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欲望の加速
欲望の加速6
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「兄さん、今日さ。母さんたちいないから、こっそりこれ飲んでみたいんだけど」
いつも通り柚希と共に台所に立ち、後ろから柚希を抱きしめて邪魔だよっと優しく小突かれたり、いい雰囲気でいちゃつきながら共に夕食を作り上げた時。
母秘蔵の梅酒をそっと食卓の上において和哉は目元で微笑み悪戯っぽい顔をして柚希にお願いをしてみた。
「え……。でもお前、成人してても酒は二十歳からだろ?」
ほぼ同じ目の高さから戸惑ったような顔をしている柚希に、やや目線を下げて目を垂れさせるようにあざと可愛くお願いをしてみる。
「だから兄さんに頼んでるんだよ。」
「うーん。でも大事なお前になにかあったら、敦哉さんに顔向けできなくなるし、母さんに俺が殺される」
「ちょっとだけ、一口。ね? 兄さんは沢山のんでもいいよ。俺は味見するだけだから。こっちもさ、父さんの秘蔵のやつ。この日本酒和食にあうって。こっちはちゃんと父さんに許可とって兄さんに飲ませてもいいって言われたよ。柚希は日頃から頑張ってるからご褒美って。明日バイトもないだろ?」
「なんだよ。俺をダシに使ったな? いいよ。じゃあ一口だけだよ」
なんとなく地続きのリビングの明かりをおとし気味しにしていて、ダイニングゾーンもちょっとだけ普段より薄暗い。
瑠璃色の小さな盃に日本酒を一献注げば、とろっしたように映るそれを兄の指先をわざと触れるようにして柚希に手渡した。じいっと瞳を見つめれば、わずかな触れ合いに柚希が少しだけ恥ずかし気にするのがたまらない。
「え、いきなり飲むのか?」
「まずは味を見てみようよ。どんな感じなのか。芳醇甘口っていうらしいよ。端麗辛口のやつもあっちに置いてある」
キッチンのカウンターの上に載せられた瓶はたまに敦哉が桃乃と嗜んでいるそれだったのであくまで珍しい方の酒を好奇心から飲んでいると柚希に思わせる。
まさか酒に弱い柚希を弟である和哉が適度に酔わせて泥酔させるのを狙っているとは夢にも思わないだろう。
いつも通り柚希と共に台所に立ち、後ろから柚希を抱きしめて邪魔だよっと優しく小突かれたり、いい雰囲気でいちゃつきながら共に夕食を作り上げた時。
母秘蔵の梅酒をそっと食卓の上において和哉は目元で微笑み悪戯っぽい顔をして柚希にお願いをしてみた。
「え……。でもお前、成人してても酒は二十歳からだろ?」
ほぼ同じ目の高さから戸惑ったような顔をしている柚希に、やや目線を下げて目を垂れさせるようにあざと可愛くお願いをしてみる。
「だから兄さんに頼んでるんだよ。」
「うーん。でも大事なお前になにかあったら、敦哉さんに顔向けできなくなるし、母さんに俺が殺される」
「ちょっとだけ、一口。ね? 兄さんは沢山のんでもいいよ。俺は味見するだけだから。こっちもさ、父さんの秘蔵のやつ。この日本酒和食にあうって。こっちはちゃんと父さんに許可とって兄さんに飲ませてもいいって言われたよ。柚希は日頃から頑張ってるからご褒美って。明日バイトもないだろ?」
「なんだよ。俺をダシに使ったな? いいよ。じゃあ一口だけだよ」
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「え、いきなり飲むのか?」
「まずは味を見てみようよ。どんな感じなのか。芳醇甘口っていうらしいよ。端麗辛口のやつもあっちに置いてある」
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