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第23話 モブAの嘆き
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side モブA
この学園の力ある人達はみんな頭がおかしい。
特に幼等部からのエスカレーター組。
やることが頭おかしい....いやホントに。
俺ことモブAは中学からこの学園に入ったが、まず生徒会の破天荒さと風紀委員の不気味さに度肝を抜かれた。そして男同志の恋愛が普通と聞き、卒倒しかけた。
まぁそれも数ヶ月経てば慣れて馴染んだけどな。
ここで有名、というか人気のあるヤツらは親衛隊なんてものを持っている。
規模がデカイのは生徒会と風紀委員長と咲洲先生と済賀のとこだ。
そこの親衛隊はとにかくヤバい。
会長は寄ってくるやつを取っかえ引っ変え抱くから親衛隊はピリピリしてるし。
副会長は私生活が謎で親衛隊も狂信者みたいだし。
会計は会長と同じで性に緩いから親衛隊荒れてるし。会長のとこより魔窟だぞ。
書記は.......知りたくねぇ。
風紀委員長は得体が知れなくて、親衛隊は手足のように動かされてる。あそこの親衛隊は委員長に恋愛感情あるのか?
咲洲先生のとこは地雷持ちのやつが多くて怖いし。先生放置してんだぜ?親衛隊のヤツらを。だから病む奴やメンヘラになる奴とか続出してる。
濟賀のとこは恐怖政治だし。なんでアイツら親衛隊なんてやってんだろうな?
「おいモブA、次は移動教室だぞ。」
「あいあいさー。」
「.....それにしても落ち着いてんなぁ。前は廊下とかでキャットファイトしてたのに、こんなにも静かだ。」
「それなぁー。まぁそれも全部猫のおかげだ。」
猫.....それはこの学園に入学してきた哀れな贄だ。
親衛隊の奴らは羨ましそうに見ているが俺としては同情を禁じ得ない。
何度か会長から逃げている姿を見ているが、あれのどこを見て羨ましく思うのか.....。恐怖で顔が歪んでたぞ。
猫は入学してきて早々に会長に目をつけられ、濟賀、咲洲先生に気に入られた。
それを親衛隊は黙って見てたと思うか?
そりゃ動いたさ。そんで一時期、嵐の前の静けさっていうのか、親衛隊の制裁がいっせいに止んだときがあった。
俺もその時ビビったね。廊下が静かでどこも殴り合いとかしてなくてさぁ....。
いつ親衛隊が制裁に乗り出すのかヒヤヒヤしてたんだけどついぞ親衛隊は動かなかった。
「親衛隊も変わったよなぁ。」
「.....会長が直々に手を下したんだ。そりゃ大人しくなるだろ。」
「やっぱ会長って猫のこと好きだよな?」
「だろうよ。あの転校生にキスした時はびっくりしたが、その後はいつも通り猫に構ってたし。」
「俺は猫が可哀想でしょうがないぞ.....。」
「俺は尊敬してるぞ。」
何が尊敬だ。
まぁ猫のおかげで会長の遊びも、咲洲先生の誘惑も、濟賀の暴力も収まったからな。
最近ではあの風紀委員長ですらメロメロというじゃないか。
まさに魔性だ。
この学園の人気者を虜にする猫は嫌われていると思うだろうがそんなことない。
逆に何故か人気だ。
生徒会の親衛隊の中では猫を癒しと言うやつらもいるとか。
確かにフラフラと歩いて蹲って眠る姿は不覚にもキュンときた。
「モブA聞いたか?」
「何を?」
「会長の親衛隊、猫と会長の恋を応援する隊らしいぜ?」
「はぁ?」
何言ってんだこいつ
「だかーらー、会長の親衛隊の奴ら殆ど猫と会長の恋を応援してるんだよ。」
「ええ!?あの嫉妬の塊のような親衛隊が!?」
「そうだ。びっくりだよなぁ。」
「うわぁー.....。でも望み薄じゃね?」
「......うん、まぁ。」
猫めっちゃ会長嫌ってんじゃん。見てるこっちからしてもその嫌悪感が伝わってくる。
「尊敬はするけど近づきたくはないなぁ。猫には。」
「俺、結構猫のこと好きだから。話してみたいなぁ。友達になってみてぇ。」
「ほぉー、お前猫屋のこと好きなのか?」
「「ひっ」」
俺は大きな手にがしりと頭をわし掴まれた。
ギギギと視線を後ろに向けると、目の笑ってない笑顔をした咲洲先生が俺を見ていた。
「お前猫屋のこと好きなのか?」
回答を間違えたら死が待っている。
俺はそう感じた。
「い、や。そんなワケないですよ。俺が猫を好きなんて。」
しばしの沈黙。
「ははっ、だよな。......ならいい。」
咲洲先生は俺の頭をポンポンと叩いて俺達を追い抜いて行った。
「こ、怖かった。」
「おいモブA!滅多なこと言うなよ!?」
「俺はただ猫のことをっ」
「それを口にすんなっつってんだよ!」
ほんとにこの学園はおかしい。
ただ話してみたいだけなのに、友達になりたいだけなのに、恋愛感情の好きじゃないのに。
「頭おかしいぞ.....」
「今更だ。咲洲先生もガチだし、周りを見てものを言えよ?」
「.....うん。」
「さ、行こうぜ。」
移動教室のため2-2の前を通った時、ふと中を覗いてみた。
猫を一目見たかったのだ。
咲洲先生により俺のライフポイントは瀕死状態だ。だから猫で癒しをっ!
