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第七章 夏休み☆

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食堂での事件の後、僕はトサカ君の風紀見回りに着いてくことにした。
もっぱらデスクワーク業務だったため、どういう風に見回っているのか興味があった。
もちろん仕事の邪魔はしない。


「今日はどういうルートですか?」

「懲罰棟だ」

「懲罰棟ですか。僕は1度も見たこともないですし、足を踏み入れたこともないですね」


ぶち込まれている人の資料を整えたり、作ったりはしたことあるけど、懲罰棟という場所には縁がなかった。これはいい機会だね。ラッキー。

面倒くさそうなトサカ君には悪いけどちょっとお邪魔させてもらおう。なに、風紀委員ではないけど僕は生徒会だ。懲罰棟に入る権限はあるだろう。


「燈弥には悪いが、風紀以外懲罰棟への出入りは禁止だ。たとえ生徒会でも入れる訳には行かない」

「あらら。それは残念....では懲罰棟の周辺だけでも見ましょうかね」

「それも悪ぃが――」

「周辺を彷徨くのは禁止されてないはずですよね」

「.....確かに禁止はされてないな」

「あはは」


唸るように言うトサカ君の姿から、余程近づいて欲しくないのが窺える。それだけ危険ということなのかもしれない。


「そうだ。見回り行く前に風紀に寄りたいんだが、いいか?」

「もちろんです」


なら差し入れでも持ってこうかな。
ということでトサカ君に購買に寄ってもらって、その後風紀室へ向かった。


「副委員長!!戻ってきたんですか?戻ってきたんですね!?仕事が溜まってます!さぁ、どうぞ!!」

「副委員長が戻ってきたぞー!!」

「差し入れだ!!さっすが副委員長っ」

「登坂!ナイスだ!よく副委員長を連れ戻してきてくれた!」


なんかすごい早とちりされているね。


「歓迎ムードのところ悪いんですけど、僕はまだ副委員長じゃないですから。生徒会です。今日は君達の様子を見にきたんです。あと差し入れを....」


ねぇ、そんな落胆しなくてもいいじゃん。喜んだり、泣いたりと.....全く、騒がしくて大袈裟な人達だ。


「皆さん元気そうでよかったです」

「やっぱり副委員長の役職に就く人はみんな人でなしだよね」

「鬼、鬼がいる」

「僕達がこんな悲しんでるのにっ」

「サイコパスだ....」


ほら元気じゃん。
僕の悪口を言うくらい余裕があるなら大丈夫だよ。


「トサカ君、用は済みました?」

「おう。行こうぜ」


多数の視線を背に感じながら風紀室を出ようとしたら、「副委員長!」と呼び止められた。
僕は副委員長じゃないんだけどなぁ。でも何かを伝えたそうな声音だったから仕方なく振り向く。


「言っときますけど僕は副委員長じゃありません。それで、僕に何か用でも?」


僕を呼び止めたのは、よく一緒にデスクワークを担当していた子だった。


「えっと、報告!今日当番の紫蛇が用事が出来たとの事でシフトを変わりました!しかし、見回り組から紫蛇と黄犀、兎道が一緒に行動していると目撃情報が届き、嫌な予感がするので副委員長にお伝えした所存です!」

「トサカ君どう思います?」

「俺?.....俺は別になんとも。あの3人なら一緒に遊ぶこともあるだろう」

「仕事を休んでまで遊ぶ....というのもたまにはあるでしょうが、僕は嫌な予感がしますね。ああ、報告ありがとうございます。君は仕事に戻ってください――」

「了解です!」


おっと、いけない。副委員長の癖で指示してしまった。


「あの....」

「ん?」


自分の仕事病に嘆いていると、またもや声をかけられる。目をやればいつぞやのおかっぱヘアーの先輩が。


「先輩、どうしました?」

「紫蛇達はゲームをすると言っていました。だから心配なさらず、副委員長はいつも通りお過ごしください」

「ゲームですか。今日発売のものでもあったんですかね……?情報ありがとうございます先輩」

「いえ、.....」


ゲームかぁ。よく紫蛇とシフト変わってくれた子は許したね。『ゲームしたいからシフト変わって』なんて頼まれたら僕は絶対に変わらない。


「解決か?なら行くぞ燈弥」

「.....はぁ、僕は副委員長じゃないので本当は頼らないで欲しいのですけど」

「風紀に来た時点で燈弥は副委員長だろ」

「どういう理屈ですかそれ」









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