甘えんぼウサちゃんの一生のお願い

天埜鳩愛

文字の大きさ
上 下
31 / 99
第一部

30 ちょうだい!

しおりを挟む
 先ほどは感じていた快楽に身を投じることに抗ったが、今は違う。深森の手首を両手でつかむと、しゃぶらされていた指に舌を絡め、口淫を連想させる仕草でいやらしく上下に動かした。

「ん、ん、んっ……」
「卯乃……!」

 興奮に低い声を掠れさせた深森の指からじゅぶっと音を立てて唇を離す。卯乃は背を丸めて少し上身を起こすと、筋肉がしっかりついた長い腕を引っ張って、卯乃は節高の大きな手を自分の足の間に導いた。

「はあっ、はあっ……。ここも、触って」

 深森が一瞬息をのんだ気配を感じ、一矢報いた気持ちになった卯乃は濡れた唇を暗がりでにいっと吊り上げた。

「そういう『お願い』なら大歓迎だ」

 素直に甘える卯乃がたまらないというように深森は情欲を煽られ、胸から順々と赤い花を咲かせながら柔らかな下腹に向けて降りていく。
 先からすでに蜜を垂らした雄茎をべろり、と舐められてそれだけで卯乃は背をのけぞらせた。

「え……、あ、ああっ! そんなこと……、だめぇ」

 羞恥で感情が高まり、顔がかあっと熱くなる。そのまま初めから速いピッチでじゅ、じゅっと吸い上げられた。卯乃はもちろん、他人からこういうことをされたことがない。コントロールできぬ過ぎたる刺激にあっという間に内腿をぴくぴくっとさせる。

「ああっ! でちゃう! 放してぇ」

 一際強く吸い上げられ、目もくらむ快感にあおのき喘ぐ卯乃はあっけなく細腰をそらして果てた。そのまま「フーフー」と本物の雄猫のように息を荒げた深森に身体を早急にひっくり返させられる。
 下からぐいっと腰を持ち上げられ尻を高々と上げられると、卯乃は布団に顔を埋め、今度は自分が雌猫になったような気がした。

「……腰、折れそう。尻もちっさい、真っ白でふわふわだな」

 両手で尻たぶを鷲掴みされて感触を確かめるように何度ももみあげられ、蕾をくぷっと開かれる。

「やあん」
 長い舌が縁をぺろりと舐め上げ、繊細な部分をさらに舌でこじ開けられ、卯乃は恥ずかしくて背に回した手で闇雲に探り、かりりっと深森のどこかをひっかいた。

「そういうの、いいから、ちょうだい!」
「むりだろ、こんな」

 なんとか逸る心を落ち着かせるようにため息をつくと、深森はジャージのポケットから何かを取り出し、中身を指に絡ませた。

「きゃあ」

 感じやすい尻尾の付け根をさすられながら、とろみを纏わせた逞しい指を蜜壺にゆっくりと埋められたから、無意識に卯乃はきゅうっとそれを食いしめた。

「狭い」

 ローションを塗ってもかなりきつい。

「あ、あっ、あっ、ああ!」
しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

Sweet☆Sweet~蜂蜜よりも甘い彼氏ができました

葉月めいこ
BL
紳士系ヤクザ×ツンデレ大学生の年の差ラブストーリー 最悪な展開からの運命的な出会い 年の瀬――あとひと月もすれば今年も終わる。 そんな時、新庄天希(しんじょうあまき)はなぜかヤクザの車に乗せられていた。 人生最悪の展開、と思ったけれど。 思いがけずに運命的な出会いをしました。

【完結】オオカミ様へ仕える巫子はΩの獣人

亜沙美多郎
BL
 倭の国には三つの世界が存在している。  一番下に地上界。その上には天界。そして、一番上には神界。  僕達Ωの獣人は、天界で巫子になる為の勉強に励んでいる。そして、その中から【八乙女】の称号を貰った者だけが神界へと行くことが出来るのだ。  神界には、この世で最も位の高い【銀狼七柱大神α】と呼ばれる七人の狼神様がいて、八乙女はこの狼神様に仕えることが出来る。  そうして一年の任期を終える時、それぞれの狼神様に身を捧げるのだ。  もしも"運命の番”だった場合、巫子から神子へと進化し、そのまま神界で狼神様に添い遂げる。  そうではなかった場合は地上界へ降りて、βの神様に仕えるというわけだ。  今まで一人たりとも狼神様の運命の番になった者はいない。  リス獣人の如月(きさら)は今年【八乙女】に選ばれた内の一人だ。憧れである光の神、輝惺(きせい)様にお仕えできる事となったハズなのに……。  神界へ着き、輝惺様に顔を見られるや否や「闇の神に仕えよ」と命じられる。理由は分からない。  しかも闇の神、亜玖留(あくる)様がそれを了承してしまった。  そのまま亜玖瑠様に仕えることとなってしまったが、どうも亜玖瑠様の様子がおかしい。噂に聞いていた性格と違う気がする。違和感を抱えたまま日々を過ごしていた。  すると様子がおかしいのは亜玖瑠様だけではなかったと知る。なんと、光の神様である輝惺様も噂で聞いていた人柄と全く違うと判明したのだ。  亜玖瑠様に問い正したところ、実は輝惺様と亜玖瑠様の中身が入れ替わってしまったと言うではないか。  元に戻るには地上界へ行って、それぞれの勾玉の石を取ってこなくてはいけない。  みんなで力を合わせ、どうにか勾玉を見つけ出し無事二人は一命を取り留めた。  そして元通りになった輝惺様に仕えた如月だったが、他の八乙女は狼神様との信頼関係が既に結ばれていることに気付いてしまった。  自分は輝惺様から信頼されていないような気がしてならない。  そんな時、水神・天袮(あまね)様から輝惺様が実は忘れられない巫子がいたことを聞いてしまう。周りから見ても“運命の番”にしか見えなかったその巫子は、輝惺様の運命の番ではなかった。  そしてその巫子は任期を終え、地上界へと旅立ってしまったと……。  フッとした時に物思いに耽っている輝惺様は、もしかするとまだその巫子を想っているのかも知れない。  胸が締め付けられる如月。輝惺様の心は掴めるのか、そして“運命の番”になれるのか……。 ⭐︎全て作者のオリジナルの設定です。史実に基づいた設定ではありません。 ⭐︎ご都合主義の世界です。こういう世界観だと認識して頂けると幸いです。 ⭐︎オメガバースの設定も独自のものになります。 ⭐︎BL小説大賞応募作品です。応援よろしくお願いします。