しかし猫は教室にいなかった。
お、俺の癒しが.....
モブAの見解
《会長》猫に関することで行動力がヤバい。一度生徒会の親衛隊を半殺しにしたらしい。キレると手が付けられない。一度キレていたところを見た事あるが、あれは人間じゃない。
《副会長》何もしてないのに信者が増えてる。親衛隊はなんでそんな副会長命みたいなこと言うの?最近は転校生のために巨大な水槽を買ったとか....
《会計》性関係に爛れすぎていてヤバい。ノンケもネコに堕とすため、俺にとっちゃ天敵。
《書記》.......ビッ((殴
《風紀委員長》得体が知れない。可愛いチワワ男子にすら顔面を躊躇なく殴る。こいつに人の心はない(確信)。時々どっかから電波受信してるんじゃないかと思うほど、言動が変わる。
《咲洲先生》人を弄んどいて、飽きたら存在ごと忘れるクソみたいな大人。こいつの被害者は大抵病んだり、メンヘラ化する。まじ迷惑。
《濟賀》頭がおかしいくらいの暴力大好き人間。道に迷った1年生が濟賀に道を聞こうと近づいたが、殴り飛ばされていた。近づく奴は誰であろうと殴るヤバいやつ。でも猫が入学してきてからは丸くなった.....?
この学園の力ある人達はみんな頭がおかしい。
特に幼等部からのエスカレーター組。
やることが頭おかしい....いやホントに。
俺ことモブAは中学からこの学園に入ったが、まず生徒会の破天荒さと風紀委員の不気味さに度肝を抜かれた。そして男同志の恋愛が普通と聞き、卒倒しかけた。
まぁそれも数ヶ月経てば慣れて馴染んだけどな。
ここで有名、というか人気のあるヤツらは親衛隊なんてものを持っている。
規模がデカイのは生徒会と風紀委員長と咲洲先生と済賀のとこだ。
そこの親衛隊はとにかくヤバい。
会長は寄ってくるやつを取っかえ引っ変え抱くから親衛隊はピリピリしてるし。
副会長は私生活が謎で親衛隊も狂信者みたいだし。
会計は会長と同じで性に緩いから親衛隊荒れてるし。会長のとこより魔窟だぞ。
書記は.......知りたくねぇ。
風紀委員長は得体が知れなくて、親衛隊は手足のように動かされてる。あそこの親衛隊は委員長に恋愛感情あるのか?
咲洲先生のとこは地雷持ちのやつが多くて怖いし。先生放置してんだぜ?親衛隊のヤツらを。だから病む奴やメンヘラになる奴とか続出してる。
濟賀のとこは恐怖政治だし。なんでアイツら親衛隊なんてやってんだろうな?
「おいモブA、次は移動教室だぞ。」
「あいあいさー。」
「.....それにしても落ち着いてんなぁ。前は廊下とかでキャットファイトしてたのに、こんなにも静かだ。」
「それなぁー。まぁそれも全部猫のおかげだ。」
猫.....それはこの学園に入学してきた哀れな贄だ。
親衛隊の奴らは羨ましそうに見ているが俺としては同情を禁じ得ない。
何度か会長から逃げている姿を見ているが、あれのどこを見て羨ましく思うのか.....。恐怖で顔が歪んでたぞ。
猫は入学してきて早々に会長に目をつけられ、濟賀、咲洲先生に気に入られた。
それを親衛隊は黙って見てたと思うか?
そりゃ動いたさ。そんで一時期、嵐の前の静けさっていうのか、親衛隊の制裁がいっせいに止んだときがあった。
俺もその時ビビったね。廊下が静かでどこも殴り合いとかしてなくてさぁ....。
いつ親衛隊が制裁に乗り出すのかヒヤヒヤしてたんだけどついぞ親衛隊は動かなかった。
「親衛隊も変わったよなぁ。」
「.....会長が直々に手を下したんだ。そりゃ大人しくなるだろ。」
「やっぱ会長って猫のこと好きだよな?」
「だろうよ。あの転校生にキスした時はびっくりしたが、その後はいつも通り猫に構ってたし。」
「俺は猫が可哀想でしょうがないぞ.....。」
「俺は尊敬してるぞ。」
何が尊敬だ。
まぁ猫のおかげで会長の遊びも、咲洲先生の誘惑も、濟賀の暴力も収まったからな。
最近ではあの風紀委員長ですらメロメロというじゃないか。
まさに魔性だ。
この学園の人気者を虜にする猫は嫌われていると思うだろうがそんなことない。
逆に何故か人気だ。
生徒会の親衛隊の中では猫を癒しと言うやつらもいるとか。
確かにフラフラと歩いて蹲って眠る姿は不覚にもキュンときた。
「モブA聞いたか?」
「何を?」
「会長の親衛隊、猫と会長の恋を応援する隊らしいぜ?」
「はぁ?」
何言ってんだこいつ
「だかーらー、会長の親衛隊の奴ら殆ど猫と会長の恋を応援してるんだよ。」
「ええ!?あの嫉妬の塊のような親衛隊が!?」
「そうだ。びっくりだよなぁ。」
「うわぁー.....。でも望み薄じゃね?」
「......うん、まぁ。」
猫めっちゃ会長嫌ってんじゃん。見てるこっちからしてもその嫌悪感が伝わってくる。
「尊敬はするけど近づきたくはないなぁ。猫には。」
「俺、結構猫のこと好きだから。話してみたいなぁ。友達になってみてぇ。」
「ほぉー、お前猫屋のこと好きなのか?」
「「ひっ」」
俺は大きな手にがしりと頭をわし掴まれた。
ギギギと視線を後ろに向けると、目の笑ってない笑顔をした咲洲先生が俺を見ていた。
「お前猫屋のこと好きなのか?」
回答を間違えたら死が待っている。
俺はそう感じた。
「い、や。そんなワケないですよ。俺が猫を好きなんて。」
しばしの沈黙。
「ははっ、だよな。......ならいい。」
咲洲先生は俺の頭をポンポンと叩いて俺達を追い抜いて行った。
「こ、怖かった。」
「おいモブA!滅多なこと言うなよ!?」
「俺はただ猫のことをっ」
「それを口にすんなっつってんだよ!」
ほんとにこの学園はおかしい。
ただ話してみたいだけなのに、友達になりたいだけなのに、恋愛感情の好きじゃないのに。
「頭おかしいぞ.....」
「今更だ。咲洲先生もガチだし、周りを見てものを言えよ?」
「.....うん。」
「さ、行こうぜ。」
移動教室のため2-2の前を通った時、ふと中を覗いてみた。
猫を一目見たかったのだ。
咲洲先生により俺のライフポイントは瀕死状態だ。だから猫で癒しをっ!
しかし猫は教室にいなかった。
お、俺の癒しが.....
モブAの見解
《会長》猫に関することで行動力がヤバい。一度生徒会の親衛隊を半殺しにしたらしい。キレると手が付けられない。一度キレていたところを見た事あるが、あれは人間じゃない。
《副会長》何もしてないのに信者が増えてる。親衛隊はなんでそんな副会長命みたいなこと言うの?最近は転校生のために巨大な水槽を買ったとか....
《会計》性関係に爛れすぎていてヤバい。ノンケもネコに堕とすため、俺にとっちゃ天敵。
《書記》.......ビッ((殴
《風紀委員長》得体が知れない。可愛いチワワ男子にすら顔面を躊躇なく殴る。こいつに人の心はない(確信)。時々どっかから電波受信してるんじゃないかと思うほど、言動が変わる。
《咲洲先生》人を弄んどいて、飽きたら存在ごと忘れるクソみたいな大人。こいつの被害者は大抵病んだり、メンヘラ化する。まじ迷惑。
《濟賀》頭がおかしいくらいの暴力大好き人間。道に迷った1年生が濟賀に道を聞こうと近づいたが、殴り飛ばされていた。近づく奴は誰であろうと殴るヤバいやつ。でも猫が入学してきてからは丸くなった.....?
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