51 / 59
第41話 一歩踏み出すってよ
しおりを挟む
「ん.....ん?」
なんだろうこの匂い.....?
鼻をヒクヒクさせると香ばしいいい匂いが俺の鼻をくすぐる。
「はっ!?」
ばさりと起き上がる。
.....ばさり?
横を見ると俺に掛けられていたであろう布団がベッドに。
「いい匂い....じゃなくてココどこ??」
俺の寮部屋と似ているけど、どこか....そう金がかかって見える。室内はシンプルで物はあまり置いていない。だけど所々ある装飾に金がかかってるなぁと思わされる。
マジでどこだここ?
えーっと、昨日は体育祭(めっちゃ濃い)があって、それで.....優勝して。その後おっちゃん片付け頼まれたんだっけ?そんで旧体育倉庫行って、閉じ込めら、れ....て。
「ぅわ~........」
思わず呻く。覚えてる。思い出した。
俺、おっちゃんにあんな事言って......っ!
じゃあ流れ的にここはおっちゃんの部屋!?
その考えに至ったとき丁度部屋の扉が開いた。
そこに居たのはやはりジャージ姿のおっちゃんだった。
「お、猫屋起きたか。おはよう」
「お、おおおはよう!」
「すっげぇ元気だな?腹減ってるだろ、顔洗ってこっち来いよ」
おっちゃんはそう言って引っ込む。
.....なんだか普通だ。
俺は自分の言った言葉はうろ覚えながらも頭にある。だけどおっちゃんが俺に言った言葉がはっきり思い出せない。
なにか重大なことを言われたような気がしたんだけど......あの時は自分のことで精一杯だったから他に気をやる暇がなかった。
しかも俺のあの乱れようを見て、自然に接されるとこう気恥しさが......ね。おっちゃん俺に引いてないかな?俺だったら他人にあんなの見せられたら引く自信しかないし。
そうもんもんとした気持ちで顔を洗い諸々を終わらせた俺はおっちゃんが居るであろう部屋に移動した。
「ん、来たか。飯食うぞ」
テーブルを見ると、そこには俺の好物である魚介天丼が置いてあった。
「魚介天丼!!」
一気にお腹が空いたように感じた。さっきまで空腹とか感じてなかったのに、口の中が涎で溢れそうだ。
「いただきますっ!!」
「ははっ、食え食え」
( ゜д゜)ンマッ!
美味い....モグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグ
箸が止まんねぇぜ!
「これっておっちゃんの手作り!?」
「いや違ぇけど......んー、練習しようかっな」
「えっ、なんで?」
「そりゃ、猫屋に毎日食べてもらいたいから....だろ」
「へぇ~......ん?」
なんか今胸がザワっときた。
あさっての方向に顔を向けるおっちゃんをじっと見てそのザワつきの正体を探す。
「っ、おいあんま見んな。おっちゃん照れるだろ~」
「あー.....ごめん。えっと、おっちゃんが魚介天丼作るなら食べに行っちゃおっかなーなんて....」
「はぁ?おっちゃんは猫屋のために作るんだ。お前が食べなきゃ誰が食うんだよ」
「な、なるほど。いや、なんだか『お前の為に毎日味噌汁作ってやる』的なプロポーズみたいだなぁっておも、って.....さ」
あ、これ俺余計な事言った。
おっちゃんの顔がぶわりと赤くなったのを見て後悔する。
「なーんてね!!冗談だよおっちゃん~!あっ、このタレ美味いな~。アジの天ぷら最高」
「猫屋」
「俺も作れるようになりたいな~。そうすれば毎日食えるし!作るならアナゴの天ぷらを盛り付けたいなぁ」
「猫屋」
「っ」
天丼に向けていた視線を声の聞こえた方に向けると、向かい合わせに座っていたはずのおっちゃんが俺のすぐそばに居た。
そのまま視線を辿ると箸を持つ右手がおっちゃんの大きな手に掴まれている。
「猫屋、俺を見ろ。見てくれ.....」
懇願するような声だった。俺がおっちゃんと出会って初めて聞く悲痛な声だ。思わず顔を顰める。
そんなふうに請われたら、向き合わざる負えないじゃないか。
渋々視線をあげるとどこか恥ずかしそうに頬を染め、俺を真っ直ぐ見つめるおっちゃんがいた。
「猫屋....さっきはプロポーズみたいになっちまったが、あれは言い過ぎた。悪い」
その言葉に俺はほっとする。なんだやっぱり冗談か、と。
しかしーー
「だが、俺が猫屋にそういう感情を抱いているのは本当だ」
息をするのも忘れて菫色の瞳を凝視する。
真剣な瞳だ。嘘じゃない。からかってもいない。
あぁ、本当に.....
