29 / 99
第一部
28 柔らかい
しおりを挟む
端正な顔を傾け、感触を確かめるように太ももに温かい頬を押し当てる深森を、卯乃はぺろりと唇を舌で湿らせながら艶美な表情で眺める。すぐに滑らかな内腿にちりっと甘い痛みが走った。
「白い、綺麗な脚。もちっと柔らかくて、旨そうで……。舐めまわしたいって、死ぬほど欲情した」
「やあんっ」
恥ずかしくて顔の前に翳した指の隙間から見た深森は、卯乃の反応を楽しむように見せつけながら再びじゅっと内腿に吸いつき、再び赤い痕を残した。
「だめぇ、短パン、履けなくなっちゃうだろ」
「……俺にしか、見せんな」
ぱしっと尻尾の先で軽く胴をはたかれた。
卯乃は色ごとに興味がなさそうな冷めた男の、自分にだけ見せる執着にますます頬を熱くした。
(このぉ! 深森のむっつり! 素直すぎ、いつものクールさはどこ行った!)
深森は急に饒舌になって卯乃の脚を宣言通り舐めまわしはじめた。膝頭に愛おしそうにちゅっちゅとキスをし、細い足首をぐっと掴まれ、足の甲にも口づけられた後、はあっと熱い息を吹きかけられた。
「やー、こしょいっ」
「ちっせー足、可愛いな」
そのまま指の股と爪先を含むようにねろりっと舐め齧られる。
「ぎぁう! それやだあ、汚いよ」
「汚くない、柔らかい」
仲の良い友達という感覚がまだ近い相手に急にそんなことをされたから、卯乃は恥ずかしさでもう一方の足をバタつかせ、深森の肩をぐいっと足の裏で押す。それをもう片方の手で軽々といなされ、逆にぐっと足を広げられる。そのまま宙に持ち上がった背の下に膝を入れられてしまった。
外側の腿を掴まれて身動きを封じられたまま、唇で腿の輪郭をなぞる様に滑らせて内側をところどころに甘噛みを繰り返す。左が終わったら右も丹念に舐め、吸い、時折じりっと痛みを残す。しつこいぐらいに。そのたび自然とびくっと身体が跳ね上がってしまうのは、痛みだけでなくその奥にぞくっとする快感を孕んでいるからだ。
「痛っ……、あんっ」
深森のひた向きにすら見える仕草に、どれだけ彼が自分に対して飢えていたのか、ここにきてやっと、身をもって思い知らされた。
脚の付け根の際どい部分の近くまで深森の顔が近づいていたから、卯息が興奮と羞恥で息が乱れる。しかし肝心の部分に触れることなく、深森は体勢を変え卯乃の足を大きく開かせた。
「この胸も、ここに着いた時から、ずっとちらちら見えてて、触りたくて我慢すんの、心臓どうにかなるかと思った。先っちょ桃色だし……」
「深森のえっち」
恥ずかしさから冗談めかして甘くなじる。
「お前こそエロすぎだろ、俺の事殺しにかかってると思ったぞ!」
「白い、綺麗な脚。もちっと柔らかくて、旨そうで……。舐めまわしたいって、死ぬほど欲情した」
「やあんっ」
恥ずかしくて顔の前に翳した指の隙間から見た深森は、卯乃の反応を楽しむように見せつけながら再びじゅっと内腿に吸いつき、再び赤い痕を残した。
「だめぇ、短パン、履けなくなっちゃうだろ」
「……俺にしか、見せんな」
ぱしっと尻尾の先で軽く胴をはたかれた。
卯乃は色ごとに興味がなさそうな冷めた男の、自分にだけ見せる執着にますます頬を熱くした。
(このぉ! 深森のむっつり! 素直すぎ、いつものクールさはどこ行った!)
深森は急に饒舌になって卯乃の脚を宣言通り舐めまわしはじめた。膝頭に愛おしそうにちゅっちゅとキスをし、細い足首をぐっと掴まれ、足の甲にも口づけられた後、はあっと熱い息を吹きかけられた。
「やー、こしょいっ」
「ちっせー足、可愛いな」
そのまま指の股と爪先を含むようにねろりっと舐め齧られる。
「ぎぁう! それやだあ、汚いよ」
「汚くない、柔らかい」
仲の良い友達という感覚がまだ近い相手に急にそんなことをされたから、卯乃は恥ずかしさでもう一方の足をバタつかせ、深森の肩をぐいっと足の裏で押す。それをもう片方の手で軽々といなされ、逆にぐっと足を広げられる。そのまま宙に持ち上がった背の下に膝を入れられてしまった。
外側の腿を掴まれて身動きを封じられたまま、唇で腿の輪郭をなぞる様に滑らせて内側をところどころに甘噛みを繰り返す。左が終わったら右も丹念に舐め、吸い、時折じりっと痛みを残す。しつこいぐらいに。そのたび自然とびくっと身体が跳ね上がってしまうのは、痛みだけでなくその奥にぞくっとする快感を孕んでいるからだ。
「痛っ……、あんっ」
深森のひた向きにすら見える仕草に、どれだけ彼が自分に対して飢えていたのか、ここにきてやっと、身をもって思い知らされた。
脚の付け根の際どい部分の近くまで深森の顔が近づいていたから、卯息が興奮と羞恥で息が乱れる。しかし肝心の部分に触れることなく、深森は体勢を変え卯乃の足を大きく開かせた。
「この胸も、ここに着いた時から、ずっとちらちら見えてて、触りたくて我慢すんの、心臓どうにかなるかと思った。先っちょ桃色だし……」
「深森のえっち」
恥ずかしさから冗談めかして甘くなじる。
「お前こそエロすぎだろ、俺の事殺しにかかってると思ったぞ!」
106
お気に入りに追加
230
あなたにおすすめの小説
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
貧乏大学生がエリート商社マンに叶わぬ恋をしていたら、玉砕どころか溺愛された話
タタミ
BL
貧乏苦学生の巡は、同じシェアハウスに住むエリート商社マンの千明に片想いをしている。
叶わぬ恋だと思っていたが、千明にデートに誘われたことで、関係性が一変して……?
エリート商社マンに溺愛される初心な大学生の物語。
急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。
石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。
雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。
一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。
ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。
その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。
愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(10/21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
※4月18日、完結しました。ありがとうございました。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(要らない悪役令嬢1巻重版)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位

【完結】元ヤクザの俺が推しの家政夫になってしまった件
深淵歩く猫
BL
元ヤクザの黛 慎矢(まゆずみ しんや)はハウスキーパーとして働く36歳。
ある日黛が務める家政婦事務所に、とある芸能事務所から依頼が来たのだが――
その内容がとても信じられないもので…
bloveさんにも投稿しております。
完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる