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約束
約束5
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ひと月もそんな生活をしていたら、当然アパートにいる間に柚希の母の桃乃が帰ってくることもあった。
柚希がその部分を受け継いでいる、誰とでもすぐに話ができて打ち解けられる才能のある桃乃は、公園で幼い和哉と母とが遊んでいる時に何回か話をしたことがあったらしい。柚希も小さな和哉と遊んであげていたらしいがそれは全く記憶がなかった。
思春期の息子である柚希だが母の桃乃とは相変わらず何でも話し合う風通しの良い母子関係ようで、和哉の家の事情を聞いているのか2人してあれこれと和哉の世話を焼きたがった。
父の敦哉も大きな喪失感から茫然自失となっていたその気持ちの整理がつかないまでも、ようやく和哉のことを気にかける余裕が生まれ、仕事を調整して早めに帰宅できるようになっていた。
しかしもうその頃には和哉は父親よりも柚希に毎日逢いたくて、今更父にベッタリという気にも慣れず、変わらず公園に入り浸っていた。
ある日。かなり早く帰宅した父と柚希、そして同じように珍しく早めに帰宅した桃乃までもが公園で一堂に会する機会があった。
その日は和哉の誕生日当日だったのだ。敦哉は単純に息子を喜ばせようと、景気づけに奮発した二人では到底食べきれない大きなホールケーキをもって登場した。
そんな敦哉を見て驚いた和哉は、柚希から『誕生日だって言えよ‼』と怒られややきまり悪そうな顔をして照れていた。
食事はデリバリーのピザでも頼んで父子で誕生会をしたいと思っていた敦哉に、和哉がそれなら柚希たちも呼びたいといったら、『折角なら家ですればいいんじゃないか? 和哉の誕生日なら俺と母さんが料理作ってあげる』と和哉の為に何かしてあげたい柚希母子が申し出てあれよあれよという間にアパートで誕生日会をすることになった。
和哉だけでなく柚希もこんなに大きなバースデーケーキを家族で囲んでの食べるのは初めてだったので、とてもはしゃいで鼻先までぺちょりとクリームまみれになって食べるさまは和哉よりむしろ嬉しそうだった。
この日のことは暗い雰囲気が漂っていた生活に再び灯った明かりのように、楽しかった思い出として皆の記憶に刻まれている。
そしてその後は家族ぐるみの付き会いにゆっくりと発展していったのだ。
柚希がその部分を受け継いでいる、誰とでもすぐに話ができて打ち解けられる才能のある桃乃は、公園で幼い和哉と母とが遊んでいる時に何回か話をしたことがあったらしい。柚希も小さな和哉と遊んであげていたらしいがそれは全く記憶がなかった。
思春期の息子である柚希だが母の桃乃とは相変わらず何でも話し合う風通しの良い母子関係ようで、和哉の家の事情を聞いているのか2人してあれこれと和哉の世話を焼きたがった。
父の敦哉も大きな喪失感から茫然自失となっていたその気持ちの整理がつかないまでも、ようやく和哉のことを気にかける余裕が生まれ、仕事を調整して早めに帰宅できるようになっていた。
しかしもうその頃には和哉は父親よりも柚希に毎日逢いたくて、今更父にベッタリという気にも慣れず、変わらず公園に入り浸っていた。
ある日。かなり早く帰宅した父と柚希、そして同じように珍しく早めに帰宅した桃乃までもが公園で一堂に会する機会があった。
その日は和哉の誕生日当日だったのだ。敦哉は単純に息子を喜ばせようと、景気づけに奮発した二人では到底食べきれない大きなホールケーキをもって登場した。
そんな敦哉を見て驚いた和哉は、柚希から『誕生日だって言えよ‼』と怒られややきまり悪そうな顔をして照れていた。
食事はデリバリーのピザでも頼んで父子で誕生会をしたいと思っていた敦哉に、和哉がそれなら柚希たちも呼びたいといったら、『折角なら家ですればいいんじゃないか? 和哉の誕生日なら俺と母さんが料理作ってあげる』と和哉の為に何かしてあげたい柚希母子が申し出てあれよあれよという間にアパートで誕生日会をすることになった。
和哉だけでなく柚希もこんなに大きなバースデーケーキを家族で囲んでの食べるのは初めてだったので、とてもはしゃいで鼻先までぺちょりとクリームまみれになって食べるさまは和哉よりむしろ嬉しそうだった。
この日のことは暗い雰囲気が漂っていた生活に再び灯った明かりのように、楽しかった思い出として皆の記憶に刻まれている。
そしてその後は家族ぐるみの付き会いにゆっくりと発展していったのだ。
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