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夏祭りの思い出

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「気持ちいい……。柚希の中、ぬるぬるって、熱い」
「やあ、んっ!」

 湯船についた柚希の手の上から指を絡めて重ねて腰を打ち付けていくと、肉が当たる破裂音と柚希の切れ切れの嬌声が風呂場に反響し、蒸気に交じった芳香が悦楽どんどん高め、さながらシンフォニーのように盛り上がっていく。

「柚希、好きだ。愛してるっ!」
「んっ、んっ……ああっ」

 何度も告げた言葉だが、少しだけ日に焼けた首筋にむしゃぶりつきながら囁けば、返事をするように柚希の奥がきゅんっと吸いついてくる。しかし柚希自身は声を上げて髪を振り乱し、たまに行き過ぎた愉悦に腰が逃げを打つのを和哉は筋肉が適度についた長い腕で引き寄せ逃がさずわざと柚希が泣くほどに感じる場所を立て続けに擦り上げた。

「ひああっ!」
「柚希、僕だけを見て、僕だけを感じて」

 あんなに労わり愛し、大切に優しさばかりを捧げたい相手だというのに、どうして全てを食らいつくして飲み込み腹に収めてしまいたくなるほどの激情に駆られてしまうのか。自らのα性に呑まれることを良しとしないくせに、本能のままに柚希を求めることで脳が痺れるほどの愉悦に浸ってしまう。

 結婚して何年もたつのにこんな風に独占欲をぶつけてしまうのはいかがなものかと正気の頭なら思うのに、他のものにも慈愛に満ちた眼差しを向ける柚希の全意識を自分だけ欲しくてたまらない。
 和哉は時に苦し気なほど身を震わせる柚希に向かい、ただ我儘にがつ、がつと自らの欲望を穿ち続ける。

「あ、あっ!!」
「柚希、僕だけを、愛して」

 もう柚希が半分意識が飛び始めていると分かっているからこそ、日頃は胸の奥にしまっているが二人きりの時間にはもう柚希は自分だけのものだという狼の本音が飛び出してしまう。

「ひうっ!」

 ぐりぐりっと感じ過ぎて泣きを入れて善がる柚希の奥の壁を目掛けて強く腰を押し当てたら、中が強く収縮して柚希はびくびくっと身体を痙攣させると、声もなく湯船に向かい身体を崩れさせた。和哉は柚希の顔を護ってぐいっと上半身を持ち上げが、灼熱の杭を抜くことはない。というよりもα男性特有の亀頭球が柚希の中で膨らみ抜けないのだ。

 和哉はフーフーと荒く獣のように息を吐いてから柚希を抱えて振り返り、湯船の縁に一旦腰を下ろした。意識が朦朧とした柚希は水滴を伝わせ鶴首をしおれた花のようにくたりと落としているのが可哀想だがぞくっとするほど色っぽい。鋼の筋肉が落ちてからはなお長くすらりと美しい脚を和哉の腰を跨ぐようにいやらしい形で開かせ、胸を抱えて自らにももたれかからせた。

「柚希の中、絡みついて俺を愛撫してくれてる。きもちいいよ?」
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