55 / 59
第44話 デート(?)だってよ②
しおりを挟む触れ合いコーナーを出た俺達はその後もパンダ見たりカピバラ見たりライオン見たりと色んなとこを回ってエンジョイした。
そしてそのまま園内のカフェテリアで休憩中。
俺は烏龍茶(コーヒー&紅茶飲めない勢)
悪鬼はコーヒー
辰巳君はメロンソーダ(!?)
辰巳君がメロンソーダ頼んだの意外だった。
一口もーらお
「はぁ、カピバラ可愛いかったなぁ。飼いたい」
「ネズミだろあんなん」
「ネズミ馬鹿にすんなよ。ちょっと辰巳君、カピバラにも顎蹴り教えられる?」
「任しとき。未途の頼みならやったるで」
「......カピバラ可愛いな」
「でしょ~」
最初かそう言えばいいものを......。
「学園出たらなにか飼いたいなぁ」
猫とか犬とかフェレットとか、なんならカピバラ飼いたい。俺は学園出たら一人暮らしする予定だから動物とのんびり生活とかいいなぁ。憧れる。
「ならウサギはどうや?ウサギならワイも可愛がれる気がするしなぁ」
「おいおい、なら俺はカピバラ飼ってやるよ。学園出るまでに飼える環境を整えておくぞ未途」
「?????」
「何羽欲しいん?」
「一匹でいいよな?」
「なんで一緒に飼うみたいな話になってるの????俺は一人暮らしするから」
.....そんなキョトンとした顔しんといてくれません?何言ってんのこいつみたいな顔やめてくれません?
俺からしたらなんでそんな俺と一緒に住むのが決定事項みたいな顔してんのか理解出来ん。
「卒業後、未途はワイと来るねんな?」
「え???」
「はぁ?何言ってんだ。こいつは俺のとこに来るんだよ」
「はぁ???いや、俺は......」
あ、ここで将弥さんの名前を使えばいいのか。
「俺、卒業後はおっちゃんのとこ行くから」
「「は?」」
「実は俺、おっちゃんと付き合ってるんだよねぇ」
「へぇ、そうなんや」
「ふーん」
ほらね!!この2人はふーんとかへぇで全然効かないじゃん!!恋人います牽制効果なし!
助けて将弥さんっ!!!
「それで?なんで未途が咲洲のとこ行くんや?どうせその付き合ってるとかいう話もワイらを牽制する偽りの関係やろ」
「俺は別に未途が誰と付き合おうが気にしねぇよ。重要なのは最後に未途が立つ場所だ。未途のことだから咲洲との関係は状況が落ち着いたら解消するつもりなんだろ?」
もう全部見透かされてんじゃん。この人ら鋭すぎない???
辰巳君の言う通り偽りの関係だし、悪鬼の言う通り君らが俺に興味をなくしたら将弥さんとの関係を解消するつもりだった。
『妥協点を見つけろ』
将弥さんの言葉を思い出す。
今聞いちゃうか......怖いけど。
「聞きたいんだけど、俺とどうなりたいの?俺は学園でてから一人で生活したいんだけどさ」
「どうなりたい?ワイは未途と結婚したい」
「ブレないねぇ。俺は結婚したくないんだけど」
「え?冗談やろ??」
「マジです。言いますが、マジで辰巳君と結婚するきはないです。なんなら卒業後は関わりを断つ――」
「は?」
「....断ちはしないけど、ちょっと距離は置くかなぁ~??」
眼力ヤバい。辰巳君怖すぎる。
「未途、未途......ワイと未途が結ばれるんは決定事項やで?」
「あのさ俺は追いかけられると逃げたくなるんだよね。辰巳君がそういう態度でいるなら俺は全力で逃げるよ?」
「.....ならワイも手段選べんなぁ。未途を傷つけとうなかったんやけど」
「だ、だから!!歩み寄りましょう!!妥協点見つけよう!」
ひぃぃっ!
殺されるかと思った。殺気がっ殺気がやばい!
あれは覚悟を決めた目だったよ.......!?
「辰巳君は俺と結婚したいって言ってたけど、つまり一緒に居たいってことでいいよね?ならルームシェアしない??そしたら一緒に居られるしさ!」
辰巳君の家の人はなんて言うか知らんけど。辰巳君の家族が辰巳君を止めてくれないかな?
彼、絶対に一般家庭の出じゃないでしょ。
「ルームシェア.....嫌や。未途がワイから逃げられへん関係になりたいねん」
「あぁ.....なるほど。それで結婚かぁ」
つまり法的縛りで俺を繋ぎ止めたいのか。
これは俺が譲歩するしかないなぁ。
さっきの様子からして辰巳君は引かなさそうだし。
「ならさ、俺がもし逃げたら足あげるよ。そしたら俺はどこにも行けない。でもその代わり、辰巳君にも守って欲しいことあるんだよね」
「.....」
「俺の自由を縛らないこと。俺は辰巳君から逃げない・去ったりしない。辰巳君は俺の自由を縛らない。もし俺が約束を破ったら辰巳君に俺の足をあげるよ。それで辰巳君がもし約束を破ったら二度と俺の前に姿を見せないで」
「.....未途の言う自由ってのは曖昧すぎへんか?それに範囲が広すぎる」
「もちろん辰巳君に相談するよ。どこどこ行ってくる~とか、誰々と遊んでくるとか.....辰巳君にちゃんと言うから。なにか気に食わないことや嫌だなと思うことは言ってくれればいい。その都度お互いの妥協点を見つけよう」
俺の中で将弥さんと辰巳君の脅威度が一番低い。それにもう卒業後、辰巳君から逃げるのは無理だなと俺は悟ったから。それならもう腹を括って、少しでも自分が生きやすいようにルールで彼を抑えるしかない。
俺が手網を握るんだ。
「......ええよ。その話乗ったで。咲洲にも同じ話したんか?」
「いやしてない。辰巳君が初めて」
「そか」
結構あっさり話に乗ったなぁ。
うーん将弥さんに何も言わずこんなこと決めたのはまずかったか?でも、辰巳君にはもうこの案以外有効な手はない気がするし......。
一応メールしとこ。
卒業後、辰巳君とルームシェアすることになりました....送信!!
「じゃあ辰巳君これからもよろしく」
「よろしゅうなぁ」
これで辰巳君は大人しくなるはず。
さて、さっきからずっと黙ってるもう一人は.....?
「とーが君は?」
「こんな奴に聞かんでもええやん」
「いや、ダメだよ。俺のこれからに関わるんだから」
というかさっきから悪鬼がすごい落ち着きなくない?テーブルに指をコツコツしてるし、貧乏ゆすりなんかしてるとこ初めて見たよ。
「おい、クソ眼鏡.....未途と二人っきりにさせろ」
「はぁ?させるわけないやろ」
「ごめん辰巳君。俺からもお願い」
「......外で待っとろか?」
「大丈夫。とーが君なんか今日大人しいし。先帰ってて」
「おい馬鹿、未途に変な真似すんなよ?」
「しねぇよ」
辰巳君は悪鬼に釘をさしてこのカフェテリアを出ていく。さっきから思ってたけど、辰巳君の聞き分けがよすぎることに不気味さを覚える俺は考えすぎなんだろうか?
すんなり俺と悪鬼を二人っきりにしたけど?
「場所変えんぞ」
「えっ?どこに」
「ホテル」
「辰巳君ーーーー!!!」
「馬鹿!無理矢理はしねぇよ」
「その言い方はちょっと信じられないぞ??」
「真剣な話だ。さっきのお前の質問にも答える。オラ、行くぞ」
めっちゃ不安なんだが???
信じるぞ?俺は悪鬼を信じるぞ?
これで押し倒したりでもしたら俺はお前を許さねぇ。辰巳君にチクる。
10
お気に入りに追加
761
あなたにおすすめの小説
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
変なαとΩに両脇を包囲されたβが、色々奪われながら頑張る話
ベポ田
BL
ヒトの性別が、雄と雌、さらにα、β、Ωの三種類のバース性に分類される世界。総人口の僅か5%しか存在しないαとΩは、フェロモンの分泌器官・受容体の発達度合いで、さらにI型、II型、Ⅲ型に分類される。
βである主人公・九条博人の通う私立帝高校高校は、αやΩ、さらにI型、II型が多く所属する伝統ある名門校だった。
そんな魔境のなかで、変なI型αとII型Ωに理不尽に執着されては、色々な物を奪われ、手に入れながら頑張る不憫なβの話。
イベントにて頒布予定の合同誌サンプルです。
3部構成のうち、1部まで公開予定です。
イラストは、漫画・イラスト担当のいぽいぽさんが描いたものです。
最新はTwitterに掲載しています。
普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました
ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。
「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」
ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m
・洸sideも投稿させて頂く予定です
俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き
toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった!
※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。
pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/100148872
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる