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寂寞
しおりを挟む身体を震わせればつけられた鎖が小さくカチャカチャと鳴った。
「ぁ....う」
文として何かを話すのはできない。口から出るのは意味の無い言葉だけだ。いや、言葉ですらないのかも。
「この水槽はいいですね」
「え~どれどれ.....いや、ちょっとこれはナイでショ」
「僕はなんでもいい~よ~......あっ、ちょっと遊んでくる!!」
「ほどほどにして下さいね」
「はーい!」
友達が俺の為に悩んでくれてる。それはとても幸せなことだと思う。だから俺は喜ばなきゃいけない。お礼を言わなきゃいけない。
「ぁ....ぉ....んぅ!」
なのにまともに話せない自分。喉が渇いた。
頭がフワフワする。
「そうそう、貴方に頼みたいことがあるんです」
「.....」
「無視ですか?......あぁ、確かもうすぐデートでしたっけ」
「......」
「おーい生きてル~?......ダメだねこれハ。反応な~シ!!」
「じゃあ代わりに頼んでいいですか?」
「えぇ~オレ?やだナ~」
「いいんですかそんなこと言って」
「.....そういう脅しは良くないと思ウ」
喧嘩はしちゃダメだ。友達なら仲良くしねぇと....。俺が止めてやらなくちゃ!止めてやらなくちゃ.....いけねぇのにっ
そう思うのに体が重くて何も出来ない。
っていう言い訳を考えては『理性』が消費されていく。
「お前らウルセェぞ」
あ、大好きな声だ。そう思った瞬間また『理性』が消える。
「はぁ......行ってきマース」
「お願いしますね」
俺の大好きな人に手を伸ばす。
なんで手を伸ばすんだ?
その理由すらわからないけど、無性にこの手に触れて欲しかった。
あれ?理由あるじゃん。この手に触って欲しい。それが理由だ。
あれ?
「た.....ぅけ....て.....っ!ぁ」
暑さと熱さで頭が朦朧とする中、俺の歪んだ視界には手元に視線を落とし何かを待っているような態度の彼がいる。
俺を見て、俺を見てくれ!!
「嗚呼すみません」
だけど、いつも俺を見てくれるのは、気づいてくれるのは友達だけだった。熱がお腹に溜まる。
「だいぶキツそうですね?.....ちょっと動かしましょうか」
俺にはもう友達が言う言葉を理解する思考すらない。だから声は耳から耳へとぬけていくだけ。ごめん、友達に話しかけられたら応えなきゃいけないのに何もわかんないんだ。ゆるして。
そう罪悪感にかられていると、フワリと身体が浮き温もりが俺を包んだ。
「怯えなくても大丈夫ですよ。いつだって私は貴方が望むことを叶えてきたじゃないですか」
俺が望むこと?
「ほら....どうぞ気持ちよくなって下さい」
カチリという音と共に中に入っている異物の振動が大きくなる。
「あ''っ、あぁああああああ!!やっ、ん''ぅ!」
俺の声はまだ枯れてなかったようで、一瞬大きな声をだすが直ぐに堪えた。
だって前にアイツがうるせぇって言ったから、俺は嫌われたくないから静かにしなきゃ。でも堪えるってことは、俺が辛い思いをするってことで....。
「はひっ、ひっ......!んぐっ!!!」
友達に異物を動かされゴリゴリと中を削られる。
叫びたい。気持ちいい。
精液出せなくてちんこ痛てぇ.....。
「ふふふふ....やはり貴方はとても綺麗ですね」
うっとりとしたような声が聞こえたが、貴方が誰を指しているのか分からない。綺麗か......。
綺麗ってことは未途だな!
未途は綺麗だ。俺には未途がキラキラして見えて、いつもしがみつきたい気持ちが湧き出る。
俺は人一倍寂しがりだから、誰かと一緒に居なきゃ耐えられない。だから未途にしがみつきたくなる。
でも、俺知ってるんだ。
未途はそういうのが嫌いなんだって。
「ん、もう玩具はおしまいです。ほら欲しいでしょう?」
その言葉に思考は焦燥と期待に染まる。
そして欲しいままに腰を落とした。
「っ、いい子です」
「ふぁっ、ん~!っ、は.....!」
寂しさが埋まる。
寂しさは埋まるけど.....やっぱり虚しいんだよ。
「い''くっ、いっちゃ....!んうぅ~!!」
「はっ....まだ終わりじゃないですよ」
「あ''っあぁ、っ!はっ、はん....!」
また始まる揺れに俺はただ未途と何を話そうかぼんやりとした頭でずっと考えていた。
明日は未途来るかな.....?
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