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第二部 

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 深森は卯乃がひっくり返らないように背中に手をやると、素早く身を起こす。そのまま卯乃は頑丈な腕の中に閉じ込められた。

「はあっ。大人しく、寝ろっていったよなっ」

 日頃は冷静で穏やかな深森が舌打ちせんばかりに粗ぶっている。だが抱きしめてくる腕はいつも通り力強くて頼もしい。卯乃に心を揺さぶられながらも、真剣に思ってくれる深森の姿に卯乃の胸は余計に熱く高まる。我慢することで深い愛情を伝えようとする人だと、卯乃は恋人の事が分かり始めている。
 
(優しい深森、……大好きだよ。でも……)

 胸に耳をぺたりとくっつけると、深森の鼓動が強さを感じた。

(興奮してるくせに、めちゃくちゃにしてくれないから、オレもっともっとって……)

 欲しくなる。

 卯乃は上目遣いに深森を見上げて唇を嘗め回しながら、誘うようにゆっくりと色っぽい瞬きをした。深森は眉を吊り上げ、ふいっとそっぽを向く。
 あれほど煽ったのに我を忘れぬ深森に卯乃の方が焦がれる。首に腕を回すと少しだけ深森の胸をがじがじと甘噛みをした。するとお返しとばかりに深森の大きな掌が、指が食い込むほど卯乃の尻を鷲掴みにする。

「お前、……調子が良くなったら、ここに泣いてもはめまくってやるから覚悟しとけよ」

 その囁きにしては獰猛に低い声色に、ぞくぞくっとした快感が駆け上がる。ぐいっと頭を倒され、露わにされた首すじを深森が猫らしい仕草で熱心に舐めあげ、吸い付き齧りついた。

「は……」

 与えられた快感に吐息を漏らし、見悶え震えた卯乃は腰を浮かして逃れようとしたが深森はそれを許さない。深森は荒々しく自らの下履きをずらすと、天を衝くほど高まった陰茎をぶるんっと取り出し摺り上げ始めた。

「卯乃、卯乃……」

 自分で自分を慰める深森の立てる水音はいやらしく、恋人の名を切なく艶めかしく呼ぶ番の声に、卯乃の稚い陰茎もすっかり立ちあがっていた。
 
 卯乃も小さな手でぬるぬると先走りを零す自分のものをこすろうとしたら、その手ごと深森の大きな手で諸共に包まれた。そのまま卯乃が自分でするよりずっと早い速度で摺り上げられる。
 
 卯野は今度は諸共に目が眩むような快感に声にならない悲鳴を漏らして、頭をいやいやと振り続ける。腕を突っぱねて身体をくねらせ、刺激を少しでも逃そうとしたが、そんな卯乃後頭部を荒々しく掴んで、深森が深い口づけをしかけてきた。口内を嘗め回され、卯乃の息すら自由にさせぬしつこさで唇を貪ってくる。

(ああ、いく、いくっ!)

 体調を崩してからさらに痩せてしまった卯乃が折れそうに細い腰をそらして気をやった。背中からベッドに倒れ込む。自分で放ったもので汚れ、力なくびくびくっと身体を痙攣させる白い身体を、まだ長大なものを自分で摺り上げている深森が嘗めるように見下ろしてきた。
 白々とした自室の灯りの下、涎を口の端から垂らして瞑目した卯乃は痩せた身体が痛々しくも蠱惑的だ。声もなく身動きもしないのにずっと深森を誘い続けている。
 一瞬だけ、本当に無意識に卯乃の唇が微笑みの形に綻んだ。謎めいたその仕草に、深森はぎりっと自らの唇を噛み、襲い掛かりたい衝動を何とか逃す。
 だが突き動かされるように、片手で卯乃が放ったものを手にまとわせながら、卯乃の胸の先を中心に滑らかな胸や腹を撫ぜ上げる。そのまま自らを慰め続けて、熱い残滓を卯乃の腹や胸、喉元にまで放って汚した。
 すやすやと寝息を立てる、清らかな顔の恋人の上へ。

「やっと寝たか……」



 
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