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幕間
ある御屋敷で-part1
しおりを挟む「え、遊びに行こう?」
『おう!1泊2日で温泉!!メンバーはイツメン!』
イツメンということは、兎君・宮野君・瀧ちゃん・文ちゃん・ケーキ君....それに僕の計6人か。
「高校生の僕らだけで1泊2日って色々制限されません?」
『引率頼んだから大丈夫だぜ!!燈弥も知ってるだろ?御影先生だ!!』
ミカゲ先生......生徒会顧問の真波 御影先生!?
ポルターガイストで殺しにかかってくるあの!?
あっ、ちょっともう胃がキリキリしてきた。
『先生が車で送ってってくれるって』
6人となるとバン系の車か。....大丈夫??事故ったりしない?だって真波先生だよ?
「.....僕は今回棄権――」
『じゃ!用意しとけよな!4日後○○駅に集合だから!』
────ブツッ
あ~......やだぁ。
「聞いてたよね?僕の予定埋まりました」
僕に凭れながら何やら書類を捲っているヒナちゃんにそういえば「ご愁傷さま」と返された。
「ヒナちゃんも一緒に行こう。僕が頼み込むよ」
「真波が居るから行かねぇ」
僕から離れるのを嫌がる彼がすんなり離れる選択肢を取る真波先生っていったい.....。
「というか実家帰るんじゃねぇのか」
「居心地が良くてつい」
「なら一生ここに居ろ」
「....やっぱり明日帰るぅ」
急にぶち込まれる激重感情に瀕死になりかける。サラッと言うもんだから身構えることも出来ず、モロ食らうんだよねぇ。しかもなんてことない声音と態度で言うもんだから釣られて「やったー」とか言いそうになるからマジで危ない。
勢いでヒナちゃんの言葉に頷いた日には僕、一生囚われるかも。ははっ、考えただけで冷や汗出ちゃうネ......。
そして次の日
「え、増えた???」
『おう!なんか御影先生が全生徒に声をかけて参加者募ったらしいぞ。お金全部出すから参加しないかって。あ、俺らの分も全部払ってくれるって!御影先生は太っ腹だよな』
なーにやっとるんだあの教師。個人で修学旅行をやるつもりなの??
「.....それでどうなったんです?」
『全校生徒に声掛けて増えたの4人だけ!』
少....いや多いのか?あの真波先生の誘いを受けた生徒が4人もいると考えると....多いな。これが普通の教師ならもっと来ただろうけど。だって全部の費用払ってくれるんだよ??
4人かぁ.....鎖真那双子とMr.ウマシカ、笹ちゃんかな?真波先生を恐れない命知らずと、僕のそばに居たがる狂人....うん、なんか来そう。
「あ~....その4人が誰か知ってます?」
『知らない。興味あんのか?御影先生に聞く?』
「いえ、そこまでしなくていいです。ほんの少しの興味で聞いただけですから」
『そうか?ならまた当日にな!』
────ブツッ
「ヒナちゃん」
「俺は行かねぇ」
まだ何も言ってないじゃん。
「はぁ....なら次に会うのは新学期だね。2月だっけ?――2週間後じゃん」
「そうだな。......連絡しろよ」
はいはい。
じゃあまた新学期でお会いしましょう。
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