八尋学園平凡(?)奮闘記

キセイ

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侵食 ーR?

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最初未途を見た時笑っちまった。
だってあの時会った平凡がこの学園に、俺が居るこの学園に入ってくるなんて、笑っちまうほどの偶然だろ?

そして俺は興味の赴くままに関わり、知った。
コイツが驚くほど自由で、縛られないということに。


「おはよう済賀君。ねぇねぇ昨日さーー」

俺を見つけては駆けてくる未途。そんでペラペラと喋りかけるんだ。こんなナリの俺に。

「あ、おはよう!!あのさー」

「.......なぁ、俺と喋ってても面白いことは無いぞ」

遮るようにあの日と同じ質問をする。ただふと気になったんだ。どう答えるのか。
あの日と違うのは俺の見た目だけ。あの日はThe優等生という感じだったが、今はThe不良という格好だ。
コイツは俺の御機嫌をとるように上っ面の言葉を吐くのだろうか?それともあの日のように言うのだろうか?ただ自分が喋りたいだけだと。


「え~.....何その質問。あっ、そういえば今日呼びだされてたんだった!ごめんね済賀君!!またねぇ~」

「......は?」


はっきりした答えは得られなかったが行動がそれを示した。アイツは自由すぎる。いや、自分勝手か.....。
喋りたい時に喋り。
用事があったらするりと逃げてく。
かわってねぇなぁ。

だが誰に対してもそんな態度で接しているのを見たからか、なんかムズムズするような感覚に陥った。納得いかねぇような、ムカつくような.....変な気持ちだ。

まぁよくわかんねぇ気持ちは置いといて、まず猫みたいに気まぐれで自由なこいつを懐かせることにした。

.....ただの興味だ。
俺に懐いたコイツはどうなるのか気になった。
ただそれだけ。

いきなり近づくのは警戒されそうだから少しづつ距離を近めることにする。
しかしここで問題が発生した。
俺が学校に登校しなきゃならねぇ。

.....俺は朝からきちんと登校するいい子ちゃんじゃないんだよ。最初は学校で話せばいいと思ったがアイツは俺に負けず劣らずのサボり魔だったんだ。だからすれ違うことが驚く程多い。俺が登校した時にはもう居ないなどざらにある。

朝のホームルームはキチンと出てるらしいから確実に話したいなら朝行かなきゃならねぇ。

......早くも挫折しそうだった。猫を懐かせるのはムズいって聞いた事あるが本当だったな。いや、懐かせる以前の問題か?


まぁ、朝起きれないのもあのマリモが来てから問題なくなったが。
マリモのうるささと絡まれる鬱陶しさが眠気を上回った。

マリモのお陰で朝未途と話せるようになったというのは癪だから認めたくはないがな。


「済賀君あのねーー」

なんだ?

「済賀君済賀君!ーー」

そうか

「交流会めんどくさいなぁ。そう思わない?済賀君」

あぁそうだな

「済賀君っ」

結構引き連れてきたなァ
俺の未途に対する感情が変わったのはきっと交流会だ。あいつが大勢引き連れてきて、俺が我を忘れて暴力に酔った時、


「済賀君オメデトー。キング狩ったんだね。ってことで俺はここでおいとましようかな....」


未途の声に引き戻された。けど未途の顔についた傷を、血を見たら身体が何かに操られているかのように勝手に動いた。


「血.....」

「へ?あぁ、ちょっと怪我しちゃっぐぇ!?」


胸倉を掴み引き寄せそれを舐めた。舌の上に残るのは血独特の味。
こんなのは口にするもんじゃないと思っているが、止まらなかった。


「済賀君!?」


俺を呼ぶ声がする。未途の声が。
それが更に俺の興奮を煽って、押さえ込むように密着した。でも、舐めるだけじゃ足りなくなって舌で抉るように、傷を広げるように.....。
まるで中毒者のように未途の血を求めた。

