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第二部 ありがとう、おめでとう よろしくね
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☆最新しおりのみなさま、申し訳ないです!!! 先に18を公開してしまっておりました!!!
ご迷惑おかけしてすみません。ドジな私をお許しください。
11/7今朝、16.17を慌てて更新させていただきました。
晶襲来までの様子をもう一度ご覧くださいませ~ 読んだよと一言感想とかぽちっとエールとかいただけると
とってもとってもありがたいです💛 よろしくお願いいたします。
柚希は一階の店舗に向かうが雑居ビルの中の古めかしいエレベーターを使わず、気持ちを落ち着けるためにわざと一段一段踏みしめるように降りた。
しかし(落ち着いて……。冷静に)などと考えれば考えるほどに吐き出す息すら乱れ、頭の中は彼が何のために今日この日にやってきたのかと疑問で一杯になる。その揺らぐ思考に押されてまた胸がきゅっと締め付けられたように苦しい。
店舗はもう閉店作業を行い始めたぎりぎりの時間で、期間限定商品のイラストが描かれた看板が引っ込められて、ショーケースのドーナツも二階にあげられた後だった。
「あ、一ノ瀬さんお疲れ様です~ お客様きてますよ」
のんびりした声をかけられて、今日は販売担当のアルバイトの学生がたまたま先月入ったばかりの人で晶のことを知らぬからこそ、これほどにこやかに取り次いでくれたと想像がついた。
「久しぶりだな? 元気だったか?」
(晶の声。すごく久しぶりに聞いた気がする……)
今すぐに名前は思い出せないけれど、昔見たドラマに出ていた俳優と似た深みのある低い声は穏やかさの中に静かな説得力が籠る。男として羨ましいと憧れた。相変わらず存在感が抜群のがっしりしつつも均整の取れた体格に凛々しい顔つきで、濃紺のチェスターコートを隙なく着込み黒い革の手袋に鞄と紙袋を一つ携えている。
付き合っていた時は敢えて柚希に昔と変わらぬ飾らぬ素顔を見せていたのかもしれぬが、今はやや険しい顔をして商店街を行きかう普通の人々を背に、ある意味雑踏に溶け込めぬα男性らしい非凡なオーラを醸して佇んでいた。
(何しに来たの? 何の用? 急にどうしたの? )
晶の方から声をかけられても、沢山の言葉が頭に次々と浮かんでいくが、なんと応えればよいのか分からなくてただ柚希は小さく会釈をする。
「柚希少し、いいか?」
「……うん」
迷った末頷いたのは今朝の浮かんだ晶に抱いていた未だ拭えぬ複雑な気持ちと贖罪からなのか。
(話をするくらいなら)
和哉が到着するまでの僅かな間ならばと、その時はそんな風に簡単に思ってしまったのだ。
ご迷惑おかけしてすみません。ドジな私をお許しください。
11/7今朝、16.17を慌てて更新させていただきました。
晶襲来までの様子をもう一度ご覧くださいませ~ 読んだよと一言感想とかぽちっとエールとかいただけると
とってもとってもありがたいです💛 よろしくお願いいたします。
柚希は一階の店舗に向かうが雑居ビルの中の古めかしいエレベーターを使わず、気持ちを落ち着けるためにわざと一段一段踏みしめるように降りた。
しかし(落ち着いて……。冷静に)などと考えれば考えるほどに吐き出す息すら乱れ、頭の中は彼が何のために今日この日にやってきたのかと疑問で一杯になる。その揺らぐ思考に押されてまた胸がきゅっと締め付けられたように苦しい。
店舗はもう閉店作業を行い始めたぎりぎりの時間で、期間限定商品のイラストが描かれた看板が引っ込められて、ショーケースのドーナツも二階にあげられた後だった。
「あ、一ノ瀬さんお疲れ様です~ お客様きてますよ」
のんびりした声をかけられて、今日は販売担当のアルバイトの学生がたまたま先月入ったばかりの人で晶のことを知らぬからこそ、これほどにこやかに取り次いでくれたと想像がついた。
「久しぶりだな? 元気だったか?」
(晶の声。すごく久しぶりに聞いた気がする……)
今すぐに名前は思い出せないけれど、昔見たドラマに出ていた俳優と似た深みのある低い声は穏やかさの中に静かな説得力が籠る。男として羨ましいと憧れた。相変わらず存在感が抜群のがっしりしつつも均整の取れた体格に凛々しい顔つきで、濃紺のチェスターコートを隙なく着込み黒い革の手袋に鞄と紙袋を一つ携えている。
付き合っていた時は敢えて柚希に昔と変わらぬ飾らぬ素顔を見せていたのかもしれぬが、今はやや険しい顔をして商店街を行きかう普通の人々を背に、ある意味雑踏に溶け込めぬα男性らしい非凡なオーラを醸して佇んでいた。
(何しに来たの? 何の用? 急にどうしたの? )
晶の方から声をかけられても、沢山の言葉が頭に次々と浮かんでいくが、なんと応えればよいのか分からなくてただ柚希は小さく会釈をする。
「柚希少し、いいか?」
「……うん」
迷った末頷いたのは今朝の浮かんだ晶に抱いていた未だ拭えぬ複雑な気持ちと贖罪からなのか。
(話をするくらいなら)
和哉が到着するまでの僅かな間ならばと、その時はそんな風に簡単に思ってしまったのだ。
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