八尋学園平凡(?)奮闘記

キセイ

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第21話 処理だってよ ーR

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誰かが俺を呼んでる気がする。
未途、未途、未途って。
あぁでもごめん。なんか、目覚めたくないな。
起きてもきっと嫌なことばかりだろうから。


「.....未途!」


うるさいな。やめてよ。
俺は現実を見たくないんだ。


「......未途!」


.....わかった。わかったよ。
もう起きるからそんなに名前を連呼しないで。

重い瞼を開けると目に入ったのは、真っ黒な瞳と白髪ピンクメッシュ髪。


「やっと起きたんか未途!!」

「.........辰巳君?」

「っ何があったん?」


何があったのか?そんなの俺の姿を見ればわかるでしょ?
自分の姿を見る。
制服は白濁で汚れ、下半身は真っ裸。床には俺の後孔から溢れたであろう液体が垂れている。

床の精液に赤いものが混じっていたから、多分俺の後孔は裂けているのだろう。行為中聞いたあの音はこれだったのかもしれない。


「見たらわかるでしょ?」

「っ」


なんで辰巳君がそんな顔するの?


「なぁ未途。触れてもええか?」

「?.......別にいいけど。俺汚いよ?」


言った瞬間抱きしめられた。
俺....今汚いのに。
抱きしめてきた辰巳君は暖かく感じて、なんだかその感触に居心地悪くなった。


「未途は汚ない。」

「そう?というかなんでここに辰巳君がいるの?」

「風紀の見回りや。遅なってスマン.....。もっとワイがはよ見回っていれば!」

「そんなの気にしないで。俺が油断してたのが悪かったんだし。もういいから......今は早く帰って寝たい。」


精神的にも肉体的にも、もう限界。


「未途ワイの部屋に来い。あ~......いろいろ聞かないかんこともあるし、処理もせなあかん。」

「あぁうん。いいけど。」


辰巳君には以前怖い思いさせられたけど、今はもう気にする余裕がない。
ただ、知ってる顔がそばに居るだけで今すごい安心できてる。
.....辰巳君に安心する日がくるなんて思わなかった。なんだかちょっと笑えるなぁ。


「ええんか!?」

「うん。......なんで辰巳君驚いてるの?」

「いや、絶対断る思っとった。よっしゃ、じゃあ行くで!」

「OK。ということでおぶってって。俺身体動かせない。」

「任せとき!.....え?ワイがおぶってくんか!?」

「下半身うごかん。」

「....未途。必ずワイがその強姦魔殺したる。だからそんな顔せぇへんといてくれや。」


俺の顔?
フニフニと自分の顔を触るが、いつものにこやかな顔だ。辰巳君が言うそんな顔とはどんな顔なんだろう?


「俺がどんな顔してるか知らないけど、行くなら早く行こう。」

「.....せやな。」


パンツとズボンを何とか履き、ヨロヨロと立ち上がる。お尻に違和感が....なんかお腹も暖かく感じるし。......多分中に出された精液が残ってるんだろうなぁ。早く出さなきゃお腹壊しそう。


「ほな行くで。」

「人目がないとこ通ってね。辰巳君と一緒にいると騒がれるから。」

「はいはい。」

「.....少し眠るね」

「ああ。」


ゆらゆらゆらゆら。
揺れて心地い。




「未途着いたで、起きいや。風呂入ってはよ中のもん出さなあかん。」

「ん、......起きた。」

「ほな服脱ごうな。」

「うん.....。」

「未途まだ寝ぼけとんなぁ。」

「うん......」

「はぁ、ワイが処理するけどええよな?」

「うん.....」


後ろから抱きかかえられ後孔に指を突っ込まれる。
その瞬間眠気は吹っ飛び、蘇ったのはあの忌まわしい記憶と感触。


「っやめろ!俺に触るな!」

「落ち着きい未途。ワイや。辰巳やで」


あぁなんだ辰巳君か.....じゃなくて!!
なんで俺の後孔に指突っ込んでんの?
まさか襲う気?