「俺はお前が好きだ」
俺は好かれるような人間じゃないのに
「.....先生、その気持ちは多分ペットに対する愛玩とかだよ。ほら、よく俺に餌付けしてたじゃん。俺を恋愛的に好きになるなんて有り得ない。こんな俺を好きになるなんて......間違ってる」
「.....お前が自分を否定してもいいが俺の気持ちを否定しないでくれ」
俺の言葉を一蹴する。
「猫屋....俺と付き合ってくれ。あぁ恋人になろうってわけな?」
ぐっ、どこに付き合えばいいの?っていうとぼけも封じられた。
それでも俺は断ろうと口を開けるが遮られる。
「お」
「断っても何も変わらねぇよ」
「.....それは脅し?」
「違う。別に断ってもいいぞ?俺はお前を思い続けるって決めてるからな。ただ、よく考えろ。八尋・済賀・藍田の3人に狙われてるお前はこの先どうなるのか。.....俺には壊される未来しか見えねぇよ。お前も薄々感じてるだろ?」
そうだね、感じてる。
この学園を卒業する頃にはすっかり廃人になってるだろうなって。.....廃人は言い過ぎかもしれないけど、まぁ無事では済まないよね。
そんな俺の悟った様子をおっちゃんは顔を顰めて見ていた。
「俺はお前を守りたいんだ。別に守られたくないって言うなら.....俺を利用しろ。ピーピーうるせぇ虫除けに俺という恋人の存在をチラつかせてもいい、八尋に俺を使って牽制してもいい、済賀に襲われそうになったら俺を呼んでもいい、いや呼べ。藍田は....まぁよくわかんねぇけど、好きなように利用すればいい。俺はお前に全てをあげたいんだ」
「.....おっちゃん、俺不誠実なことはしたくないよ。俺に好意を持ってるおっちゃんを利用するだなんてできない。だからーー」
「それだとお前はこの先どうアイツらを抑えるんだ?味方もいない、相談出来るやつもいない、頼れる友達もいない....周りは敵だらけだろ」
「おっちゃん大丈夫だよ。俺強いから。あ、メンタルがね?だって済賀君にレイプされても平気だったし、とーが君にーー」
「っだから!!!」
大きな声に肩が跳ねた。
カランと持っていた箸がテーブルに落ちる。
「平気平気って言っても、お前の心は疲弊してんだよ!!!......俺が言うことじゃねぇが、お前は身勝手な執着のせいで傷つけられてんだ。もう既にボロボロなんだよ.....」
胸が痛い。頭痛がする。目眩がする。
熱い眼差しに身が焼かれそうだ。
そんな目で見ないで......
なんでそんな苦しそうな顔をしてるの
「お前を一人にもう出来ない。気づいたからにはそばに居たいんだ」
熱い熱い熱い熱いっ
掴まれた右腕が燃えるように熱く感じる。
「俺を好きになってくれとは言わないし、強制もしない。なぁ一歩踏み出してもいいんじゃねぇか?」
そんなの怖いじゃないか。
俺に恋人?恋愛?
あぁ、でも恋人になるだけで恋愛はしなくていいんだっけ
だけどおっちゃんに対して不誠実だよ?
でもそれでもいいとおっちゃんは言う
『一歩踏み出してもいいんじゃねぇか?』
踏み出してもいいかな?
逃げなくてもいいかな?
俺は変わるべきなんだろうか?
なんでこんなことになってるんだろう?
俺はただ平穏に過ごしたいだけなのに。
俺が変わらなくちゃいけないの?
俺が悪いの?