未途の悲鳴を、息遣いを、恐怖を間近で感じ、何故か背筋をゾクゾクとした感覚が走る。
アイツへの興味が得体の知れないナニカに変わった瞬間だった。


正気に戻った時には内心やっちまったと焦ったが、未途のいつも通りの反応にコイツの中でなかったことにしたんだと気づいた。

どうやら未途は自分の都合の悪い事は忘れることにしているらしい。
まぁいい。忘れてくれるなら俺としてもありがたい。




次に未途と俺の距離が近づいたのは糞メガネが泊まりに来た時か......?
船釣り?確かに未途は喜んでたが、俺はずっとダウンしてたから距離が近くなった実感ねぇんだよな。

しっかし、アイツはなんで厄介な奴をホイホイ誑し込むんだ?
赤猿しかり、糞メガネしかり.....あと咲洲もか。

糞メガネが泊まりに来るから一緒に居てくれと頼まれた時は驚いたな。まさかあの異常人が未途に興味を持つとは思わなかった。

実際会ったら興味どころじゃなく、貞操狙いだったが.....。なんだよ結婚前提の友達って。それ絶対に友達のまま関係が終わるやつじゃねぇか。
遠回しに拒否られてんの察しろよ。

やっぱ理解不能な思考回路してんなこの糞メガネは。


「なぁなぁ、なんでお前が未途のそばにおるん?」

「テメェには関係ねぇ」

「ふーん......あんさん他人に興味あったんやな。」

「テメェに言われたくねぇ」


というか俺に喋りかけんなよ。お前、俺の事蛇蝎の如く嫌ってただろ。
......そのニヤけた面やめろ。殴りたくなる。
そのだっせぇメガネごと顔面を凹ますぞ?
そんな俺の衝動に気づいたのか知らないが、目の前の男はサラリと爆弾を落としやがった。


「お前は未途のこと好きなんか?」

「は?」


すき......好きだと?
急に何言ってんだコイツは。


「ダメやで未途は。ワイの理想やから。お前が手だしていい存在ちゃうで。身の程を弁えなあかんよ?クズ」


クズ.......頭にきた。笑顔で毒を吐く糞メガネの胸ぐらを掴む。そして今コイツが一番言われたくないだろう言葉を言う。


「お前こそ身の程を弁えろ。理想とか知らねぇが、俺の方がアイツのことをわかっているし、なんなら好かれてる。それに比べお前はどうだ?嫌われてんだろ」


ミシミシ.....パキッ


さっきまで食事をとっていた食卓が静かに真っ二つに割れた。......バケモンかコイツは?
なんでこんな綺麗に真っ二つになるんだよ.....。

その後すぐに未途が戻ってきて色々あったが、まさか糞メガネがあんなふうに取り乱すとは思わなかった。それに風呂から上がってみると血まみれで未途を抱えてやがったし。やる事が予想外なんだよ。

やっぱり糞メガネはヤベェやつだ。
帰ったと思ったら未途を襲いに部屋戻ってるとか、油断も隙もねぇ。




まぁ糞メガネのお陰でだいぶ未途に頼られるようになったがな。
赤猿に絡まれたら俺に助けを求めるように視線を向けてきたり、俺の後ろをひょこひょこ着いてきたりと.......順調に懐かせることが出来た。



そしていつしか俺は未途に依存されてぇなと思うようになった。


自由に、自分勝手に生きるアイツに俺無しじゃ生きていけないと言わせたい。
未途に縋られたい。
俺がそばにいないだけで取り乱して欲しい。

.......そんな思いが渦巻く。


だが、あの未途を依存させるなんて簡単じゃないことくらい俺でもわかる。
.......壊すか?
思い出すのは壊れた母親の事だった。どんなことをされたって決してあの男から離れない。

