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2 野獣の牙
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「悪いのは人間を襲わぬ契約を全魔族にさせた魔王様だろ。どんなに美味そうでも学園にいる人間を襲えない。だけどお前はこんなに美味そうでも半分魔族だからなあ。息子のお前には、なにしたっていいんだよな」
「……っ!」
オリヴィエの祖父の代で人間界の王族と交わした停戦協定。父の代になると平和的交流をさらに推進してきた。それはひとえに魔王自らが人間の聖女ルルウを娶ったことが大きい。
オリヴィエは二人の間に生まれたいわば人との架け橋ともいうべき存在だ。本来ならば双方から大切にされてもしかるべきところだが、実際のところそう上手くはいかない。
長い戦いの歴史から相互の理解はまだ進みきってはいないのが現状だ。とくに先祖が人間を食い物扱いしていた種族は人を気楽に狩れなくなった分、中途半端な一族のはみ出し者である弱者のオリヴィエを標的にしてくる。
「ぐしゃぐしゃの顔、可愛いなあ。もっと泣きわめいて見せろよ」
同級生のあんまりな言葉にオリヴィエは唇を噛みしめ、これ以上泣くまいと眉根を寄せて狼族の青年を睨みつける。魔王の血脈の端にいる美しい少年のそんな顔つきは余計に男たちの情欲を煽ったようだ。
「お前は血も肉も甘そうだな」
顎を掴まれ無理やり口づけられる。抵抗して引き結んだ唇に舌をねじ込まれ、口内を遠慮なくべろべろと犯された。
オリヴィエは果敢にも舌を噛み千切ってやる勢いで歯を食い込ませたが、こんな場所まで人とは違い頑健な男はびくともせずに鼻でオリヴィエの抵抗を嘲笑う。
「あー。オリヴィエ。もっと頑張れよ」
顔を離しオリヴィエを見おろす顔は整った造作と言えなくもないが、瞳は禍々しい金色に光りオリヴィエをさげすむように睥睨してくる。
負けじと睨み返したがその瞬間、鋭い爪がオリヴィエの上着とシャツをびりびりと引き裂く。ひやりと外気に触れた胸には綺麗な桃色の頂きが震え、剥き出しになった胸元には金色の鎖の付いた虹色の真珠が下がっていた。それをカシスが血走った眼で眺めて舌なめずりする。邪魔者を取り去ろうと鎖を爪で引っ掻けられ、オリヴィエは涙を零しながら訴える。
「返して! それは大切なものだから」
カシスはつまらなそうにそれを引きちぎって無造作に草むらに投げ込んだ。そしてそのまま獣のように長い舌を出し起き上がろうと背中を反らしたせいで、逆に突き出すような悩ましい姿勢になったオリヴィエの白い胸にしゃぶりついてくる。
「いや! やめろ!」
初めは舌先で潰すようになぞるように、そののちは胸の飾りを犬のように細かなピッチでべろべろと舐め上げる。感じたくはないのに脇腹を大きな掌でなぞりまさぐられながら、胸の先端を何度も何度も舐められると先がじんじんと痺れ、甘い疼きが生まれてくる。しかしすぐにいたぶるように乳輪の周りに牙を喰い込ませ、流れる血を啜られた。
「やっ……。ああ、あっ」
頭の上で腕を押さえつけてくる男たちの顔が、狼と欲に満ち満ちた人間の顔に交互に変化しながら、オリヴィエの痛みと羞恥で上気し真っ赤に染まる頬に涎を垂らしてくる。
「美味そうだ。今すぐ喰いたい」
仕草で恥辱に真っ赤に染まるオリヴィエの美貌を六つの視線が犯してくる。
「痛っ! ああっ」
もう一方の胸の頂きをぎりぎりと指先で摘まみ上げられ、オリヴィエはあまりの痛みに気が遠くなりそうだった。
「ずっと我慢してたんだ。お前の欲をそそる甘い香りを校舎で嗅ぐたび、探そうにもお前は見あたらない」
「……っ!」
オリヴィエの祖父の代で人間界の王族と交わした停戦協定。父の代になると平和的交流をさらに推進してきた。それはひとえに魔王自らが人間の聖女ルルウを娶ったことが大きい。
オリヴィエは二人の間に生まれたいわば人との架け橋ともいうべき存在だ。本来ならば双方から大切にされてもしかるべきところだが、実際のところそう上手くはいかない。
長い戦いの歴史から相互の理解はまだ進みきってはいないのが現状だ。とくに先祖が人間を食い物扱いしていた種族は人を気楽に狩れなくなった分、中途半端な一族のはみ出し者である弱者のオリヴィエを標的にしてくる。
「ぐしゃぐしゃの顔、可愛いなあ。もっと泣きわめいて見せろよ」
同級生のあんまりな言葉にオリヴィエは唇を噛みしめ、これ以上泣くまいと眉根を寄せて狼族の青年を睨みつける。魔王の血脈の端にいる美しい少年のそんな顔つきは余計に男たちの情欲を煽ったようだ。
「お前は血も肉も甘そうだな」
顎を掴まれ無理やり口づけられる。抵抗して引き結んだ唇に舌をねじ込まれ、口内を遠慮なくべろべろと犯された。
オリヴィエは果敢にも舌を噛み千切ってやる勢いで歯を食い込ませたが、こんな場所まで人とは違い頑健な男はびくともせずに鼻でオリヴィエの抵抗を嘲笑う。
「あー。オリヴィエ。もっと頑張れよ」
顔を離しオリヴィエを見おろす顔は整った造作と言えなくもないが、瞳は禍々しい金色に光りオリヴィエをさげすむように睥睨してくる。
負けじと睨み返したがその瞬間、鋭い爪がオリヴィエの上着とシャツをびりびりと引き裂く。ひやりと外気に触れた胸には綺麗な桃色の頂きが震え、剥き出しになった胸元には金色の鎖の付いた虹色の真珠が下がっていた。それをカシスが血走った眼で眺めて舌なめずりする。邪魔者を取り去ろうと鎖を爪で引っ掻けられ、オリヴィエは涙を零しながら訴える。
「返して! それは大切なものだから」
カシスはつまらなそうにそれを引きちぎって無造作に草むらに投げ込んだ。そしてそのまま獣のように長い舌を出し起き上がろうと背中を反らしたせいで、逆に突き出すような悩ましい姿勢になったオリヴィエの白い胸にしゃぶりついてくる。
「いや! やめろ!」
初めは舌先で潰すようになぞるように、そののちは胸の飾りを犬のように細かなピッチでべろべろと舐め上げる。感じたくはないのに脇腹を大きな掌でなぞりまさぐられながら、胸の先端を何度も何度も舐められると先がじんじんと痺れ、甘い疼きが生まれてくる。しかしすぐにいたぶるように乳輪の周りに牙を喰い込ませ、流れる血を啜られた。
「やっ……。ああ、あっ」
頭の上で腕を押さえつけてくる男たちの顔が、狼と欲に満ち満ちた人間の顔に交互に変化しながら、オリヴィエの痛みと羞恥で上気し真っ赤に染まる頬に涎を垂らしてくる。
「美味そうだ。今すぐ喰いたい」
仕草で恥辱に真っ赤に染まるオリヴィエの美貌を六つの視線が犯してくる。
「痛っ! ああっ」
もう一方の胸の頂きをぎりぎりと指先で摘まみ上げられ、オリヴィエはあまりの痛みに気が遠くなりそうだった。
「ずっと我慢してたんだ。お前の欲をそそる甘い香りを校舎で嗅ぐたび、探そうにもお前は見あたらない」
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