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第二部 ありがとう、おめでとう よろしくね
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「お前が極悪人なら、俺だってそうだ。……俺さ、晶にもう一度気持ちを確かめられたんだ。晶は、俺のこと、初恋だったって。βの頃からずっと好きだったって」
「……」
素直な和哉は再び柚希の身体を抱き込んで離すまいとする仕草を見せたから、柚希は押し付けられた胸からごそごそと顔を仰のかせ、和哉を上目遣いに見上げる。
「だけど、俺。ちゃんと晶に言ったから。『これからの人生、離れずに共に過ごしたいのは和哉だ』そう、ちゃんといったから……。あいつ余計に傷つくだろうと思ったけど、きちんと言った方が、いいだろ? ……だから、うわっ」
和哉が突然柚希の身体をひっくり返すと、下敷きになった飼い主にのしかかる大型犬のように押し倒してた。そして熱烈に柚希に口づけてきた。
「嬉しい……。兄さん……。柚希」
興奮する弟を尻目にされるがまま口づけを受けていた柚希は、逞しい弟の腕に再びぬいぐるみのように抱きしめられて二人そろって布団に寝転がった。
互いの体温ですっかり温まった布団の中。ほっとしたのか再び眠気が襲ってきて、長い睫毛を伏せるといつも通り弟に甘え口調で命令した。
「……6時には家出るから……。あと一時間したら起こして」
「分かったよ。ちゃんと送っていくから」
「……晶には、時計返すから」
「わかったよ」
「……」
すうっと、寝つきのいい柚希は再び夢の中へ。
和哉はすっかり目が覚めてしまって、それでも離れがたく口づけの間、柚希が必死に握りしめた和哉のパジャマの襟元のボタンが外れたのを、満ち足りた気持ちで触れて、柚希の隣に添い寝をすると乱れた黒髪をいつまでも撫ぜていた。
「……」
素直な和哉は再び柚希の身体を抱き込んで離すまいとする仕草を見せたから、柚希は押し付けられた胸からごそごそと顔を仰のかせ、和哉を上目遣いに見上げる。
「だけど、俺。ちゃんと晶に言ったから。『これからの人生、離れずに共に過ごしたいのは和哉だ』そう、ちゃんといったから……。あいつ余計に傷つくだろうと思ったけど、きちんと言った方が、いいだろ? ……だから、うわっ」
和哉が突然柚希の身体をひっくり返すと、下敷きになった飼い主にのしかかる大型犬のように押し倒してた。そして熱烈に柚希に口づけてきた。
「嬉しい……。兄さん……。柚希」
興奮する弟を尻目にされるがまま口づけを受けていた柚希は、逞しい弟の腕に再びぬいぐるみのように抱きしめられて二人そろって布団に寝転がった。
互いの体温ですっかり温まった布団の中。ほっとしたのか再び眠気が襲ってきて、長い睫毛を伏せるといつも通り弟に甘え口調で命令した。
「……6時には家出るから……。あと一時間したら起こして」
「分かったよ。ちゃんと送っていくから」
「……晶には、時計返すから」
「わかったよ」
「……」
すうっと、寝つきのいい柚希は再び夢の中へ。
和哉はすっかり目が覚めてしまって、それでも離れがたく口づけの間、柚希が必死に握りしめた和哉のパジャマの襟元のボタンが外れたのを、満ち足りた気持ちで触れて、柚希の隣に添い寝をすると乱れた黒髪をいつまでも撫ぜていた。
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