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黒猫王子は狼騎士に溺愛される🎃(ハッピーハロウィン)
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和哉も思わず火がついて止まれず、猫の尻尾をかき分け柚希の腰を抱えてぐっと引き寄せると、悪戯をするように、片手で柚希の胸を撫ぜ上げたあと、乳首の先をかりっと指で引っ掻く。
「ん、あんっ」
婀娜っぽい声を上げる唇を塞いでしまい、和哉が舌で煽るように柚希の歯列をなぞると、柚希はふるふるっと快感に身体を震わせ、一度顔を離す。
「狼の口付けはお気に召しましたか? 王子様」
「……ばか」
その半ば口を綻ばせ潤んだ瞳で和哉を誘惑する顔があまりにも艶美で、これまでも何度もそうされてきたように、また柚希に心を奪われた。
「綺麗だ」
「そっちこそ。俺を喰い殺しそうな顔がすげぇ、くる」
柚希はあやまたず普段とは違い長いウィッグをつけた和哉の首に腕を回すと唇の端についた雫をぺろりと舐めまわした。さながら猫のようなしなやかな動きに和哉が息をのむ。今日は吊り上がり気味にアイラインを引かれた艶めかしい視線で見下ろしてくる。
柚希のあまりの色っぽさに充てられていたら、柚希が追い打ちをかけるように腰をくいっと押し付けてきた。互いの欲望がぐりっと触れ合う。
「狼騎士様、硬いものが当たりますけど?」
黒猫王子というより耳をくすぐる魔性めいた声色は美しい魔物のようだ。
「性悪猫っ!」
「どっちが性悪? 女の子を沢山たぶらかして」
やはり妬心からこんな風に柚希に求められるのかと思うと、何とも言えないほの昏い悦びに心が沸き立つ。
「……へえ? 柚希にもやっと僕の気持ちも分かった?」
「どういうこと?」
「本当に分からない? 僕はいつだって柚希に近づく奴は全員、消えてしまえって思ってたよ? 柚希は違う?」
「ん、あんっ」
婀娜っぽい声を上げる唇を塞いでしまい、和哉が舌で煽るように柚希の歯列をなぞると、柚希はふるふるっと快感に身体を震わせ、一度顔を離す。
「狼の口付けはお気に召しましたか? 王子様」
「……ばか」
その半ば口を綻ばせ潤んだ瞳で和哉を誘惑する顔があまりにも艶美で、これまでも何度もそうされてきたように、また柚希に心を奪われた。
「綺麗だ」
「そっちこそ。俺を喰い殺しそうな顔がすげぇ、くる」
柚希はあやまたず普段とは違い長いウィッグをつけた和哉の首に腕を回すと唇の端についた雫をぺろりと舐めまわした。さながら猫のようなしなやかな動きに和哉が息をのむ。今日は吊り上がり気味にアイラインを引かれた艶めかしい視線で見下ろしてくる。
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「狼騎士様、硬いものが当たりますけど?」
黒猫王子というより耳をくすぐる魔性めいた声色は美しい魔物のようだ。
「性悪猫っ!」
「どっちが性悪? 女の子を沢山たぶらかして」
やはり妬心からこんな風に柚希に求められるのかと思うと、何とも言えないほの昏い悦びに心が沸き立つ。
「……へえ? 柚希にもやっと僕の気持ちも分かった?」
「どういうこと?」
「本当に分からない? 僕はいつだって柚希に近づく奴は全員、消えてしまえって思ってたよ? 柚希は違う?」
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