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どこかでの会話
ある部屋での会話
しおりを挟む重要なのは後ろ姿
髪は艶やかな黒で
襟足が長いウルフカット
触り心地は絹のようにサラサラが好ましい
身長は160~175
身体は少し筋肉質
そして細過ぎず太過ぎずの四肢
「あ、あの?」
いい。今回は当たりだ。
「あの!」
「あ''?」
「ど、どうして目隠しするんですか?」
「必要ねぇから」
「?」
分からなくて結構。お前が理解する必要もない。
「ぼ、僕....嬉しいです!貴方に相手してもらえるなんてっ。まだ夢なんじゃないかって気持ちもあるけど、その、とにかく嬉しいんです!」
「......」
「あーっ、語彙力皆無ですよね!すいませんっ。なんかこう胸のわーってする気持ちを伝えたくて.....」
「......それで?」
「あ、あの、あああの!僕だけですか!?」
目隠しをしてよかった。歓喜と希望に満ち溢れた目を見たらきっと、首を絞めて殺していたはずだ。
全く――うだうだと聞くに堪えない。最初からそう聞けばいいものを。嬉しいだの気持ちを伝えたいだの....俺にとっちゃどうでもいいんだよ。
「本当の貴方を知っているのは僕だけですか!?」
どいつもこいつも必ずそれを聞いてくる。本当は有無を言わさず行為に及んでもいいが、俺にだって人並みの優しさは持ち合わせているつもりだ。
この質問だけはいつも真摯に答えてやる。
「ああ、お前だけだ」
「~~~っ、ありが――ふがっ!?!?」
答えて直ぐにこいつの口を玩具で塞ぐ。
聞くに堪えない声なら塞ぐ。それは当たり前のことだ。
尻を突き出させるように顔を枕に埋めさせ、行為に及ぼうとしたが、鬱陶しい抵抗にあい両手首を後ろで縛る。
これでよし。
「ふが、ふーっ、ぅむ」
それでもフガフガと豚のようにうるせぇ鳴き声をあげるもんだから一気にその気がなくなる。
後ろ姿は好みなのにこれじゃあ勃つもんも勃たねぇ。
「おい、俺はうるせぇのは嫌いだ。黙れ」
「ぅ.....」
言われて止めるのかよ。うぜぇ。言われて止めるくらいなら最初からやるな。
ああくそっ、どんどん萎える。
これはさっさと終わらせるに限るな。
そう思いながら乱暴に指を後孔に突っ込めば抵抗もなくすんなり沈んだ。まさかと思い指を三本まで増やしたが、それはなんなく入る。
「チッ」
複雑な感情が渦巻く。
楽でいいなという気持ちと、解釈違いだ!という憤り。
もうやる気すら失せそうになるが、ここを我慢すれば…と自身を奮い立たせ、なんとか気を持ち直す。
とにかくさっさと突っ込もう。
萎えた自身を手で扱き勃たせ、投げやりになりながらも突っ込んだ。
「ふぶ!?ぁ''っ、ん''~~!」
─────ビュル、ビュルルッ....ビュ!
.....このクソビッチがっ、挿入れられただけでイきやがった!
目の前が怒りで染まる。アイツはそんなビッチじゃねぇし、たとえビッチでも俺がそういう身体に変えなきゃビッチになるはずがねぇ!
誰だ!誰がお前をそんな身体にした!?!?
「ぅむ''!む''がっ」
「ちくしょう.....ちくしょう!!」
腰を打付ける度にその揺れで黒い髪が乱れ、その間からまっさらなうなじが覗く。
あの日は凸凹があった。俺以外に噛まれたんだ。アイツはっ、俺以外に!噛ませた!
「ふがっ、ふぶぅ....!」
憎らしい憎らしい憎らしい!
その後ろ姿っ!!
いつもいつも俺に背を向け去って行く
憎たらしい後ろ姿。
なんともないような顔で、迷いのない真っ直ぐな瞳で、口元に笑みすら浮かべて!そうして去って行くのだろう?
