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黒猫王子は狼騎士に溺愛される🎃(ハッピーハロウィン)
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南は初めて会ったころから柚希に興味津々な様子だった。だから和哉はあえて兄と直接かかわらないように間に入って邪魔をしまくったという身に覚えがある。
今更ながら申し訳なかったと思う和哉だが、南はそういった和哉の数々の牽制行為を柚希への深い愛情だと認識したようだ。だから互いにとって幸いだったと言えるだろう。
「結局一ノ瀬さんだって心の底ではこうなることを望んでいたんでしょ? じゃなきゃ一生涯縛られる番の契約をするはずないでしょう?」
そう真っすぐにいわれて、柚希の頬に傾く秋の日差しに光る、透明な雫が零れた。
驚く和哉と南の前で、柚希は耳が揺れるほど大きくこくんと素直に頷いた。
「そうです。俺は和哉の事、大好きだから番になったんです」
他人の前でこうもはっきりと柚希が自分の思いを打ち明けてくれたのは初めだ。和哉は思わず傍らの柚希をなんの手加減もせずに、力いっぱい抱きしめた。
「うわ、カズ、痛いよ」
「柚希、大好き。愛してる。僕の番になってくれて、ありがとう」
いちゃつく兄弟の様子を微笑ましそうに見つめながら、南は再びシャッターを切る。
「だからさ、まあ。誰にはばかることなく幸せになんなさいな。お似合いだよ。君ら。二人の結婚式のウェルカムボード、私が描いてあげるからね」
終
今更ながら申し訳なかったと思う和哉だが、南はそういった和哉の数々の牽制行為を柚希への深い愛情だと認識したようだ。だから互いにとって幸いだったと言えるだろう。
「結局一ノ瀬さんだって心の底ではこうなることを望んでいたんでしょ? じゃなきゃ一生涯縛られる番の契約をするはずないでしょう?」
そう真っすぐにいわれて、柚希の頬に傾く秋の日差しに光る、透明な雫が零れた。
驚く和哉と南の前で、柚希は耳が揺れるほど大きくこくんと素直に頷いた。
「そうです。俺は和哉の事、大好きだから番になったんです」
他人の前でこうもはっきりと柚希が自分の思いを打ち明けてくれたのは初めだ。和哉は思わず傍らの柚希をなんの手加減もせずに、力いっぱい抱きしめた。
「うわ、カズ、痛いよ」
「柚希、大好き。愛してる。僕の番になってくれて、ありがとう」
いちゃつく兄弟の様子を微笑ましそうに見つめながら、南は再びシャッターを切る。
「だからさ、まあ。誰にはばかることなく幸せになんなさいな。お似合いだよ。君ら。二人の結婚式のウェルカムボード、私が描いてあげるからね」
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