身体がガタガタと震える。


「別に未途を襲う気はない。ただ中のもん処理するだけや。自分で処理できへんやろ?だから震えんといてぇな。」

「っわかった......。」


精液処理のためだ。我慢我慢。
辰巳君の言う通り、俺は自分の後孔に指なんて突っ込めないから....。


ヌチュッ、グプッ、グポッ......トロリ


「ひにゅっ、ぅ....うぁっ、んん、~っ、あぅ」

「み~と~、ほらこっち向きい。顔見たい。.....あ~可愛ええ、食っちまいたいなぁ。でも、ちゃーんと我慢するでぇ。この状態の未途に手ぇ出すほどワイは落ちぶれてない。っでも.......堪忍なぁ、キスだけ。キスだけは許してぇな。」

「ちゅっ、あ......んんっ、ぁむ、ふっ....はっ」


グチュグチュと音が響く。
顔を後ろに向かされ、キスをされた。舌を擦られ唾液が口の端から溢れる。

強姦魔の行為と辰巳君の行為は何が違うのだろうか?
正体不明の男と顔見知りの男
俺に対する好意の有無?

でもどちらにも俺の気持ちはない。
強姦魔は怖いし、なんなら辰巳君も怖い。

つまり、辰巳君のこの行為も強姦.....?
いや、でも俺が許可したから強姦じゃないか?

俺は現実逃避のように取り留めないことを考えた。
なんで現実逃避するか?
.....辰巳君が後孔を弄ってるから、下腹部に熱が溜まってるんだよね。.....つまりチンコ勃った。


「た、つみくん、もういいっ、もういいからっ、ぜんぶ、でたから!」

「まだもう少し、未途まだイけとらんやろ?だからワイがイかせたる。そのままやと辛いやろうし。」


彼に文句を言おうと目を向けるが、何も言えなかった。
辰巳君の真っ黒な瞳はギラギラと揺れていて、俺を焼き殺しそうなほどの熱を感じたんだ。

そんな瞳を見たくなくて、俺は目を閉じてしまった。しかし俺の行動は辰巳君にとってはOKサインに思えたようで、掻き出すように動かしていた指が前立腺に擦り付けるように動き始めた。


「んぐっぁ、ああっ、ひっ....んっあ、はっぁ、はっ、まって!ぁっ」

「あぁムカつく。ワイのっ、ワイの未途を犯しやがって!強姦魔めっ、見つけたら絶対に殺す。っ未途、未途っ、なぁ犯されたことなんて忘れてくれや。ワイが塗り替えたるっ、だから.....」


ギュッと密着され、背中越しに硬いモノを感じた。
あぁ......この人俺に欲情してるよ。
強姦魔もそうだけど、よく俺に勃つよね。

それと今気づいたけど、辰巳君制服姿のままシャワー浴びてんじゃん。....メガネ取った方がイケメンだよ、やっぱり。


「未途っ」


切羽詰まった声。
強姦魔とちがって辰巳君はちゃんと待ってくれる(.....多分)。
今だって堪えているんだろう。

でもさ、俺セックス怖いんだよね。


「やだ。」

「っ了解や。ほなイかすで?辛かったらワイの手噛んどき。歯食いしばったらアカンで?」


グップグップ、ジュブッ


「あっ、ん.....でそ、う、ああ!ふうっ、あっ、あっ、あっ、イっ~~~~!!!!」


精液が飛び散った。
下腹部に溜まった熱が吐き出され楽になるが、身体が鉛のように重く感じる。
ジャージャーと当たるシャワーが気持ちよくてそのまま眠りに落ちたくなった。


「未途眠ってもええで。ワイが全部やっとくから、安心して眠りぃ。」

「んん........」


ざあざあざあ......

あぁ気持ちいなぁ。





ーーーーーーーーーーーーーー


ある教室で6人の生徒たちが集まっていた。
1人は面倒くさそうに。
1人はニヤニヤと笑うように。
1人は憂うように。
1人は無表情に。
後の2人の顔はどこか険しい。

シーンとした教室内で、
険しい顔をした1人が口火を切った。


「おい、このままでいいのか?」

「いいわけないでしょ?こっちはあの糞マリモを潰したいだけなのに風紀に目つけられるわ、最近相手にされないわで最悪なんだけど。どうしてくれんの?」

「いや、俺に言われてもなんも出来ねぇよ。八つ当たりすんな。」

「チッ、木偶の坊が。」

「おい、喧嘩なら買うぞ?クソビッチ。」

「はいはい、そこまでだ。喧嘩すんならこの会合終わってからにしろ。」

「その顔でその口調やめてくんないかな?」

「顔はどうしようもねぇし、口調は俺の勝手だ。」

「つまり諦めろだとクソビッチ。」

「殺す。」

「はいはい、やめろって。じゃあ始めんぞ。進行役は第一席の俺こと進藤が務める。第二席新又あらまたいるか?」

「はい居ます。」

「第三席胡馬こば

「はいはーい。」

「第四席比島ひじま

「あいよ。」

「第五席葉鳥はとり

「はい。」

「第六席伊武谷いぶやは欠席で、第七席ゴミ」

「酷くない!?」

「じゃあチビ」

「胡馬君の方がちっちゃいし!」

「チビは置いといて話進めんぞ。議題はマリモ。」

「無視!?」

「もう暗殺しかなくない?あの糞マリモ何気に強くて真正面からだとこっちが潰されるんだけど。」

「それか拘束してからリンチか。」

「その拘束がムズいんだってば。考えろよ木偶の坊。」

「おいビッチ、誰のおかげでそっちの被害が少なくなってると思ってるんだ?」

「それは葉鳥のおかげでしょ?ありがとね葉鳥。」

「葉鳥じゃねーよ!俺だよ!!葉鳥がそんな融通利かせるわけねぇだろ!」

「お二人共それくらいにしてください。話が進みません。私としても早くあの不潔物マリモを処理したいんですよ。.....あぁっ、華谷様の御身があの不潔物マリモに穢されていると思うとどうにかなってしまいそうですっっ!」

「どーどー、落ち着け新又。お前が暴走するとその下も暴走するんだから。はぁ、胡馬と比島。下は抑えれてるか?」

「僕んとこはもう限界かな。」

「俺のとこは余裕がある。というかマリモはネコだろ?朱里様とは相容れない。そこら辺こっちはわかってるから大丈夫だ。」

「なんで糞マリモがネコってわかるのさ。」

「いや、初々しいじゃん。食堂事件からして。」

「えーっと、まとめると胡馬のとこがもう限界で比島は余裕ありと。じゃあ、比島んとこは胡馬の尻拭いな。」

「は!?そんなん今と変わんねぇじゃねぇか!!」

「僕はいいよ。」

「いいよじゃねぇよ!っ新又はどうなんだよ?こいつんとこも余裕あるだろ!?」

「新又どうだ?」

「やっと私たちが動けるんですね?お任せを、あの不潔物を一瞬で片付けてみせましょう。」

「だとよ。どうする比島?」

「やっぱ俺んとこだけでいいわ。新又が動くと被害が大きくなる。」

「いい判断だ。」

「そう言う進藤君のとこはどうなの?」

「なんだチビ、まだ居たのか。」

「進藤君、俺に対して当たり強くない!?」

「私も気になりますね。見ていると明らかに不潔物は会長を特別視しているように見えますが?」

「俺んとこは心配しなくてもいいぜ?1人を除いて制裁は自由にやってもいいって言ってあるからな。まぁ後は自己責任だが。」

「自己責任?言うねぇ進藤は。会長の顔に泥を塗った奴は再起不能にするくせに。そこの奴らはお前を怖がって全然制裁しないじゃん?」



ピピピピッ


胡馬が進藤に鼻で笑う様に言葉を吐き、進藤が何かを言い返そうとした時それは鳴った。


「今の音は....葉鳥?どうしたんだ?」


今までの会話の中で話に入らなかった葉鳥がスマホを険しい顔で見ていた。
いつも無表情な葉鳥がそんな顔をするのが珍しく、進藤は興味本位で聞いてしまった。
この後面倒臭い事態になることを知らずに。


「猫が強姦されたそうだ。この中に猫に制裁指示をだした奴はいるか?」


葉鳥の怒りに満ちた声が響く。
その場に居るもの達は葉鳥の感情を顕にした顔ではなく、言われた内容に固まった。


「は、はは、ここにそんな命知らずの命令するやつ居るわけないじゃん。」

「胡馬の言う通りだ。俺達のとこは誓ってそんな事させてない。.....命が惜しいんでな。」

「私のとこもないです。」

「おい、葉鳥。情報こっちにも回せ。場合によっちゃアイツが暴走するかもしれねぇ。」

「......わかった。」

「いいかお前ら?このことは広めんなよ。調査は俺んとこと葉鳥のとこがやる。巻き込まれたくなきゃ暫く大人しくしてろ。」


進藤の言葉にそれぞれ了解の意を示し解散となった。
どうやら猫の強姦騒ぎでマリモへの制裁は一時静まる運びとなるそうだ。

教室に1人残った男は笑う。


「あ~あ、結局俺は最後まで無視かぁ。」


その笑顔はニヤニヤと歪んでいた。
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