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第二部 ありがとう、おめでとう よろしくね

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  胸の飾りを舌で捏ねるように舐られたら、中心がいとも簡単にふるっと立ち上がる。

「ああ……」

 肌を合わせる時にこんなところ舐めても……。とはじめは思っていたのに、熱い舌先で触れられると女の子みたいにひっきりなしに声を漏らしてしまうのだ。

 男だから仕方ない。
 男なのにしょうがない。

 今舌先でぐりぐりと刺激を受けている場所と、まるで関係のない部分なのに、和哉に渡された小さな下着を押し上げ苦しいほどに勃ちあがるソレと、お腹の奥の切ない疼き。
 どちらも併せ持つ自分の感じやすい身体が柚希は恥ずかしくてたまらない。

「んん。ハァ……」
 
 唇を噛みしめて声を飲み込もうとしても、じゅ、じゅっと音を立てて吸いつかれるとたまらず零れてしまう。
 気持ちが向いている時は一身に胸に顔を埋めてくる和哉が幼子の様で可愛いとすら思うことすらあって、髪を撫ぜたり耳を悪戯したりと返す余裕すらあったが、今はただ腕を柔らかな……。多分フェイスタオルで戒められてしつこく与えられる愛撫に身を委ねきれずに時折震えるだけだった。
 和哉が顔を僅かに離して漏らす熱い吐息にすら胸の先がじんっと刺激されて、どうにかなってしまいそうだ。

「……兄さんは最初からどこもかしこも感じやすかったよね。眠っている時にね? キスしたり、肌に触れただけでも腰をいじいじ動かして……。可愛かったなあ。気持ちよさそうな声を出してさ」
「な……なにいって?」

 やっと柚希が反応を見せ応じたので、和哉を貪っていたからだから身を起こした。
 柚希が瞳を潤ませ和哉を怯えを交えた顔で見上げてきたから、和哉はうっそりと一度微笑んだ。

「気づいてなかったの? 僕、まだΩになる前の兄さんの部屋に忍び込んで……。ちょっとエッチなことしてたんだよ?」
「え……。うそっ?」

 ちょっと考えてもそんなこと覚えがなかったが、和哉がわざわざ嘘をつくはずもない。

「こんなふうにね?」

 上を向いた拍子に半ば開いていた無防備な唇に長く分厚い舌を差し入れられて、縮こまった舌を絡められる。その間にも裸の胸を掌でまさぐられて、これがその夜の再現だとしたら、かなり淫靡なやり取りを高校生の弟に施されていたことになる。まだあどけなさが残っていたあの頃の和哉の顔を思い浮かべたら、顔がたちどころに真っ赤に火照ってしまう。

(一緒に暮らしてた頃……? 俺がΩになる前? いつ?)

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