あぁ''!?
なんで去って行く後ろ姿しか知らないのにそんなの知ってるかって?
だって、きっとそうだろ。なんせあの弥斗だ。
何者にも縛られず、自由。
ありありと想像できる!
....それに言うが、俺は後ろ姿すら見ていない!!
なぜなら弥斗が去って行く時、いつも俺は意識がないからだっ。
――ああそうさ。全部想像だ。まやかしだ。偽りだ。虚像だ。
「い''ぶ~っ.....!い''、むんん''!?!?」
偽物でいいのかって?
よくねぇよ。でもしょうがねぇだろ。だって弥斗は死んだんだ、か.....ら。
....あ?死んだ?
何言ってんだ俺?
「~~っあっはっはっはっはっはww」
「いびゅっ、いぶ、ん''.....がぁっ、ば....~っ!!」
死んだだと?
なら今俺の下で喘いでいるのは誰だ?
狂ったように善がるこいつは誰だ?
「弥斗はずっと俺と一緒にいるもんな?死んだなんてちゃんちゃらおかしいよな?確かにあの日ちゃんと俺は弥斗とちゅーしたもんな?それからずっとずーっと一緒にいるもんな?中学でちゃんとセックスしたもんな?俺達は両思いだもんな?今だってこうやって愛し合ってるもんな?俺は弥斗の好きなとこ全部知ってるぞ。臍の裏側ゴリゴリされんの好きだろ?前立腺を擦られるよりも押しつぶされる方が好きなんだろ?ああ、でも1番好きなのは奥だったな?入口をカリで引っ掛けられるようにグポグポされるの大好きなんだよな。他にも奥に射精されるのも大好きだよな。全部全部俺が満たしてやる。弥斗、弥斗....やと」
愛してる愛してる愛してるっ
「お''ぶ、ふが....ふがっ!」
おい、黙れよお前。
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ーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
「全く....僕がおるのにお構い無しに盛るとか、ほんまようやるわ。さっきなんて急に笑いだしたん見て心配したんやで?とうとう頭やられたか?ってなぁ。あ、いやいや。頭やられとるんは最初からやったな。すまんすまん」
やかましい声にちりじりになっていた思考がいくばかり戻る。
「それしても、もう1箱ないんか?ついこないだ渡したばっかりやのに....過剰摂取はアカンで」
「やと....おれのやとはどこだ」
さっきまで一緒に居たのにそばに居ねぇ。
絶対に居るはずなのに。
しかし、辺りを見渡すが弥斗らしきに人物がいない。ああ、頭がふわふわする。
「やと?あぁ、セックス中狂ったようにあんさんが愛を囁いとった人かいな。それならそこや」
指をさされた方に顔を向けると知らない男が俺のベッドで寝転がっていた。
「誰だアイツ。なんで俺のベッドで寝てんだよ。ふざけんな。誰の許可を得てそこで寝てやがる!」
「はいはい、僕が回収しますよっと。そんな怒らんでもええやん」
う、ぐ?
誰だこいつ。見覚えのある顔だ。聞き覚えのある声だ。こいつは.....こいつは――
「なんだお前か」
「え、今更気づいたん?でもまぁ正気に戻るん早かったなぁ」
「なんの用だ」
「僕はあんさんとの約束を果たしに来たんや。あと、ついでに薬の残量確認。てことで、この子消すけどええか?」
「さっさと消せ」
「人使い荒くて敵わんわ~。そんなんやと愛しの''やと''君に嫌われるで?」
「おい、調子に乗るなよ?テメェごときが弥斗を語るんじゃねぇ」
「ああ怖い怖い。怖すぎて緋賀に口を滑らしそうやわ」
「......」
「......」
「ひゃっひゃっひゃっひゃ」
「あっはっはっはっはっは」
いけ好かねぇ野郎だ。
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