『なんで俺が?』っていう不満と、『そうだ。変わらなきゃ』という納得が俺の中で渦巻く。
そして思い出すのは暗い部屋で震えるあの時の俺。
「.....好意を返されないのはとても辛いことだよ?それでもいいの?」
苦々しく俺はおっちゃんにそう聞く。
俺はその辛さを間近で見たことがあるから.....。
「大丈夫だ。これでも俺はメンタル強いんだぜ?」
「あはははっ、屋上でネガティブになってた先生が何言ってるの!」
先生のドヤ顔とその言葉に思わず笑う。
.....うん、もういいや。
俺も変わらなくちゃ、向き合わなきゃ。
恋愛とかわかんないけど、一歩踏み出してみよう。それになにか行動しなくちゃ俺の未来はないんだろうし。
「おっちゃん、俺は恋愛とか分かんないし、いや多分嫌いだ。利用すればいいって言ってくれてたけど、本当にしちゃうと思う。きっと何度も何度もおっちゃんを苦しめる。俺は卑怯者だから.....。こんな俺でも本当に....」
「ああ。そばに居たい」
「.....そう。なら付き合おっか」
俺の言葉に嬉しそうに破顔する先生を見て漠然と感じる。
どんな選択をしても俺の未来は修正不可能までに歪んでいるんだろうなって。
でも頑張って足掻いてみよう.....より良い俺の未来の為に
「不束者ですがよろしくお願いします。おっちゃん....いや、将弥さん」
「ぶっ」
......大丈夫かなぁ?
鼻を押えて蹲る将弥さんにチラリと目を向けた俺は不安を胸にため息をつく。
なんだろうこの匂い.....?
鼻をヒクヒクさせると香ばしいいい匂いが俺の鼻をくすぐる。
「はっ!?」
ばさりと起き上がる。
.....ばさり?
横を見ると俺に掛けられていたであろう布団がベッドに。
「いい匂い....じゃなくてココどこ??」
俺の寮部屋と似ているけど、どこか....そう金がかかって見える。室内はシンプルで物はあまり置いていない。だけど所々ある装飾に金がかかってるなぁと思わされる。
マジでどこだここ?
えーっと、昨日は体育祭(めっちゃ濃い)があって、それで.....優勝して。その後おっちゃん片付け頼まれたんだっけ?そんで旧体育倉庫行って、閉じ込めら、れ....て。
「ぅわ~........」
思わず呻く。覚えてる。思い出した。
俺、おっちゃんにあんな事言って......っ!
じゃあ流れ的にここはおっちゃんの部屋!?
その考えに至ったとき丁度部屋の扉が開いた。
そこに居たのはやはりジャージ姿のおっちゃんだった。
「お、猫屋起きたか。おはよう」
「お、おおおはよう!」
「すっげぇ元気だな?腹減ってるだろ、顔洗ってこっち来いよ」
おっちゃんはそう言って引っ込む。
.....なんだか普通だ。
俺は自分の言った言葉はうろ覚えながらも頭にある。だけどおっちゃんが俺に言った言葉がはっきり思い出せない。
なにか重大なことを言われたような気がしたんだけど......あの時は自分のことで精一杯だったから他に気をやる暇がなかった。
しかも俺のあの乱れようを見て、自然に接されるとこう気恥しさが......ね。おっちゃん俺に引いてないかな?俺だったら他人にあんなの見せられたら引く自信しかないし。
そうもんもんとした気持ちで顔を洗い諸々を終わらせた俺はおっちゃんが居るであろう部屋に移動した。
「ん、来たか。飯食うぞ」
テーブルを見ると、そこには俺の好物である魚介天丼が置いてあった。
「魚介天丼!!」
一気にお腹が空いたように感じた。さっきまで空腹とか感じてなかったのに、口の中が涎で溢れそうだ。
「いただきますっ!!」
「ははっ、食え食え」
( ゜д゜)ンマッ!
美味い....モグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグ
箸が止まんねぇぜ!
「これっておっちゃんの手作り!?」
「いや違ぇけど......んー、練習しようかっな」
「えっ、なんで?」
「そりゃ、猫屋に毎日食べてもらいたいから....だろ」
「へぇ~......ん?」
なんか今胸がザワっときた。
あさっての方向に顔を向けるおっちゃんをじっと見てそのザワつきの正体を探す。
「っ、おいあんま見んな。おっちゃん照れるだろ~」
「あー.....ごめん。えっと、おっちゃんが魚介天丼作るなら食べに行っちゃおっかなーなんて....」
「はぁ?おっちゃんは猫屋のために作るんだ。お前が食べなきゃ誰が食うんだよ」
「な、なるほど。いや、なんだか『お前の為に毎日味噌汁作ってやる』的なプロポーズみたいだなぁっておも、って.....さ」
あ、これ俺余計な事言った。
おっちゃんの顔がぶわりと赤くなったのを見て後悔する。
「なーんてね!!冗談だよおっちゃん~!あっ、このタレ美味いな~。アジの天ぷら最高」
「猫屋」
「俺も作れるようになりたいな~。そうすれば毎日食えるし!作るならアナゴの天ぷらを盛り付けたいなぁ」
「猫屋」
「っ」
天丼に向けていた視線を声の聞こえた方に向けると、向かい合わせに座っていたはずのおっちゃんが俺のすぐそばに居た。
そのまま視線を辿ると箸を持つ右手がおっちゃんの大きな手に掴まれている。
「猫屋、俺を見ろ。見てくれ.....」
懇願するような声だった。俺がおっちゃんと出会って初めて聞く悲痛な声だ。思わず顔を顰める。
そんなふうに請われたら、向き合わざる負えないじゃないか。
渋々視線をあげるとどこか恥ずかしそうに頬を染め、俺を真っ直ぐ見つめるおっちゃんがいた。
「猫屋....さっきはプロポーズみたいになっちまったが、あれは言い過ぎた。悪い」
その言葉に俺はほっとする。なんだやっぱり冗談か、と。
しかしーー
「だが、俺が猫屋にそういう感情を抱いているのは本当だ」
息をするのも忘れて菫色の瞳を凝視する。
真剣な瞳だ。嘘じゃない。からかってもいない。
あぁ、本当に.....
