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フリージアを嫌わないで
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ラストスパートとばかりに自らのほっそりした男根を激しく追い立て、三本の指で中をぐちゃぐちゃに苛め掻き混ぜ、あわや前後共に達しそうになった、その時。
浴室の扉ががちゃりと開かれた。
「透さん!」
全身が薄桃色に染まった透は、男にしてはふっくらした臀部を震わせ半ば扉の方に向けたまま、凄艶な貌で振り返る。すると背後の怒ったような顔をした伏見と目が合った。
「んあっ!」
驚いた拍子に前を極めてしまい、浴槽にピシャッと飛沫が飛び散る。脱力しそのままへなへなと長く白い足を崩し、しどけなく座り込んだ。
「伏見君……」
透を見おろす伏見の眼差しは欲に濡れ、なお魅惑的に耀く。
恋する人の媚態に魅せられたまま、伏見は羽織っていたシャツを床に脱ぎ捨て逞しい上裸を晒した。
厚い胸板や発達した腹筋に筋肉の隆起の影が濃い。力強さと同時に若さ漲る瑞々しい身体を、透は雌っぽい濡れた視線で観察した。
長い脚とその間までいやらしく目線を落とす。股間の高まりは目にできたがまだ下穿きに覆われたままだった。
流石に視線が明け透けすぎると自重して、再び視線を上げる。
服を着ている時は細身に見えたが、脱いだら朔よりも一回り身体が大きい分、屈強さが増す。
海外育ちでスポーツも得意と面接の時に言っていたとおり、鍛え上げられた筋肉が美しくついている。熱いこの身体と裸で触れ合って、力いっぱい抱き締められたいと切に思う。
高潔な美貌。いつもは白目が青く澄んだ双眸が、今は欲の炎をちらつかせている。
透はその火に炙られ、日頃は澄ました美貌に淫蕩な笑みを浮かべて、唇の端を見せつけるように舌で舐める。
「身体、かっこいいね」
「貴方って人は! そんな顔で俺を呼んで、自分だけ気持ちよくなって、ああもう!」
焦れて逞しくも太い腕の主が乱暴に透の柳腰を軽々と抱えた。
透はバランスを取るため何とか浴槽に両手をつく。後ろから透を包み込むように抱きついてくる熱く若い身体。擦りつけられる剛直の硬さを感じて透はうっとりした。そのまま後ろ手で彼の欲望をまさぐる。
「……全然、足んないよ。伏見君のこれ、欲しい」
「優しくして甘やかしたいのに……。透さん、透さん!」
熱い息を弾ませながら透の真っ白な首や肩に柔らかな唇で吸い付き赤い花を咲かせ、時おり発達した犬歯を立て喰いついてくる。
痛みを伴う執着めいたその仕草は透の興奮と期待を煽った。指で開いて濡れそぼった後孔がひくひくっと彼を歓迎する。
(嬉しい、嬉しい。伏見君)
そんな彼の頭に手を入れ、髪を乱しながら透は首だけ振り返ると赤い舌をちろっと見せながら嫣然と微笑んだ。
「伏見君、僕で興奮してくれてる……」
「当たり前だろ。好きな人のこんな……。こんな誘惑、耐えられるはずないだろ!」
「伏見君」
「透さん。ここで抱かせて、抱きたいんだ」
伏見は濡れ足元にわだかまるズボンと下着を忌々し気に蹴りあげて足元に落とすと、自身の剛直を手に持ち透の滑かな臀部に擦り付ける。
浴室の扉ががちゃりと開かれた。
「透さん!」
全身が薄桃色に染まった透は、男にしてはふっくらした臀部を震わせ半ば扉の方に向けたまま、凄艶な貌で振り返る。すると背後の怒ったような顔をした伏見と目が合った。
「んあっ!」
驚いた拍子に前を極めてしまい、浴槽にピシャッと飛沫が飛び散る。脱力しそのままへなへなと長く白い足を崩し、しどけなく座り込んだ。
「伏見君……」
透を見おろす伏見の眼差しは欲に濡れ、なお魅惑的に耀く。
恋する人の媚態に魅せられたまま、伏見は羽織っていたシャツを床に脱ぎ捨て逞しい上裸を晒した。
厚い胸板や発達した腹筋に筋肉の隆起の影が濃い。力強さと同時に若さ漲る瑞々しい身体を、透は雌っぽい濡れた視線で観察した。
長い脚とその間までいやらしく目線を落とす。股間の高まりは目にできたがまだ下穿きに覆われたままだった。
流石に視線が明け透けすぎると自重して、再び視線を上げる。
服を着ている時は細身に見えたが、脱いだら朔よりも一回り身体が大きい分、屈強さが増す。
海外育ちでスポーツも得意と面接の時に言っていたとおり、鍛え上げられた筋肉が美しくついている。熱いこの身体と裸で触れ合って、力いっぱい抱き締められたいと切に思う。
高潔な美貌。いつもは白目が青く澄んだ双眸が、今は欲の炎をちらつかせている。
透はその火に炙られ、日頃は澄ました美貌に淫蕩な笑みを浮かべて、唇の端を見せつけるように舌で舐める。
「身体、かっこいいね」
「貴方って人は! そんな顔で俺を呼んで、自分だけ気持ちよくなって、ああもう!」
焦れて逞しくも太い腕の主が乱暴に透の柳腰を軽々と抱えた。
透はバランスを取るため何とか浴槽に両手をつく。後ろから透を包み込むように抱きついてくる熱く若い身体。擦りつけられる剛直の硬さを感じて透はうっとりした。そのまま後ろ手で彼の欲望をまさぐる。
「……全然、足んないよ。伏見君のこれ、欲しい」
「優しくして甘やかしたいのに……。透さん、透さん!」
熱い息を弾ませながら透の真っ白な首や肩に柔らかな唇で吸い付き赤い花を咲かせ、時おり発達した犬歯を立て喰いついてくる。
痛みを伴う執着めいたその仕草は透の興奮と期待を煽った。指で開いて濡れそぼった後孔がひくひくっと彼を歓迎する。
(嬉しい、嬉しい。伏見君)
そんな彼の頭に手を入れ、髪を乱しながら透は首だけ振り返ると赤い舌をちろっと見せながら嫣然と微笑んだ。
「伏見君、僕で興奮してくれてる……」
「当たり前だろ。好きな人のこんな……。こんな誘惑、耐えられるはずないだろ!」
「伏見君」
「透さん。ここで抱かせて、抱きたいんだ」
伏見は濡れ足元にわだかまるズボンと下着を忌々し気に蹴りあげて足元に落とすと、自身の剛直を手に持ち透の滑かな臀部に擦り付ける。
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