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第二部 ありがとう、おめでとう よろしくね
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和哉は口づけを深めたまま、おざなりにしかしやや嗜虐的なほど強めに柚希の足の間の高まりを摺り上げたが、くぐもった声を上げる柚希から唇を離すと少し呻いて我が身を兄から引きはがした。
「はあ、はあ、はあっ」
濡れた赤い唇をだらしなく開き、乱れた吐息を漏らしながら、じんじんと股間を腫らしたまま、柚希は欲情し潤んだ瞳でシートベルトを締めもはや前を向いた和哉を小さく睨みつけた。
(こんな……。中途半端で……)
まだ互いに乱れた呼吸をいなせていないのに、和哉はエンジンをかけた。
柚希は和哉に振り払われ足元に落ちてしまったバッグと紙袋を拾う気力もなく、のろのろとシートベルトだけは締めようとしたら、長い腕が横から伸びてきてカチャッとバックルをかしめてくれた。
「……柚希、あんまり、煽んないでよ? そんな色っぽい顔で見られたら……。止められなくなるだろ?」
「うっ……」
柚希から求められたことで僅かに機嫌が上向いたのか、和哉に優しい声を出されたから、安堵感から余計に涙腺が緩んでしまった。それを和哉がシートベルトを限界まで引き延ばして身を乗り出し口づけで拭ってくれる。頭の中では狼が番の鼻先にすりよっているようなそんな映像が浮かんでしまった。
「泣かないで」
低いが聞き取りやすく甘くもある声色で囁かれると、兆した場所でなく、お腹の奥の方がぎゅんっとなる。ここはΩになってからは柚希が無視し続けた、しかし大切な場所。
和哉と番になってからは、彼に焦がれるたびに切なく疼くそこを受け入れようと思った場所。
(いい年した男がさ、大学生に翻弄されて、そんで慰められて……)
それでも和哉の熱を帯びた瞳が柚希だけを見つめてくると、その輝きに惹きつけら息することすら忘れそうだ。
「柚希、意地悪な態度をとって、ごめんね。さっき……どうしても自分を抑えられなかった。先輩の横にいる兄さんの姿が見えたら……。堪らなくなって、二人に嫉妬してた……。でももうこれは僕の、癖みたいなものだね。柚希はもう僕の番なんだから、もっと鷹揚に構えないといけないのに」
「はあ、はあ、はあっ」
濡れた赤い唇をだらしなく開き、乱れた吐息を漏らしながら、じんじんと股間を腫らしたまま、柚希は欲情し潤んだ瞳でシートベルトを締めもはや前を向いた和哉を小さく睨みつけた。
(こんな……。中途半端で……)
まだ互いに乱れた呼吸をいなせていないのに、和哉はエンジンをかけた。
柚希は和哉に振り払われ足元に落ちてしまったバッグと紙袋を拾う気力もなく、のろのろとシートベルトだけは締めようとしたら、長い腕が横から伸びてきてカチャッとバックルをかしめてくれた。
「……柚希、あんまり、煽んないでよ? そんな色っぽい顔で見られたら……。止められなくなるだろ?」
「うっ……」
柚希から求められたことで僅かに機嫌が上向いたのか、和哉に優しい声を出されたから、安堵感から余計に涙腺が緩んでしまった。それを和哉がシートベルトを限界まで引き延ばして身を乗り出し口づけで拭ってくれる。頭の中では狼が番の鼻先にすりよっているようなそんな映像が浮かんでしまった。
「泣かないで」
低いが聞き取りやすく甘くもある声色で囁かれると、兆した場所でなく、お腹の奥の方がぎゅんっとなる。ここはΩになってからは柚希が無視し続けた、しかし大切な場所。
和哉と番になってからは、彼に焦がれるたびに切なく疼くそこを受け入れようと思った場所。
(いい年した男がさ、大学生に翻弄されて、そんで慰められて……)
それでも和哉の熱を帯びた瞳が柚希だけを見つめてくると、その輝きに惹きつけら息することすら忘れそうだ。
「柚希、意地悪な態度をとって、ごめんね。さっき……どうしても自分を抑えられなかった。先輩の横にいる兄さんの姿が見えたら……。堪らなくなって、二人に嫉妬してた……。でももうこれは僕の、癖みたいなものだね。柚希はもう僕の番なんだから、もっと鷹揚に構えないといけないのに」
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