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小話や設定作品の色々など
番外編 パヒューム・ディライト 3
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薔薇はよい香りがするというのは周知の事実。柚希だって知っている。
だけど午前中までの咲きたての薔薇ががこんなにも馥郁とした香りを放つととは実際に経験するまでは知らなかった。
「あっちもこっちも、すごくいい匂いがする!」
蒼天は煌めき、周囲は美しい薔薇、立ち上る香気に、子供の頃多忙な母との時間が取れず叶いにくかった、家族でのお出かけ。
柚希は自分でも思っている以上に、テンションが上がってしまった。
蕾が目立つ深い赤や群れて咲く紫がかったピンクの真ん丸の花、ぽつんと咲く小さな赤い花は牡丹の花の様に華やかだ。同じ薔薇でも形も色も大きさも少しずつ違う。
柚希はくるくるっとその場で振り返って香りのする方を探したが、手を繋いだままの和哉も兄の周りをくるくると回ることになってしまった。
「あはは」
それが面白くなって、わざとふざけてさらにぐるぐるっとまわると、芳香が強く漂う方角がなんとなく分かった。
周りの大人たちも微笑ましげな目線を送るし、小さな子供たちはそれを見て真似したくなったのか、自分たちもその場で回り始めた。
その様がコミカルだったのかようやく和哉が微笑んだ。柚希は調子に乗って腕をわざと高く伸ばした。
「えいっ!」
悪乗りした柚希は和哉がややつま先立ちになるとみると、和哉を女性側のダンサーに見立ててその場で掲げた手先くるっと回す。
運動神経のいい和哉はよろけることもなく、柚希の意図を察したようにバレエダンサー顔負けのターンをして優雅にぴたりと止まった。
小さな子供からぱちぱちと拍手が起こる。和哉はあきれたように柚希を見上げてきたが、怒ってはいなさそうだ。
「柚くん、目が回っちゃうよ。周りに小さい子もいるから危ないだろ」
これではどちらが年上か分からない。和哉に涼やかな声で窘められたが、普段は部活で発散している分、休みの今日は力が有り余っているのだ。
「だって身体動かさないと調子でないんだよ。ボール持ってきたらあっちの芝生で敦哉さんとパス練習できたのに」
「薔薇園でできるわけないだろ? それにパス連だったら僕がするよ」
「あ、ごめん。ごめん。いつも忙しい敦哉さんと和くんとの時間とっちゃだめだよな」
「……そんなこと一言も言ってないだろ。鈍感」
ぼそっと小さくつぶやいた和哉の声は柚希には再び周りの薔薇をくんくんと嗅ぎまわり始めた柚希には届いていない。
「なにしてるの?」
「だって、こっちの方からいい匂いがするから、どの薔薇の香りなのかなって思ったんだよ。その赤い薔薇じゃないかな?」
振り返って和哉を見たら、周りの人々が彼に注目している視線に気が付いた。
和哉は普通にしていても目を引く少年だ。それが兄ではなさそうな少年と手を繋いでいるのだから、余計に目立ってしまうのだろう。
柚希は恥ずかしくて好奇の視線から目を反らしたが、ようやく機嫌がよくなってきた和哉の手を振りほどくことは、今ではいけない気がした。
それに中学生は友人との距離感が近いのは割と普通で、肩を抱いたりわざと教室で膝の上に座ったりとじゃれあいはよくあることだ。
(でも、和くんと手を繋ぐと、たまにドキドキするんだよね。やっぱり大分見慣れたなあって思った次の瞬間には『うお、こいつカッコいい』って表情するからだよな。同じ部活の奴らにやられても何とも思わんもん。きっと)
「確かにいい香り。どれだろうね?」
ちょうど和哉が大輪の赤薔薇に上品な形の鼻先を近づけて、そっとその香りをうかがおうとしているところが目に入った。
大人びた表情とまだあどけない滑らかな頬の線がアンバランスで、それが独特の色香を放っている。
(ほらほら、これこれ。これだよ。俺だけじゃない。みんな見てる。似合いすぎる。あ……、写真)
柚希は本当にポケットからスマホを取り出してパシャパシャパシャと顎や鼻梁の線が秀逸な横顔と和哉の頭半分ぐらいある大きな薔薇を写し取った。
撮っている最中に和哉がこちらを向いて小さく睨みつけてきた顔までばっちり映って、柚希はおどけて『盛れてるぞ』と笑う。
「おい! 隠し撮りやめてよね」
