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第二部 ありがとう、おめでとう よろしくね
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「何がいいかな……。クリスマスっぽい奴?」
「クリスマスっぽい奴じゃなくてもいいけど……」
柚希はボディーバッグをいつも通り寝室の隣のラックに片付けにいって、ついでに紙袋もその横に置いた。
そのままリビングダイニングに戻って、クリスマスソングを鼻歌交じりで歌う和哉を見ながらさっそくスープを温めているのを尻目に、柚希は飲み物の用意をしようと父の敦哉が前に持たせてくれたとっておきのシャンパンを運んできた。
「カズ、お酒飲むよね?」
「兄さん明日仕事でしょ? 大丈夫? すぐ眠くなるだろ。寝られちゃ困るんだけど?」
「困るかあ? じゃあ俺は先風呂入っておこうかな。これ飲んだらもう眠くなっちゃうかもしれないけど……。まだ8時だし、夜中までには酔いも醒めると思うけど」
「風呂入ってきていいよ。沸かしてあるから。でも、その言葉忘れないでよね? いいかい? 今日はクリスマスイブなんだよ」
「うん、だな」
ケーキを一度冷蔵庫に入れるために中をごぞごそ整理していた柚希がこともなげに合図づちを打つから、和哉ははあっと大きなため息をついた。
「……分かってないよね? 兄さんクリスマスイブに恋人と外泊まではしたことないものね?」
焦げ付かないように湯気の立つ赤い鍋をお玉でくるくる回しながら、器用に柚希の方を振り返って和哉は、人が悪そうな顔でにやにやと揶揄ってくる。
(え? 外泊って……、あ。そういうことか)
暗に夜のことを仄めかされて、相手が長年可愛がってきた弟であることになんとなく照れてしまう。番になった二人だけれど、柚希の中ではまだまだ和哉は恋人兼、可愛い可愛い弟という意識が抜けない。勿論弟とどうにかなってしまうとかそういうのはちょっと禁断すぎて考えてはいけない感じがするけれど柚希の意識の中ではどっちも両立してしまっているのだから仕方ない。
(ああ……。なんか意識すると恥ずかしいって思ってる自分がハズイ)
「クリスマスっぽい奴じゃなくてもいいけど……」
柚希はボディーバッグをいつも通り寝室の隣のラックに片付けにいって、ついでに紙袋もその横に置いた。
そのままリビングダイニングに戻って、クリスマスソングを鼻歌交じりで歌う和哉を見ながらさっそくスープを温めているのを尻目に、柚希は飲み物の用意をしようと父の敦哉が前に持たせてくれたとっておきのシャンパンを運んできた。
「カズ、お酒飲むよね?」
「兄さん明日仕事でしょ? 大丈夫? すぐ眠くなるだろ。寝られちゃ困るんだけど?」
「困るかあ? じゃあ俺は先風呂入っておこうかな。これ飲んだらもう眠くなっちゃうかもしれないけど……。まだ8時だし、夜中までには酔いも醒めると思うけど」
「風呂入ってきていいよ。沸かしてあるから。でも、その言葉忘れないでよね? いいかい? 今日はクリスマスイブなんだよ」
「うん、だな」
ケーキを一度冷蔵庫に入れるために中をごぞごそ整理していた柚希がこともなげに合図づちを打つから、和哉ははあっと大きなため息をついた。
「……分かってないよね? 兄さんクリスマスイブに恋人と外泊まではしたことないものね?」
焦げ付かないように湯気の立つ赤い鍋をお玉でくるくる回しながら、器用に柚希の方を振り返って和哉は、人が悪そうな顔でにやにやと揶揄ってくる。
(え? 外泊って……、あ。そういうことか)
暗に夜のことを仄めかされて、相手が長年可愛がってきた弟であることになんとなく照れてしまう。番になった二人だけれど、柚希の中ではまだまだ和哉は恋人兼、可愛い可愛い弟という意識が抜けない。勿論弟とどうにかなってしまうとかそういうのはちょっと禁断すぎて考えてはいけない感じがするけれど柚希の意識の中ではどっちも両立してしまっているのだから仕方ない。
(ああ……。なんか意識すると恥ずかしいって思ってる自分がハズイ)
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