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優しさで貴方を奪う
最終章 優しさで貴方を奪う2
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こんな実家近くの駐車場で、夕暮れ時とはいえ男二人で、それも兄弟で抱き合っているなんて近所の人に見られたら恰好の噂の種になるだろう。だが今はどうしてもこの年下の男の温もりに包まれて勇気をもらいたい心地になったのだ。
「甘えただね? 柚希」
「ふふ。やっぱ緊張するよな……」
「なにが?」
「敦哉さん、許してくれるかな。もう番になっちゃったんだし、許してくれなきゃ困るけど」
「なんのこと??」
「和哉君を、俺に下さい。一生大事にしますってさ……。許してくれるかな? 俺がお前と番になったこと……。良く思わないんじゃないのか??」
「……兄さんってさ、どこまでもほんと」
はあっとそれはそれは深い嘆息をついた弟に、ぎゅっと抱き着き過ぎてボタンの痕がついてしまった額を摩りながら柚希が小首を傾げて小さく睨みつけた。
「なんだよ、カズ。その態度」
「本当にさ……。家の中で兄さんだけだよ? 僕が兄さんのこと好きだってしらなかったの。父さんなんてとっくに僕が兄さんのこと好きだって知ってたよ。むしろ小学生の頃から」
「……まじか」
親たちは和哉の柚希への気持ちを知っていながら共に生活していたのだとしたらどんな気分だっただろうか。色々考えると怖ろしくもあるが、少しだけ気持ちが上向いてきた。
「なんなら桃乃さんも知ってる。柚希さんを僕に下さい、一生大切にしますっていうのは僕の役目だから先に取らないでよね? 」
「すごいな、それ。プロポーズみたいだ」
さらにさらに呆れるを通り越して、凛々しい眉毛を今度はすっかり八の字に下げ切った和哉は、また深く深くため息をついた。
「ちゃんとしたプロポーズはまたさせて下さい。まずは番になってもらうことしか考えられなくて、ここからあらためて、交際はじめて、二人っきりでデートとかちょっと遠出の旅行とか、色々やりたいことが沢山あるけど、結婚するのは絶対だし、決定事項だけど、プロポーズはしてみたい」
ぶつぶつ呟く弟に柚希は額を肩を拳で、わざと雑な仕草で押して照れ隠しをしてしまう。
「甘えただね? 柚希」
「ふふ。やっぱ緊張するよな……」
「なにが?」
「敦哉さん、許してくれるかな。もう番になっちゃったんだし、許してくれなきゃ困るけど」
「なんのこと??」
「和哉君を、俺に下さい。一生大事にしますってさ……。許してくれるかな? 俺がお前と番になったこと……。良く思わないんじゃないのか??」
「……兄さんってさ、どこまでもほんと」
はあっとそれはそれは深い嘆息をついた弟に、ぎゅっと抱き着き過ぎてボタンの痕がついてしまった額を摩りながら柚希が小首を傾げて小さく睨みつけた。
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「……まじか」
親たちは和哉の柚希への気持ちを知っていながら共に生活していたのだとしたらどんな気分だっただろうか。色々考えると怖ろしくもあるが、少しだけ気持ちが上向いてきた。
「なんなら桃乃さんも知ってる。柚希さんを僕に下さい、一生大切にしますっていうのは僕の役目だから先に取らないでよね? 」
「すごいな、それ。プロポーズみたいだ」
さらにさらに呆れるを通り越して、凛々しい眉毛を今度はすっかり八の字に下げ切った和哉は、また深く深くため息をついた。
「ちゃんとしたプロポーズはまたさせて下さい。まずは番になってもらうことしか考えられなくて、ここからあらためて、交際はじめて、二人っきりでデートとかちょっと遠出の旅行とか、色々やりたいことが沢山あるけど、結婚するのは絶対だし、決定事項だけど、プロポーズはしてみたい」
ぶつぶつ呟く弟に柚希は額を肩を拳で、わざと雑な仕草で押して照れ隠しをしてしまう。
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