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第二部 ありがとう、おめでとう よろしくね

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 それからも沢山のクリスマスが過ぎていった。
 柚希に兄弟としてささやかなプレゼントを渡せた年もあったが、和哉が高一の時にアルバイトをして買ったお揃いのペンダントのアクセサリーは、たまたま柚希に彼女ができて渡せずじまいになった。一昨年は柚希がΩ判定をされた直後だった。家を出て自活をすると宣言した柚希が何かに取り憑かれたかのように、クリスマスはおろか年末年始正月休みすら碌に家に帰ってこなかった。就職後の柚希は仕事柄年の瀬までバタバタしていて……。そんな感じで散々な思い出の方が多めだ。

(でも今年は……。初めて柚希と恋人同士になったクリスマスだ)

 そんな風に思うと気持ちが高ぶらざるを得ず、和哉は大人しく眠ろうとしていたのに布団に入ってきた柚希をが悪いとばかりに、いつもより手荒な愛撫を繰り返すと、おもむろに兄を軽々とうつぶせにする。

「かずぅ、急すぎる! こわい!」
 
 悲鳴とも嬌声ともとれる兄の声はすでに欲に濡れていた。

(兄さんはさ、自分じゃ気づいてないかもしれないけど、ちょっとM気あるんだよな。乱暴にすると、いつもよりすんげえ、しまる)

「柚希……。ここ気持ちいい?」

 腰をわざといやらしく突き出させた姿勢のままがつがつと後ろから突き上げれば、柚希は堪らずに上にずり上がって逃げようとするから和哉はその身体を押さえつけて白く引き締まった尻をぱんっと妖しく大きな音を立てて叩いた。

「痛い!!」
「ふふっ……。ごめん。色々思い出して、ちょっと妬いてた」
「なに? え……あああ」
 
 そのまま柚希が感じ過ぎて辛いと涙を零す奥までをずぶずぶと蹂躙していった。

「やあっ……。ふ、深い、駄目」
「柚希、ああ。気持ちいい……。こんなに奥で俺のさきっぽ、沢山ちゅってしてくるのに、柚希はやなの?」
「あした、ああ……仕事っ! だめ、だめ」
「そうだよね……。柚希感じ過ぎちゃうと、次の日も感覚なくなんなくて辛いって言ってたよね? アレ、最高にエロイ」
「し、知ってるなら、あああっ。やめ……。おかしくなるからあ」
「へえ? じゃあ今すぐ、僕で、おかしくなれよ。明日も一日中、僕のことばっか思い出して、早く僕のなしじゃいられなくなって」
 挿入の手を緩めず、木造のアパートに響き渡るであろう床すらミシミシというほど激しく突き上げて、普段は声を上げるのを抑えようと必死な柚希が、身も世もなく身悶える姿をみるのが最高に気持ちがいい。
 真っ白な身体が朱鷺の羽のようにふんわりと赤みを帯びて汗を滴らせ、喘ぎすぎて短い吐息しか吐けずに苦し気に涙を零す姿。

「柚希、最高。淫らでも、綺麗だね?」

 襟足をかきあげるようにして項を完全にさらすと、そこに噛みつきながら中に欲望の全てを注ぎ込んだ。
 ゴムすら外れかける程の激しさに、柚希はくうっと小さく啼いて布団に伏せると、そのまま瞑目して、やがて動くこともできずに眠りについていった。
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