龍神様の神使

石動なつめ
BL
顔にある花の痣のせいで、忌み子として疎まれて育った雪花は、ある日父から龍神の生贄となるように命じられる。 しかし当の龍神は雪花を喰らおうとせず「うちで働け」と連れ帰ってくれる事となった。 そこで雪花は彼の神使である蛇の妖・立待と出会う。彼から優しく接される内に雪花の心の傷は癒えて行き、お互いにだんだんと惹かれ合うのだが――。 ※少々際どいかな、という内容・描写のある話につきましては、タイトルに「*」をつけております。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

秘めやかな愛に守られて【目覚めたらそこは獣人国の男色用遊郭でした】

カミヤルイ
BL
目覚めたら、そこは獣人が住む異世界の遊郭だった── 十五歳のときに獣人世界に転移した毬也は、男色向け遊郭で下働きとして生活している。 下働き仲間で猫獣人の月華は転移した毬也を最初に見つけ、救ってくれた恩人で、獣人国では「ケダモノ」と呼ばれてつまはじき者である毬也のそばを離れず、いつも守ってくれる。 猫族だからかスキンシップは他人が呆れるほど密で独占欲も感じるが、家族の愛に飢えていた毬也は嬉しく、このまま変わらず一緒にいたいと思っていた。 だが年月が過ぎ、月華にも毬也にも男娼になる日がやってきて、二人の関係性に変化が生じ──── 独占欲が強いこっそり見守り獣人×純情な異世界転移少年の初恋を貫く物語。 表紙は「事故番の夫は僕を愛さない」に続いて、天宮叶さんです。 @amamiyakyo0217

【完結】転生して妖狐の『嫁』になった話

那菜カナナ
BL
【お茶目な挫折過去持ち系妖狐×努力家やり直し系モフリストDK】  トラック事故により、日本の戦国時代のような世界に転生した仲里 優太(なかざと ゆうた)は、特典により『妖力供給』の力を得る。しかしながら、その妖力は胸からしか出ないのだという。 「そう難しく考えることはない。ようは長いものに巻かれれば良いのじゃ。さすれば安泰間違いなしじゃ」 「……それじゃ前世(まえ)と変わらないじゃないですか」   他人の顔色ばかり伺って生きる。そんな自分を変えたいと意気込んでいただけに落胆する優太。  そうこうしている内に異世界へ。早々に侍に遭遇するも妖力持ちであることを理由に命を狙われてしまう。死を覚悟したその時――銀髪の妖狐に救われる。  彼の名は六花(りっか)。事情を把握した彼は奇天烈な優太を肯定するばかりか、里の維持のために協力をしてほしいと願い出てくる。  里に住むのは、人に思い入れがありながらも心に傷を負わされてしまった妖達。六花に協力することで或いは自分も変われるかもしれない。そんな予感に胸を躍らせた優太は妖狐・六花の手を取る。 ★表紙イラストについて★ いちのかわ様に描いていただきました! 恐れ入りますが無断転載はご遠慮くださいm(__)m いちのかわ様へのイラスト発注のご相談は、 下記サイトより行えます(=゚ω゚)ノ https://coconala.com/services/248096

君なんか求めてない。

ビーバー父さん
BL
異世界ものです。 異世界に召喚されて見知らぬ獣人の国にいた、佐野山来夏。 何かチートがありそうで無かった来夏の前に、本当の召喚者が現われた。 ユア・シノハラはまだ高校生の男の子だった。 人が救世主として召喚したユアと、精霊たちが召喚したライカの物語。

【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】

紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。 相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。 超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。 失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。 彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。 ※番外編を公開しました(10/21) 生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。 ※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。 ※4月18日、完結しました。ありがとうございました。

処理中です...