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黒猫王子は狼騎士に溺愛される🎃(ハッピーハロウィン)
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「ところで狼騎士殿。これからどちらへ?」
とりあえず仕切りなおして、柚希も和哉の謎のキャラづくりに乗ることにしてみた。
「コンテストの舞台に立ち、商店街の人々を見守るという大事なお役目がございます。王子も後で私と一緒に向かうのですよ」
柚希がいつも通り腕に着けていたチープなプラスチックの時計をみると、あと30分程度で昨日の仮装行列の表彰式が始まるところだった。
「あ、はい。そうか。時間になったら我を連れてそちらに向かうが良い」
自分でもキャラづくりがよくわからず、柚希が思わずくすくす笑うと、和哉もすぐに目元を緩ませて男前な顔で頷いた。
「もちろんお連れします。貴方をお守りすることが、私の使命です」
そういって胸のあたりでこぶしを握り、芝居がかった仕草で礼の形をとる。また周囲から弾けるような歓声が上がった。
(なんだなんだ……、謎キャラが降臨してるぞ)
そんな和哉こと狼騎士の後ろには、色とりどりのドレスに身を包んだプリンセス軍団が大挙として並んでいた。
昨日の仮装行列に出ていたメンバーで、今日も仮装をしているということはきっとコンテストの入賞者ということだろう。
「王子様~ 騎士様~ 目線目線!」
女子高生と思わしきプリンセスたちが、きゃあきゃあ騒ぎながら二人の写真を撮ろうとスマホを振りかざしてくる。
子ども部門の他にある一般部門の仮装には中高生も仲間と連れだって、思い出作りのように仮装に参加してくるのだ。
この商店街は近隣の高校生の通学路のようなものなので、ここでアルバイトをしているこも多いから顔見知りもいる。
「カズさん。ねえってば。あっちのフォトコーナー行ってみんなで写真撮りましょう!」
わざわざ和哉をカズ呼びし、馴れ馴れしい感じで狼王子の腕にほっそりとした腕を絡めてきたのもそんな顔見知りの一人だ。
とりあえず仕切りなおして、柚希も和哉の謎のキャラづくりに乗ることにしてみた。
「コンテストの舞台に立ち、商店街の人々を見守るという大事なお役目がございます。王子も後で私と一緒に向かうのですよ」
柚希がいつも通り腕に着けていたチープなプラスチックの時計をみると、あと30分程度で昨日の仮装行列の表彰式が始まるところだった。
「あ、はい。そうか。時間になったら我を連れてそちらに向かうが良い」
自分でもキャラづくりがよくわからず、柚希が思わずくすくす笑うと、和哉もすぐに目元を緩ませて男前な顔で頷いた。
「もちろんお連れします。貴方をお守りすることが、私の使命です」
そういって胸のあたりでこぶしを握り、芝居がかった仕草で礼の形をとる。また周囲から弾けるような歓声が上がった。
(なんだなんだ……、謎キャラが降臨してるぞ)
そんな和哉こと狼騎士の後ろには、色とりどりのドレスに身を包んだプリンセス軍団が大挙として並んでいた。
昨日の仮装行列に出ていたメンバーで、今日も仮装をしているということはきっとコンテストの入賞者ということだろう。
「王子様~ 騎士様~ 目線目線!」
女子高生と思わしきプリンセスたちが、きゃあきゃあ騒ぎながら二人の写真を撮ろうとスマホを振りかざしてくる。
子ども部門の他にある一般部門の仮装には中高生も仲間と連れだって、思い出作りのように仮装に参加してくるのだ。
この商店街は近隣の高校生の通学路のようなものなので、ここでアルバイトをしているこも多いから顔見知りもいる。
「カズさん。ねえってば。あっちのフォトコーナー行ってみんなで写真撮りましょう!」
わざわざ和哉をカズ呼びし、馴れ馴れしい感じで狼王子の腕にほっそりとした腕を絡めてきたのもそんな顔見知りの一人だ。
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