「俺はお前が好きだ」
俺は好かれるような人間じゃないのに
「.....先生、その気持ちは多分ペットに対する愛玩とかだよ。ほら、よく俺に餌付けしてたじゃん。俺を恋愛的に好きになるなんて有り得ない。こんな俺を好きになるなんて......間違ってる」
「.....お前が自分を否定してもいいが俺の気持ちを否定しないでくれ」
俺の言葉を一蹴する。
「猫屋....俺と付き合ってくれ。あぁ恋人になろうってわけな?」
ぐっ、どこに付き合えばいいの?っていうとぼけも封じられた。
それでも俺は断ろうと口を開けるが遮られる。
「お」
「断っても何も変わらねぇよ」
「.....それは脅し?」
「違う。別に断ってもいいぞ?俺はお前を思い続けるって決めてるからな。ただ、よく考えろ。八尋・済賀・藍田の3人に狙われてるお前はこの先どうなるのか。.....俺には壊される未来しか見えねぇよ。お前も薄々感じてるだろ?」
そうだね、感じてる。
この学園を卒業する頃にはすっかり廃人になってるだろうなって。.....廃人は言い過ぎかもしれないけど、まぁ無事では済まないよね。
そんな俺の悟った様子をおっちゃんは顔を顰めて見ていた。
「俺はお前を守りたいんだ。別に守られたくないって言うなら.....俺を利用しろ。ピーピーうるせぇ虫除けに俺という恋人の存在をチラつかせてもいい、八尋に俺を使って牽制してもいい、済賀に襲われそうになったら俺を呼んでもいい、いや呼べ。藍田は....まぁよくわかんねぇけど、好きなように利用すればいい。俺はお前に全てをあげたいんだ」
「.....おっちゃん、俺不誠実なことはしたくないよ。俺に好意を持ってるおっちゃんを利用するだなんてできない。だからーー」
「それだとお前はこの先どうアイツらを抑えるんだ?味方もいない、相談出来るやつもいない、頼れる友達もいない....周りは敵だらけだろ」
「おっちゃん大丈夫だよ。俺強いから。あ、メンタルがね?だって済賀君にレイプされても平気だったし、とーが君にーー」
「っだから!!!」
大きな声に肩が跳ねた。
カランと持っていた箸がテーブルに落ちる。
「平気平気って言っても、お前の心は疲弊してんだよ!!!......俺が言うことじゃねぇが、お前は身勝手な執着のせいで傷つけられてんだ。もう既にボロボロなんだよ.....」
胸が痛い。頭痛がする。目眩がする。
熱い眼差しに身が焼かれそうだ。
そんな目で見ないで......
なんでそんな苦しそうな顔をしてるの
「お前を一人にもう出来ない。気づいたからにはそばに居たいんだ」
熱い熱い熱い熱いっ
掴まれた右腕が燃えるように熱く感じる。
「俺を好きになってくれとは言わないし、強制もしない。なぁ一歩踏み出してもいいんじゃねぇか?」
そんなの怖いじゃないか。
俺に恋人?恋愛?
あぁ、でも恋人になるだけで恋愛はしなくていいんだっけ
だけどおっちゃんに対して不誠実だよ?
でもそれでもいいとおっちゃんは言う
『一歩踏み出してもいいんじゃねぇか?』
踏み出してもいいかな?
逃げなくてもいいかな?
俺は変わるべきなんだろうか?
なんでこんなことになってるんだろう?