「隠し撮りじゃないよ。その薔薇和哉に似合うって思ったんだよ」
「僕に? 薔薇が? さっきから柚くん、僕のクラスの女子みたいなこといってる」
「みんな和くんのことイケメンって思ってるからだろ。ほら、みなよ。空に向かってぐんぐん葉っぱと茎伸ばしてて、赤くてなんか王様の薔薇みたいにカッコいいだろ?」
そうやって伸びている茎はシュートといって伸び盛りの若枝の事だ。
「花じゃなくて、枝? 柚くんって発想がたまにおかしい」
「自分で自分がカッコいいって自覚してるもんな。和くんは。薔薇だよね。うん。花の方であってるよ。薔薇もかすむイケメンだ」
「柚くん、怒るよ」
呆れたといった声を上げ、和哉が薔薇から一歩離れる。自分の背丈より高く、青空に向かい突き上げた剣のような枝葉を見上げてると、色素の薄い琥珀色の目を眩し気に細めた。
「そうか? 俺ここ来る前に少し勉強したんだ。こういう若い枝には次のシーズンに花が咲くんだって」
「柚くん、詳しいんだ?」
「前の母さんが好きだった花だから、俺等も好きになりたいんだ。どんどん伸びてて、でかくなってく。カッコいいだろ? 和くんみたいだ」
家族になるたちの、大切だった人の事を学びたいと思った。
敦哉と和哉がなにかしらの覚悟をもって、自分たちをここに連れ来てくれたこと。何かしらの覚悟があったと柚希にも察するものがあったから、柚希も素直に知りたいと思った。
(パパメイデンという名前の薔薇です。殿堂入り薔薇の一つ。昨日薔薇園で撮ってきました💛)
「かっこいいって……。柚くん、本当に僕の事そう思ってる? いつも可愛い可愛いって、言ってくるじゃん」
「可愛いのは本当だろ。でもいつも思ってるよ。俺の弟になる和哉は、しっかり者で、俺の事大好きって言ってくれて、すっげぇカッコいいんだぞって周りにもいってるよ」
照れ隠しににかっと笑って、繋いでいた手を放して髪がくしゃくしゃになるまで頭を撫ぜ回した。するとまたまた和哉はつんっと唇をつぐむと、またむくれてしまった。
(ええ? 何がまずかった?)
一瞬前の自分の言動を思い出し、柚希は頭を抱えた。
(薔薇と写真撮ったから? ぐるぐる回ったから? まさか『弟になる』のがだったのか……。どうしよう。せっかくもうすぐみんなで暮らすのに俺と和哉が気まずくなったら母さんたちまでギクシャクしちゃうよ)
だけど午前中までの咲きたての薔薇ががこんなにも馥郁とした香りを放つととは実際に経験するまでは知らなかった。
「あっちもこっちも、すごくいい匂いがする!」
蒼天は煌めき、周囲は美しい薔薇、立ち上る香気に、子供の頃多忙な母との時間が取れず叶いにくかった、家族でのお出かけ。
柚希は自分でも思っている以上に、テンションが上がってしまった。
蕾が目立つ深い赤や群れて咲く紫がかったピンクの真ん丸の花、ぽつんと咲く小さな赤い花は牡丹の花の様に華やかだ。同じ薔薇でも形も色も大きさも少しずつ違う。
柚希はくるくるっとその場で振り返って香りのする方を探したが、手を繋いだままの和哉も兄の周りをくるくると回ることになってしまった。
「あはは」
それが面白くなって、わざとふざけてさらにぐるぐるっとまわると、芳香が強く漂う方角がなんとなく分かった。
周りの大人たちも微笑ましげな目線を送るし、小さな子供たちはそれを見て真似したくなったのか、自分たちもその場で回り始めた。
その様がコミカルだったのかようやく和哉が微笑んだ。柚希は調子に乗って腕をわざと高く伸ばした。
「えいっ!」
悪乗りした柚希は和哉がややつま先立ちになるとみると、和哉を女性側のダンサーに見立ててその場で掲げた手先くるっと回す。
運動神経のいい和哉はよろけることもなく、柚希の意図を察したようにバレエダンサー顔負けのターンをして優雅にぴたりと止まった。
小さな子供からぱちぱちと拍手が起こる。和哉はあきれたように柚希を見上げてきたが、怒ってはいなさそうだ。
「柚くん、目が回っちゃうよ。周りに小さい子もいるから危ないだろ」
これではどちらが年上か分からない。和哉に涼やかな声で窘められたが、普段は部活で発散している分、休みの今日は力が有り余っているのだ。
「だって身体動かさないと調子でないんだよ。ボール持ってきたらあっちの芝生で敦哉さんとパス練習できたのに」
「薔薇園でできるわけないだろ? それにパス連だったら僕がするよ」
