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欲望の加速
欲望の加速7
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弱いくせに意外に大胆な飲みっぷりで妖しく光る杯を柚希が綺麗な唇にあてくいっと飲み干す。
和哉は兄の仕草をじっと見つめながら、自分も半分だけ杯に口をつけた。
実はこっそり父といる時に飲酒を試したことがあるから和哉は体質的に酒が飲めないわけではない。むしろ顔には全くでないし、いくら飲んでも酔うことはない。父親譲りだ。
「これ、ちょっと『酒』って感じが強すぎる……」
すきっ腹に入れた酒で早くも色白の頬を染めた柚希は目元も朱が刷いたようになり、先に風呂に入らせていたから火照った頬が色っぽい。
濡れ髪姿で食卓に頬づえをついてしまった。箸先で南瓜のてんぷらをいじいじと小さく切りながら口元にのんびりと持っていく様ですら色気が溢れて自分で飲ませたくせに和哉は気が気ではなくなった。
(弱いっ! チョロい! こんなの絶対一人で外でなんか飲ませられないな……)
「だよね。兄さんは甘いものが好きだから梅酒がいいよね?」
和哉は席を立つと今度はグラスに母特製の梅酒を注いで氷は少な目、しかしソーダで割って口当たりを良く作ってみた。
熱く火照ってしまった頬を冷ますように冷たいをそれをくいっと飲んだ柚希はにっこり嬉し気に和哉に微笑んできて『美味しい』と呟いてご飯も食べ進めていく。相変わらず見かけによらない食べっぷりに和哉も天ぷらや刺身等中々豪勢だが渋い料理を食べ進めていく。
「美味しいね。どれも美味しい」
「うん」
幼子のようにそんな言葉を繰り返す柚希は甘えてくれているようで本当に可愛い。
柚希は敦哉や和哉ほどではないが背も高い。骨格的には和哉の方がしっかりしているが、176センチあるから、女性から見たら十分見上げる背丈で、凛々しく美しい青年だろう
柚希はバスケットの試合中などは躍動感あふれるきびきびとした動きを見せて、その様は爽やかかつ精悍だ。
副キャプテンにして司令塔で、周囲によく通る大声で指示を出す。その姿は確かに女の子が憧れるのがよくわかる、少女漫画のヒーローみたいな雰囲気すらある。
だがこうして差し向いになって眠たげに指先で目元を擦る姿など、和哉にしてみたら堪らなく愛らしいと思う。
(可愛い兄さんは、僕だけのものでいいんだ)
「もっと飲む?」
促せば桃色に染まる頬でこっくりと促し、強請るようにグラスを和哉に差し出す。合間合間に酒を継ぎ足すようにお代わりさせたら、日頃学校の課題に追われる疲れも手伝い瞬く間に酔いが回る。ご機嫌な様子で『ふふっ』と微笑んで、しかしお箸を持つ手も止まってしまった。
「柚にい? 眠いの?」
「……」
「……客間、いこっか?」
和哉は兄の仕草をじっと見つめながら、自分も半分だけ杯に口をつけた。
実はこっそり父といる時に飲酒を試したことがあるから和哉は体質的に酒が飲めないわけではない。むしろ顔には全くでないし、いくら飲んでも酔うことはない。父親譲りだ。
「これ、ちょっと『酒』って感じが強すぎる……」
すきっ腹に入れた酒で早くも色白の頬を染めた柚希は目元も朱が刷いたようになり、先に風呂に入らせていたから火照った頬が色っぽい。
濡れ髪姿で食卓に頬づえをついてしまった。箸先で南瓜のてんぷらをいじいじと小さく切りながら口元にのんびりと持っていく様ですら色気が溢れて自分で飲ませたくせに和哉は気が気ではなくなった。
(弱いっ! チョロい! こんなの絶対一人で外でなんか飲ませられないな……)
「だよね。兄さんは甘いものが好きだから梅酒がいいよね?」
和哉は席を立つと今度はグラスに母特製の梅酒を注いで氷は少な目、しかしソーダで割って口当たりを良く作ってみた。
熱く火照ってしまった頬を冷ますように冷たいをそれをくいっと飲んだ柚希はにっこり嬉し気に和哉に微笑んできて『美味しい』と呟いてご飯も食べ進めていく。相変わらず見かけによらない食べっぷりに和哉も天ぷらや刺身等中々豪勢だが渋い料理を食べ進めていく。
「美味しいね。どれも美味しい」
「うん」
幼子のようにそんな言葉を繰り返す柚希は甘えてくれているようで本当に可愛い。
柚希は敦哉や和哉ほどではないが背も高い。骨格的には和哉の方がしっかりしているが、176センチあるから、女性から見たら十分見上げる背丈で、凛々しく美しい青年だろう
柚希はバスケットの試合中などは躍動感あふれるきびきびとした動きを見せて、その様は爽やかかつ精悍だ。
副キャプテンにして司令塔で、周囲によく通る大声で指示を出す。その姿は確かに女の子が憧れるのがよくわかる、少女漫画のヒーローみたいな雰囲気すらある。
だがこうして差し向いになって眠たげに指先で目元を擦る姿など、和哉にしてみたら堪らなく愛らしいと思う。
(可愛い兄さんは、僕だけのものでいいんだ)
「もっと飲む?」
促せば桃色に染まる頬でこっくりと促し、強請るようにグラスを和哉に差し出す。合間合間に酒を継ぎ足すようにお代わりさせたら、日頃学校の課題に追われる疲れも手伝い瞬く間に酔いが回る。ご機嫌な様子で『ふふっ』と微笑んで、しかしお箸を持つ手も止まってしまった。
「柚にい? 眠いの?」
「……」
「……客間、いこっか?」
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