俺はただ平穏に過ごしたいだけなのに。
俺が変わらなくちゃいけないの?
俺が悪いの?
『なんで俺が?』っていう不満と、『そうだ。変わらなきゃ』という納得が俺の中で渦巻く。
そして思い出すのは暗い部屋で震えるあの時の俺。
「.....好意を返されないのはとても辛いことだよ?それでもいいの?」
苦々しく俺はおっちゃんにそう聞く。
俺はその辛さを間近で見たことがあるから.....。
「大丈夫だ。これでも俺はメンタル強いんだぜ?」
「あはははっ、屋上でネガティブになってた先生が何言ってるの!」
先生のドヤ顔とその言葉に思わず笑う。
.....うん、もういいや。
俺も変わらなくちゃ、向き合わなきゃ。
恋愛とかわかんないけど、一歩踏み出してみよう。それになにか行動しなくちゃ俺の未来はないんだろうし。
「おっちゃん、俺は恋愛とか分かんないし、いや多分嫌いだ。利用すればいいって言ってくれてたけど、本当にしちゃうと思う。きっと何度も何度もおっちゃんを苦しめる。俺は卑怯者だから.....。こんな俺でも本当に....」
「ああ。そばに居たい」
「.....そう。なら付き合おっか」
俺の言葉に嬉しそうに破顔する先生を見て漠然と感じる。
どんな選択をしても俺の未来は修正不可能までに歪んでいるんだろうなって。
でも頑張って足掻いてみよう.....より良い俺の未来の為に
「不束者ですがよろしくお願いします。おっちゃん....いや、将弥さん」
「ぶっ」
......大丈夫かなぁ?
鼻を押えて蹲る将弥さんにチラリと目を向けた俺は不安を胸にため息をつく。
10
お気に入りに追加
761
あなたにおすすめの小説
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
変なαとΩに両脇を包囲されたβが、色々奪われながら頑張る話
ベポ田
BL
ヒトの性別が、雄と雌、さらにα、β、Ωの三種類のバース性に分類される世界。総人口の僅か5%しか存在しないαとΩは、フェロモンの分泌器官・受容体の発達度合いで、さらにI型、II型、Ⅲ型に分類される。
βである主人公・九条博人の通う私立帝高校高校は、αやΩ、さらにI型、II型が多く所属する伝統ある名門校だった。
そんな魔境のなかで、変なI型αとII型Ωに理不尽に執着されては、色々な物を奪われ、手に入れながら頑張る不憫なβの話。
イベントにて頒布予定の合同誌サンプルです。
3部構成のうち、1部まで公開予定です。
イラストは、漫画・イラスト担当のいぽいぽさんが描いたものです。
最新はTwitterに掲載しています。
病んでる愛はゲームの世界で充分です!
書鈴 夏(ショベルカー)
BL
ヤンデレゲームが好きな平凡男子高校生、田山直也。
幼馴染の一条翔に呆れられながらも、今日もゲームに勤しんでいた。
席替えで隣になった大人しい目隠れ生徒との交流を始め、周りの生徒たちから重い愛を現実でも向けられるようになってしまう。
田山の明日はどっちだ!!
ヤンデレ大好き普通の男子高校生、田山直也がなんやかんやあってヤンデレ男子たちに執着される話です。
BL大賞参加作品です。よろしくお願いします。
11/21
本編一旦完結になります。小話ができ次第追加していきます。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜
・不定期
信じて送り出した養い子が、魔王の首を手柄に俺へ迫ってくるんだが……
鳥羽ミワ
BL
ミルはとある貴族の家で使用人として働いていた。そこの末息子・レオンは、不吉な赤目や強い黒魔力を持つことで忌み嫌われている。それを見かねたミルは、レオンを離れへ隔離するという名目で、彼の面倒を見ていた。
そんなある日、魔王復活の知らせが届く。レオンは勇者候補として戦地へ向かうこととなった。心配でたまらないミルだが、レオンはあっさり魔王を討ち取った。
これでレオンの将来は安泰だ! と喜んだのも束の間、レオンはミルに求婚する。
「俺はずっと、ミルのことが好きだった」
そんなこと聞いてないが!? だけどうるうるの瞳(※ミル視点)で迫るレオンを、ミルは拒み切れなくて……。
お人よしでほだされやすい鈍感使用人と、彼をずっと恋い慕い続けた令息。長年の執着の粘り勝ちを見届けろ!
※エブリスタ様、カクヨム様、pixiv様にも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる