートですのでF~Dまでの依頼を受けることができます」
「ちなみにお勧めは?」

ギルド嬢が言った特例は俺にとってもう慣れたことなので受け流しそのまま質問した。

「薬草採取ですね、草をむしるだけならと簡単に受けていく人が多いですがとるときの体勢が反撃のしにくい体勢なので生還率五割のかなり危険なクエストですが非常に報酬はいいですしランクアップに必要な実績も多く手にできます」

ふむ、反撃の取りにくい体勢・・・か、でもこれあそこで良くなってた体勢じゃん。
これなら問題なくできそうだ。

「受けます」

そう言った瞬間ギルド嬢は目にもとまらぬ速さで受理の印を押した。
これが、俺の人生史上最大の不運になるとも知らずに・・・。
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