「あ、ごめん。ごめん。いつも忙しい敦哉さんと和くんとの時間とっちゃだめだよな」
「……そんなこと一言も言ってないだろ。鈍感」
ぼそっと小さくつぶやいた和哉の声は柚希には再び周りの薔薇をくんくんと嗅ぎまわり始めた柚希には届いていない。
「なにしてるの?」
「だって、こっちの方からいい匂いがするから、どの薔薇の香りなのかなって思ったんだよ。その赤い薔薇じゃないかな?」
振り返って和哉を見たら、周りの人々が彼に注目している視線に気が付いた。
和哉は普通にしていても目を引く少年だ。それが兄ではなさそうな少年と手を繋いでいるのだから、余計に目立ってしまうのだろう。
柚希は恥ずかしくて好奇の視線から目を反らしたが、ようやく機嫌がよくなってきた和哉の手を振りほどくことは、今ではいけない気がした。
それに中学生は友人との距離感が近いのは割と普通で、肩を抱いたりわざと教室で膝の上に座ったりとじゃれあいはよくあることだ。
(でも、和くんと手を繋ぐと、たまにドキドキするんだよね。やっぱり大分見慣れたなあって思った次の瞬間には『うお、こいつカッコいい』って表情するからだよな。同じ部活の奴らにやられても何とも思わんもん。きっと)
「確かにいい香り。どれだろうね?」
ちょうど和哉が大輪の赤薔薇に上品な形の鼻先を近づけて、そっとその香りをうかがおうとしているところが目に入った。
大人びた表情とまだあどけない滑らかな頬の線がアンバランスで、それが独特の色香を放っている。
(ほらほら、これこれ。これだよ。俺だけじゃない。みんな見てる。似合いすぎる。あ……、写真)
柚希は本当にポケットからスマホを取り出してパシャパシャパシャと顎や鼻梁の線が秀逸な横顔と和哉の頭半分ぐらいある大きな薔薇を写し取った。
撮っている最中に和哉がこちらを向いて小さく睨みつけてきた顔までばっちり映って、柚希はおどけて『盛れてるぞ』と笑う。
「おい! 隠し撮りやめてよね」
「隠し撮りじゃないよ。その薔薇和哉に似合うって思ったんだよ」
「僕に? 薔薇が? さっきから柚くん、僕のクラスの女子みたいなこといってる」
「みんな和くんのことイケメンって思ってるからだろ。ほら、みなよ。空に向かってぐんぐん葉っぱと茎伸ばしてて、赤くてなんか王様の薔薇みたいにカッコいいだろ?」
そうやって伸びている茎はシュートといって伸び盛りの若枝の事だ。
「花じゃなくて、枝? 柚くんって発想がたまにおかしい」
「自分で自分がカッコいいって自覚してるもんな。和くんは。薔薇だよね。うん。花の方であってるよ。薔薇もかすむイケメンだ」
「柚くん、怒るよ」
呆れたといった声を上げ、和哉が薔薇から一歩離れる。自分の背丈より高く、青空に向かい突き上げた剣のような枝葉を見上げてると、色素の薄い琥珀色の目を眩し気に細めた。
「そうか? 俺ここ来る前に少し勉強したんだ。こういう若い枝には次のシーズンに花が咲くんだって」
「柚くん、詳しいんだ?」
「前の母さんが好きだった花だから、俺等も好きになりたいんだ。どんどん伸びてて、でかくなってく。カッコいいだろ? 和くんみたいだ」
家族になるたちの、大切だった人の事を学びたいと思った。
敦哉と和哉がなにかしらの覚悟をもって、自分たちをここに連れ来てくれたこと。何かしらの覚悟があったと柚希にも察するものがあったから、柚希も素直に知りたいと思った。
(パパメイデンという名前の薔薇です。殿堂入り薔薇の一つ。昨日薔薇園で撮ってきました💛)
「かっこいいって……。柚くん、本当に僕の事そう思ってる? いつも可愛い可愛いって、言ってくるじゃん」
「可愛いのは本当だろ。でもいつも思ってるよ。俺の弟になる和哉は、しっかり者で、俺の事大好きって言ってくれて、すっげぇカッコいいんだぞって周りにもいってるよ」
照れ隠しににかっと笑って、繋いでいた手を放して髪がくしゃくしゃになるまで頭を撫ぜ回した。するとまたまた和哉はつんっと唇をつぐむと、またむくれてしまった。
(ええ? 何がまずかった?)
一瞬前の自分の言動を思い出し、柚希は頭を抱えた。
(薔薇と写真撮ったから? ぐるぐる回ったから? まさか『弟になる』のがだったのか……。どうしよう。せっかくもうすぐみんなで暮らすのに俺と和哉が気まずくなったら母さんたちまでギクシャクしちゃうよ)
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