母親と未途の姿が重なる。

その瞬間なんともいえない仄暗い感情が俺を支配した。
そう、どうしようもないほど未途を酷く扱いたくなったのだ。


その衝動の末の強姦だった。


泣き叫ぶ声に勃起し、快楽に耐えようと頭や足をばたつかせる姿に笑いが込み上げてくる。

快楽に耐えようともがく姿が哀れで、滑稽で、そして俺の加虐心を刺激した。

耐えたからって助けが来るわけねぇのに。
希望なんて持たせない。俺はお前に壊れて欲しいんだ。
逸るように後孔にあてがい、腰を進める。


「あ''っ、痛い痛い痛いいだいっ、ぬいてっ、ぬいてよっ」


ズブン!
プチッ


「あ''あ''あ''あぁ''ぁぁぁ''ぁぁっぁぁ!!!っぐぅ~~~!!!」


未途の絶叫に興奮し噛みつきたくなるが、我慢する。衝動のまま動いたら自分を制御できなくなりそうで......殺しちまうかもしれないと思ったからだ。
中の締めつけは俺のチンコを食いちぎる勢いで、堪らず息を漏らす。


「ぃっ、やらっ.....も、うっ.....んっちゅ、はっむ....」


ガブッ


キスをしたが、まさか噛まれるとは思わず咄嗟に頬を張ってしまう。自分の行動に一瞬思考が止まったが身体は流れるようにまたキスをしていた。

しかし今度は噛まれなかった。見ると未途の身体は微かに震えていて、その姿は血の味も相まって俺の支配欲を満たした。

俺はどうしちまったんだ?あまりの快楽に頭が逝ったのか?
嗚呼、これ以上俺を刺激しないでくれ。

なのに.....ただでさえ俺自身を持て余しているっていうのに、あいつは、未途は、俺をさらにどうしようもない気持ちにさせるんだ。


「た、すけて、さいがく、ん。」


全身の血が沸騰したように感じた。
俺はどうしようもない破壊衝動のままに手を伸ばす。


「ぐ、ぐるじぃいっ、やめっ、ぐ」


手首に、腕に突き立てられた爪を気にする余裕もない。ただただ、目の前のこいつを絞め殺したくてしかたなかった。
でもこのまま殺すより、苦痛に顔を歪ませた方がイイかもしれねぇ。


「っ」


ちくしょうっ......手に力をいれると中がキュウキュウに締まって声が漏れそうになる。

もっと絞めるか?
キスをして窒息させるか?
噛んで皮膚を破るか?

思考が異常で満たされる。


.......これじゃあどっちが壊されてるのかわかんねぇな



ーーーーーーーーーーーーー


「はぁ......」

「どうしたんデスカ?済賀様~」

「黙れ。喋んな。息すんな」

「酷いっ!?俺に死ねと!?......っていうか俺に当たらないでくださいよォ。」


当たってねぇよクソが。
ただ未途が普通に接してきたことにイラッとしてただけだ。

折角アイツを壊せたと思ったのに、


「この紅組の大将は俺だ。副将は適当に決めろ」


この赤猿のせいでパァだ。
はぁ......あの時の未途は最高だった。
俺に対する信頼、友情.....それがガラガラと崩れる様はゾクゾクした。吐くほど拒絶を示すなんて思わなかったがな。

だがそれほど、それほどっ俺という存在は未途の中に根を張っていたんだ!!

あぁ最っ高だ......!

結局なかったことにさせたがそれは未途が俺を避けるとわかっていたから。
俺はただ未途に俺という存在を刻みつけ依存させたいだけだ。避けられたら意味がねぇ。

それに未途の俺を見る瞳には恐怖が宿っている。あとは優しくしてまた落として.....それを繰り返すんだ。


「副将に済賀様はどうですか??いべらっ!?」


血迷った事をほざく宇宙人をぶん殴る。
殺すぞマジで。


「首だけなら副将として掲げてやってもいいぞ?なぁクソボッチ」

「黙れ赤猿が」


忌々しい。未途の記憶を上塗りしたコイツも、未途を囲う糞メガネも.......。ぶっ飛ばしたい。

だが何より、未途の異常性に気づかなかった俺を殴りてぇ。


くるりと自分の手の中にあるカードキーを指で弾いて上に飛ばす。そしてパシリと掴みため息をついた。
せっかく金券で得た未途の部屋のカードキーも使い道がねぇしなぁ。船釣り?あんなん家の所有してる船でできる。


これからどうするか......。
未途はもう記憶を思い出している。なのに普通だ。俺を見る瞳に恐怖はもうない。

まったく.....思い通りにならねぇな

あぁクソが





(血は争えない)

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