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第九章 心乱れる10月
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しおりを挟む『なんでバレたんだよ』的な顔をする弟君の肩を押すと、彼は簡単に尻もちを着いた。
「ぃって、何すんだ」
「なんだろうね?」
僕は弟君に見えるように脚を開く。そういえばまだ処理をしていなかった。後ろに倒れないよう左手をタイルにつき、右手を後孔に。
────つぷん
指は簡単に後孔に飲み込まれた。
「んっ、んぅっ、はぁ....!ぁあ.....ッ」
指を動かせばぐちゅぐちゅといやらしい音が鳴る。身体だけ綺麗にしてここ放置とか本当にサマ臣君はいい趣味してるよねっ!!
アナニーはしたことないけど、自分の気持ちいいところはすぐに分かった。そこを避け、なんとか奥に出された精液を掻き出す。
あははっ、人前で見えるよう脚を広げて、こんなことするなんて僕はどうかしている。でも、どうかしていると分かっていても、止める理由が僕にはなかった。
だって、こんなにも気分がいい。
口を半開きにして目を見開いている弟君。
ドロドロと白濁を吐き出す後孔をガン見する弟君。
そして、苦しそうにテントを張った弟君の下腹部。
「んんっ、君って...はぁっ、案外かわいいね」
皆が褒めるこの顔で優しく笑いかければ、彼は電池が切れたおもちゃのようにプッツリと後ろに倒れた。
「っぷ!あっははははははははははははは!!」
爆笑。久しぶりにこんな大笑いした気がする。
弟君はサマ臣君と違って随分と可愛い。
「オイオイ、あんまし重臣を虐めてやんなよ」
お風呂場にひょこりと顔を出したサマ臣君。
彼が弟君をズリズリと運ぶ様子を尻目に見ながら、身体を洗い流しシャワーの栓を閉める。
洗面所に出ればタオルを渡された。
「.....いい顔だ。益々綺麗になったんじゃねぇ?」
「はっ、それはどうも。弟君のおかげだね」
「お礼にしちゃ意地悪が過ぎたな」
「全部見ていたくせに何を言うのさ。君、本当に読めないね。何がしたかったの」
この様子からして弟君を嗾けたのはサマ臣君だろう。
「重臣がお前を壊してオレが手を差し伸べるのも良し、重臣のちょっかいを跳ね返して強くなったお前を見るのも良し。.....オレにとっちゃどっちに転んでもよかったんだよなぁ」
「可愛くないね君。僕、弟君の方が好きかも」
「.....なんだ可愛いのが好みなのか。というか燈弥って好きとかあんまし口に出さねぇやつだったろ。どうした」
「サマ臣君の言う通り吹っ切れたんだよ。僕の言葉で誰かが左右されようが気にしないことにする。....決めたからね。僕は僕自身を消費してでも生きてやる、って」
普通に生きることを僕は望んでいた。でも、もう普通ではない僕にその生き方はできない。
うん、だから『ただ生きる』ことに執着する。そのためにセックスだろうが殺しだろうが、なんでもやるよ。もう、引き返さない。
「ぁ~あ~.....今無性にキスしたい。ずりぃってその顔。殺気出てる。な、セックスしよ。セックス無理なら闘いたい」
「盛るな。まずは弟君をどうするかでしょ」
「.....とりあえず全部剥いてベッドに転がしときゃいんじゃね?」
それ採用。
まぁ僕は優しいから、下着だけは剥がないでいてあげるよ。
と、まぁご丁寧に濡れた身体まで拭いて、風邪ひかないようべちょべちょの服をぬがしてあげてたのに......
「雅臣ーーーーーーっ、おれっち襲われてるぅぅぅ!!!」
「その言い草は腹立つ」
善意を悪意で返された。
本当に襲ってあげようか?今の僕なら喜んで君を犯すよ。君に対してなら主導権を握れる自信あるし。
「1回燈弥に襲われてみたらどうだ重臣。お前もいい加減ちゃんとしたセックス知っといた方がいいぞ」
あぁ、そういえば弟君は快楽殺人鬼だったね。腹を裂いてやるか、死体で行為に及ぶか.....マジでどうかしている。
でも、それらが普通のセックスを知ることで、収まるなら僕が抱かれるのもやぶさかではない。それ即ち、風紀の仕事が減るから。
「遠慮しときマース。おれっちのことは気にせずお前ら2人で――」
「いいよ、やろうか」
「ひげぇっ.....!」
なに、今のカエルが轢き殺されたような鳴き声は。弟君の上に乗っかったら、そんな声出るとか予想外すぎて.....笑えるっ、かわいいぃ。
「あっはははは!なに君!?僕の琴線にことごとく触れてくるじゃん!!」
「だから重臣をあんまし苛めんなって。.....おら、重臣。ゴムだ」
「ま、まさおみ~っ」
ゴム?珍しいね.....。
弟君はゴムなしじゃ普通にセックスできないの?
「んじゃ、さっさと終わらそーぜ。根暗君、散々雅臣にやられて後ろ解れてんだろ」
なんだその落ち着きようは。さっきまで不安そうにオロオロしていた君はどこいったんだ。ゴムが君の精神安定剤なの??
ちょっと解せないが、さっさと終わらすのには賛成なため、早速向かい合ってキスをした。
ちゅ、ちゅ、と触れているだけなのにいちいち肩をびくつかせてキョドる弟君がものすっごく可愛い。クソ可愛くないサマ臣君を知っているから、尚更可愛いと思ってしまう。
首に腕を回し、キスを深くする。上顎を擦ればぎ彼はこちないながらも僕の背に手を回し、躊躇いがちに引き寄せてきた。
「ふっ、ん....僕のに舌絡めて....うん、はぁ....上手」
ぅ、がっついてきた。こういうところそっくりだなサマ臣君と。胸に手を当て距離をおけば、勃ち上がった弟君の性器が視界に入る。
「君の言った通り、さっさと終わらせよう」
「.....もうちょっと」
「は?んんっ!?」
この双子はキスが本当に大好きだね。んじゃ僕は苦しそうな弟君のコレを相手しよう。
優しく握り込み、ゆっくりと上下に扱く。垂れていた先走りを全体に広げるように指でまぶし、撫でる。
うっ、と低い声が聞こえた。強く握り込み激しく上下すれば、弟君は僕の肩口に頭を押し付け、犬のようにグリグリと擦り付けてくる。時たま情けない唸り声を上げながら肩に甘噛みをし、甘えるような仕草をしてきた。他にも指が食い込むほど、僕の腕を握ったり.....無意識かな?まるで加減を知らない。
.....こういうのを見ると、彼が普通の性行為を知らないんだと実感する。
「イきそう?」
「っう、っせぇ!」
「はいはい」
1発イっておこうね。
僕は亀頭を擦った後、グリっと鈴口に親指を突き立てた。
「ぐっ、ぎ.....ぃ!!」
びゅるると勢いよく白濁が飛び散る。断続的に吹き出た精液が弟君の胸元を濡らした。んー、溜まってた?ドロっとして、量が多い。
「ぅあ....っ、はぁ....はっ....んむ、ふっ....」
息を荒らげたまま、興奮したように口を塞いできた弟君。性急ながらも、ガツガツと食むように舌を絡めてきた。息継ぎの合間に弟君の性器を見れば、もう既に臨戦態勢。
....僕もいい加減イきたい。そろそろいいかな?
「弟君、ゴム.....」
「まだちゅーしたいぃ」
「挿入れてから」
「ッ、くそ....!」
悪態をつきながらも逸るようにゴムをつけた弟君は、『次どうすんだ?』とでも言うように僕を伺い見てきた。
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