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第六章 貴方が狩りゲーで重視するのはなんですか?

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くっ、病み上がりに暴れたせいか頭が痛い。
早く、早く部屋に戻りたい。だけど.....


「はーなーしーてーーっっ」

「いややーー!僕は今日燈弥君に包まれて寝るんやーー!!」

「......なんだ燈弥お前、颯希に気にいられたのか。災難だなァ。そいつしつこいぞ?」


しつこいのはもう知ってます。というか腰から離れろキャベツ野郎!!服を着るために一旦離してもらったが、僕が服を着たやいなや抱きついてきやがってっ。頼むからもう離れてください......。


「うぅ....なら首から下だけ僕にちょーだい?頭はいらへんねん」

「僕に死ねと???」

「ぐっ、だったら首から下の上半身だけでええ!!」

「だから....僕に死ねと言ってるんですか?」

「だってしょうがないやん。燈弥君の顔、僕の好みちゃうし」

「そんなこと知ったこっちゃねぇです」


ダメだ。ずっと平行線。
あーイライラしてきた。お風呂に浸かるだけのつもりだったのに、こんな時間がかかるなんて。ウィッグにしまい込んでいる髪が蒸れて辛い。


「颯希.....燈弥はまだ調子が悪ぃんだ。あんまり構うな。熱がまたぶり返して――もうぶり返してねぇか?顔真っ赤だぞ燈弥」

「さっきから頭痛いです」

「颯希、オレが蹴り飛ばす前に離れろ」

「急に怖っ!?せやけど、僕に燈弥君の具合の悪さとか関係ないし」


このキャベツ野郎クズだね。キャベツクズだ。
廃棄しないと.....。


「はぁ....燈弥の具合が悪ぃとお前の惚れ込んでる身体にも影響出るんだぞ?」

「はよ元気にならなアカンで?ちゃんと栄養とって養生せぇよ。あっ、寝込んどる時もちゃんと肌のケアするんやで?なんなら僕がしたろか?ついでに看病も」


見事な手のひら返し。腰から離れて心配そうに僕の周りをグルグルうろつき始めたキャベツ野郎。

看病がついでなのか.....。


「遠慮します」

「そか。なら僕はもう部屋に戻るな。燈弥君もはよ部屋に帰るんやで?ほなさいならー」


脱衣所から軽やかな足取りで出ていった彼に呆気にとられる。なんというか、急にあっさり離してくれて拍子抜けした。


「彼のクラブにお世話になったことがありますが、あそこまで変態だとは思わなかったです。ちょっと頭おかしいなとは思いましたが.....頭がおかしい変態だったんですね」


そうしみじみ呟くと呆れた言葉が返ってきた。


「この学園にいる奴らはみんな頭がおかしい変態だ」

「それだと僕も入ってるじゃないですか」

「そりゃそうだ。今までの行事を思い出してみろ。あんなのを経験してもなおこの学園に在籍している人間はマトモじゃねぇよ。外からそれを見たやつはオレらのことを必ずこう言う――命知らずのドM野郎ってな」

「.......確かに頭がおかしい変態ですね僕達は」


サマ臣君の言葉に『確かに』と納得してしまった自分になんだか落ち込む。そうかー、学園外の人から見たら僕は変態なのかぁ。


「話は変わるが燈弥」

「はい?」

「オレは今日すっげぇお前の役に立ったと思うんだけどよ?」


昇級試験で見た野性的な笑み。
僕はもう分かった。彼が何を求めているのか。


「そうですね.....いつか相手をしましょう」

「かっかっか!お前にしては理解が早いな!おっと、そうだ最後に.....財前と萩野には口止めしといたから安心しろ」


それはきっと、一条 燈弥という人間が『本当は戦闘ができる』ということを指しているのだろう。

僕は非武闘派で通している。それが昇級試験ではなりふり構ってられず、戦ってしまった。
それもバリバリの戦闘派と思わせる戦いっぷりで。

これからも非武闘派でいたいから口止めは正直助かった。萩野君とか口止めになにか要求されそうだから凄い悩んだんだけど....サマ臣君流石だね。


大浴場のことといい、こんだけお世話になったのだから彼の望みには応えたいと思う。直ぐにとは無理だけど、いつか必ずサマ臣君と真剣に戦うと誓うよ。


「よし、行こうぜ。送る」

「ありがとうございます」


......サマ臣君がなんか優しい。戦闘狂と呼ばれているけど、こういう気遣いができるところを見るとそうは思えなくなる。戦いに狂ってるって.....ねぇ?


「サマ臣君はこの後どうするのですか?授業に出るとは思えませんし」

「2年のとこにちょっかい掛けに行く。茂が異名持ちを怒らせに行ってるだろうから乱入だァ」





前言撤回。彼は戦闘狂だ。







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