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黒猫王子は狼騎士に溺愛される🎃(ハッピーハロウィン)
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若旦那は柚希がびっくりして取り落したお菓子を拾い上げ、籠の上にぽんぽんぽんと三つ載せつつ、割と間近で柚希に囁いてきた。
「一ノ瀬くん、今日の打ち上げの時、美味しい梅酒用意しておくからさ、俺に少し時間くれないかな?」
「え、あ、はい……」
生返事を返したのはいろんな意味で驚いてしまい、すぐには声が出せなかったからだ。若旦那はいつもの愛想の良いスマイルを見せて、これは脈ありといった感じににたりと笑い嬉しそうだ。
「じゃあ、後でね。それにしてもすごいな、君の家来くん。すごく目立ってるね。俺もああいう仮装したかったな。彼、普段もイケメンだけど、今日はオーラがすごい。後ろに女の子が列をなしてるよ」
みれば確かに男の後ろにはシャッターチャンスを狙っているのか、女性がぞろぞろと尾ひれの様にくっついてきている。
(本当に、すごい……、オーラかも)
この世のものとは思えない恰好をした美男子が、見慣れぬ青い瞳で柚希の方を『早くこっちに来い』とばかりに睨みつけてくる。
柚希が固まっている間に、若旦那はそのまま意気揚々と鼻歌交じりに自分の持ち場へ戻って行ってしまった。
(ああ、しまった。若旦那の誤解を解きたかったけど、今追いかけている場合じゃないし。まあいいか。どうせ打ち上げでみんなと喋っていればわかるだろうし)
柚希は引き寄せられるように受付の長机に戻ってお菓子の籠を置くと、見上げる長身の男に向かい合う。
「持ち場を離れてお喋りはいけませんよ。王子様」
柚希を窘めるように青い目がきらり、と光る。その眼差しにはあからさまな妬心も透かしみえて柚希はお腹の辺りがぞくっとしてしまう。
「一ノ瀬くん、今日の打ち上げの時、美味しい梅酒用意しておくからさ、俺に少し時間くれないかな?」
「え、あ、はい……」
生返事を返したのはいろんな意味で驚いてしまい、すぐには声が出せなかったからだ。若旦那はいつもの愛想の良いスマイルを見せて、これは脈ありといった感じににたりと笑い嬉しそうだ。
「じゃあ、後でね。それにしてもすごいな、君の家来くん。すごく目立ってるね。俺もああいう仮装したかったな。彼、普段もイケメンだけど、今日はオーラがすごい。後ろに女の子が列をなしてるよ」
みれば確かに男の後ろにはシャッターチャンスを狙っているのか、女性がぞろぞろと尾ひれの様にくっついてきている。
(本当に、すごい……、オーラかも)
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柚希が固まっている間に、若旦那はそのまま意気揚々と鼻歌交じりに自分の持ち場へ戻って行ってしまった。
(ああ、しまった。若旦那の誤解を解きたかったけど、今追いかけている場合じゃないし。まあいいか。どうせ打ち上げでみんなと喋っていればわかるだろうし)
柚希は引き寄せられるように受付の長机に戻ってお菓子の籠を置くと、見上げる長身の男に向かい合う。
「持ち場を離れてお喋りはいけませんよ。王子様」
柚希を窘めるように青い目がきらり、と光る。その眼差しにはあからさまな妬心も透かしみえて柚希はお腹の辺りがぞくっとしてしまう。
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